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青と黄色  作者: 澪。
1/10

出会い。

温かい目で読んでいただけると、うれしいです。



2020年3月

世界は突如現れたウイルスにより、大混乱となっていた。

でも、私は心のどこかでこの異常事態に感謝しているのかもしれない。

だって、君に出会う事ができたのだから。


サクラが咲き始めた。

華は、公園でバレーボールの練習をしに歩いていた。

学校が休校になったせいで部活もできなくなったのだ。

先始めた桜の並木道をのんびり歩いていると、颯爽と一人の男子が華の横を通り過ぎて行った。

その時、音を立て何かが男子のポケットからおちた。

その人は気づかずに、走り去っていく。

華がそれを拾う。カギだ。

華はいそいで追いかけるが、もう見えなくなっていた。

どうしようかと悩んでいるうちに、噴水の前まで来ていた。

「あっ!」

と華は声を上げた。

男子が、噴水の前のべんちに座っていたのだ。

「あの、、」

と華は声を掛ける。

「ん、」

と、男子はびっくりしたように、華を見上げた。

華は鍵を差し出す。

「これ、落としませんでしたか。」

おそるおそる尋ねた。

男子は、にこっと微笑み、

「あれ、いつ落としたんだろう。ありがとう。」

と優しく言い、鍵を受け取った。

ほっと安心して華も微笑えむ。

男子は華のもっているボールをちらっとみて、自分のベンチにあるボールに目を向けた。

「君もバレー、やってるの?」

「あ、はい。緑丘中のバレー部です。」

「俺もバレーやってるんだ。今年、北田高校に入る予定。」

その瞬間、華の目が輝いた。

「北田高校ですか!?すごい。私の志望校なんです!」

「まじ?奇跡じゃん。俺、河野 太陽。」

「あ、私、清水 華です。今年、三年生になります。」

「よろしくね。」

「はい」

「そうだ、一緒にバレーする?練習しにきたんだろ?」

華の顔がぱぁっと明るくなる。

「はい!やった!」

それにつられて、太陽も笑う。

太陽が、華の笑顔に見とれてしまっていたのは、秘密だ。


二人は休憩に入り、ベンチに横並びに座る。

ほのかに香る華のにおいに思わずドキドキしてしまう太陽。

隣でバレーをする相手ができて、うれしくてたまらない華。

太陽は胸の高鳴りをごまかすかのように、話始める。

「めっちゃうまいね、華ちゃん。」

「いやいや。あ、華でいいですよ。」

「じゃあ、華。俺も呼び捨てでいいよ。ってか、敬語なしね。」

「わかった。太陽って、緑丘中だったよね?」

「あ、うん。覚えてる?」

「なんとなく。隣のコートにいた記憶がある。めっちゃかっこいいなぁっておもってた。」

「絶対嘘だよ(笑)俺がかっこいいわけないじゃん(笑)」

「かっこいいと思うよ?わたしは。」

と、華が顔を赤くしながら言う。

そのしぐさに太陽は思わず、華の頭を撫でた。

「ありがとう。華もかわいいよ?」

それで、さらに華の顔が赤くなる。

「もう、からかわないで。。恥ずかしいから。。」

太陽は、華を抱きしめたくなる気持ちを抑え、手を華の頭からボールへと移した。

すると、華が急に思い立ったように立ち上がった。

「しまった!私、今日、塾だ!ごめん、帰るね!」

華が立去ろうとする。

太陽は焦りながら、

「明日も来てよ!俺、毎日ここにいるからさ。」

と華に言う。

華は振り返って、笑顔でうなずき、手を振る。

「太陽!また明日ね!ばいばい!」

といい、走り去った。

太陽は、見えなくなるまで、華の後ろ姿を見送り続けた。




読んでいただき、ありがとうございました。

アドバイスやポイントなどいただけると、大変喜びます。

首を長くして、待っています、、


次話は、明日の夜8時に投稿予定です。

では。

             澪。


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