お天気お姉さん
飛竜たちはブレスを一斉に吐き始め半神の誕生を祝福しているかのようだった。
俺は母子手鳥が一瞬輝いたのに気付き開いてみた。
子象の名はリボン・半神、父友広・神、母マリア・象と記されていた。
<さっき見た時には俺の名は無かったのに、父親になっている。
半蔵の名がどこにも無い。家系問題をどうしようか?>
妻たちは「リボンちゃん可愛い」と騒いで
リボンの注意を自分たちに向けたくて必死だった。
だが、リボンはマリアの体に隠れるようにくっついて離れなかった。
俺もマリアの許可をもらってリボンに近付くと
リボンはマリアから離れて鼻で俺を確認するかのようにやたら懐いてきた。
<可愛い、リボンは俺を父親と思っているかも…。
妻たちの冷たい視線が痛い、気まずい>
俺は「アスカ、眠くなったから向こうの小屋で少し寝てくる」
「それがいいわ。今日一日お父さんは大変だったでしょ。お疲れ様。
お母さんの私はこれからが大変だわ。おやすみなさい」<お母さん?>
工業神は「俺の知り合いに君の問題を解決してくれる女神がいるから心配するな」
「はい、よろしくお願いします」「任せておけ」
俺が小屋で寝ようと横になると、
モンペが『あなた、イグが密航していました』
『世界樹の側を離れて大丈夫なのか?』
『東領の海まで根が張ったので東領では問題無いようなのですが、
天門台が移動して海の上空で弱ったようです。至急、神素を与えてください』
『分かった。今から天門台に行く』俺は天門台に転移してイグを探した。
御神木にしがみつくイグを発見した。
『イグ、大丈夫か?』『何とか、早く大きくて太いやつをグイグイ頂戴』
俺はイグの背に手を当て神素送り込んだ。イグは『その手は胸にお願い』
モンペは『イグ、あんたボッチになりたいの?いい加減にしなさい』
『ごめんなさい』『イグ、神素をどれくらい送り込めばいいのか
分からないから一杯になったら合図しろよ』
『いいわ~、今のは神素が一杯になった、いいわ、じゃないのよ』
俺はイグに神素の供給を終えて『モンペ、俺は戻って寝るからな』
『はい、あと少しで東領の御神木エリアに入りますから、
もうイグは大丈夫です』『そうか、またな』俺は小屋に戻って寝た。
俺が眠ってどれくらいの時間が立つのか分からなかったが、
誰かが「ちょっと、起きてください」目を覚ますと色っぽい女神がいた。
「私は半神の事で工業神に頼まれてきた気象神です。
気象神だから象も私の得意分野です」
俺は「気象神なんて存在したのですね?」
「も~、生意気な男の子ねぇ。私を祀った気象神社もあるのよ」
「それは知りませんでした。ごめんなさい」
「まぁ、いいわ。許してあげる。私は半神の世話好き、主に下の方ね。
情神のお天気お姉さんとも呼ばれています。
よく間違われるのですが半神のジョウシンではありませんからね」
「それで阪神のオフィシャルスポンサーさんが、俺に何のようですか?」
「わざと間違えましたね?これだから創世家の血筋は大好きです。
実は私もあなたの抽選会に行きましたよ。残念な結果に終わりましたけど。
ところで、あなたはウイスキーがお好きですか?」
「唐突に何ですか?俺は酒が飲めませんからウイスキーの味は分かりません」
「井川遥似の私がこの台詞を使うと男性はイチコロなんですけどぉ」
俺は「それより、要件は何ですか?」
「要件は、半神のことですよ。家系問題と言えば分かりますね?
母子手鳥を拝見させていただきます」俺は母子手鳥を渡した。
「あら、あなたがお父さんになっていますねぇ~、
家系問題になりましたか?親権争い。半神だからリーグ争いですかね。
仕方ありませんねぇ。お姉さんが雲隠才象のアイテムをあげます。
雲隠心像さんのアイテムではありませんよ。あれは心像性異世界避難です」
気象神は小さな水晶玉を俺に渡し
「才玉の天気、シスコンハイボールです。
このシスコンハイボールで母子手鳥の名を変えることができます。
私はお転記も得意なのですぅ。シスコンはシステムコントロールの意味よ。
別のことを考えたでしょ~?」「まあ」
「さて、次はお姉さんがお願いする番ね。
ゴーレム大会の会場をナーガが住み着いた西の砂漠地帯にして欲しいの。
爬虫類の魔獣で毒を持っているから厄介なのよ。
殺すと毒の血が流れて大地が死んでしまうのです。それで砂漠になったのよ。
私はお天気を変えられなくて困っています。
詳しいことは会場調査中のスケさんに聞いてください。
今度、お姉さんと遊んでね。ではまた」
色っぽく手を振りながら気象神は部屋を出て行った。
気象神と入れ替わり嬉しそうにアスカが部屋に入ってきた。
「広、転記アイテムをもらいましたか?」「あぁ」
「では、母子手鳥の母名を正妻である私に変えましょう」
「転記だから書き写すことだろ?書き換えはできないぞ」
「広、システムコントロールの転記だから出来ますわ」
「いや、リボンの両親は半蔵とマリアでいいんじゃないか?
俺たちの子供が出来た時にお姉さんが象のリボンだと戸惑うぞ」
「それもそうですわねぇ」
「リボンを俺たちの子供だと思って育てて、俺たちの子供が出来たら兄弟の様に
育てれば良いだろ?母子手鳥の問題だけで、これからのことは何も変わらないぞ」
「そうですわ、何も変わりませんわね。
マリアがリボンちゃんのお母さんで半蔵がお父さん。
広がゴッドファーザーで私がゴッドママ、いい響きだわぁ~」
「ゴッドファーザーって危ない響きだろ?」
アスカは「広、小さなことを気にするとリボンちゃんに嫌われるわよ。
そうだわ、リボンちゃんの気をおママゴトで引けばいいわ」部屋から出て行った。
俺はシスコンハイボールで母子手鳥の父の名を半蔵に変えた。
<頑張ったマリアに人参でもあげようかな>
外に出るとマリアとリボンが外にいてスーさんと爺ちゃんまで来ていた。
大魔神は俺に気づき「リボンちゃんは可愛いなぁ。流石、私の孫娘だ。
息子よ。この島では世話が大変だからリボンちゃんは天門台に移すことになった。
私が天門台を要塞化するぞ。なに、魔神願の百基もあればいいだろう」
俺は「魔神願は一基で同時に千の敵を葬るといわれる武器ですよね?
ならば同時に十万の敵はこの世界では出てきませんよ」
「一度発射すると20秒のシークタイムがあるからなぁ。一分間で三十万かぁ、
確かに、百基では少ない気もするな」
<可愛いリボンのことで大魔神は頭が働いていない>
俺は『半蔵、ここを離れてもいいのか?』
『はい、ここの家と新しい家に転移門なる物で繋いでくださるらしいです。
ですから今までとなんら変わりません』『そうか、騒々しくて悪いな』
スーさんが知らない神を連れて俺の側にきた。
「友広君、この神は象一家の体調管理をやってもらう。健康象神です」
俺は「それはありがたい。これからよろしくお願いいたします」
「私は健康象神になったのはいいけど、仕事がなくて無職のような神でした。
まさか、この世界に降りられるとは思いませんでしたよ。
幸運の象一家に感謝です。精一杯頑張らせていただきます。これからよろしく」
俺は<気さくないい神だ>握手をした。
スーさんは「今、おとぎの国に合うような可愛い象の家を作らせています。
家一軒ですから、まもなく出来上がると思いますよ。
出来上がり次第象一家を運びましょうかねぇ。ん、出来上がりましたねぇ」
その場にいた全員と象一家は天門台に転移した。
象一家の家はお菓子の家に小さなサイロが付いた可愛い家だった。
俺たちの家の左隣に建てられ、かなり広い土地を牧場のように囲ってあった。
健康象神は「マリアが疲れたようなのでリボンと家の中で休憩させます。
皆さんは明日まで囲いの中には入らないでください」
<安心して任せられる責任感のあるいい神だ。あれ、るローリ健神はどこだ?>
俺は「大魔神様、るローリ健神はどこに行きましたか?」
「あいつは神界に返したぞ。それより息子よ。私の家も天門台に欲しいぞ」
<大魔神に家が無いと毎日俺たちの家に泊まりそうだ>
「ツネさんの館に露天風呂の温泉がありますから、その隣に建てますよ」
「露天風呂か、それはいい。何だか催促したみたいで悪いな」「いえ」
大魔神の家とソープの家を建てた。<家が増えておとぎの国らしくなったな>
天門台の家に戻ると昨晩寝ていない妻たちとイグが寝ていた。
<急に静かになると寂しい。ナーガのことを話さないと>
俺は爺ちゃんを探し気象神から聞いたナーガのことを相談した。
爺ちゃんは「ワシが聞いた話じゃがの、ナーガは武装しておるらしいんじゃ。
どうやって武装したのかが不明なんじゃ。
武器を作れる正体不明の知恵をもった奴がいるということじゃ。
毒がある場所にバクチやお金ちゃんを送り込めんからのぉ。
敵の数さえ分からない始末じゃ」
俺は「ゴーレムを送りこんで調べるのがいいかも知れないな?」
「じゃがのぉ、ゴーレムはオリハルコン製じゃろうが、それが敵に捕まって
武器の材料にされたら面倒なことになるからのぉ。一斉に叩いた方がよかろうが?」
「相手の戦力は監視システムでも分からないのか?」
「それがの、地下洞窟があるらしいんじゃ。
まぁ、攻めるにしても秋の収穫が終わってからじゃ
敵が魔法を使う可能性が高いからのぉ
下準備をして洞窟は誰かさんの目で調べるしかないがのぉ~」
「今度、ナーガをスーパー妻玉で捕まえて石化で毒がどうなるのか、
調べてもいいかな?」
「大魔神がおったのぉ、薬神も降ろすかの」
俺は「薬神様がサイ玉のやもめ暮らしか毒神をもっていないかな?」
「そうじゃった。サイ玉の毒守をもっておったなぁ~」
<やはり俺はサイ玉ルートに入っている>
ナーガ討伐を考えてゴーレムは魔石を入れた機体に変更することになった。




