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仁王門産・羊男・スーさん



 翌日西領、領主の館に行くとデルモンが玄関の前に立って

「神様おはようございます。この館の名はどうですか?」自慢げに

「この館の名は『幕張メ政治』ですよ」看板を見せて嬉しそうにしていた。

俺は「異次元の本の知識だな?西領官邸とかはどうだ?」

「この名には意味があるのですよ。館に住む女性は全員幕張なんですよ」

と不気味に笑った。俺は「なぜ、それが分かった?」

デルモンは「雰囲気と匂いで分かりますよ。他の男性も分かると思いますよ。

分からない人は鈍感と呼ばれて、女性に嫌われますよ」「そうなんだ」

俺は「スケさんカクさんは分かるか?」「当然で御座るよ」「そうか」

<俺だけ分からないのか?>「朝の会議に行くぞ」「は!」


 朝の会議でジューシーは「この領は新しく出来た領だから植える作物は

香辛料を育てたいと思うけどうかな?」俺は「香辛料があるのか?」

「ありますよ。香辛料だけでは食べられませんから、誰も育てていなかったし」

俺は「何があるのか?」「生姜と小生姜、それと18ガラシの三種類だよ」

俺は「それを見せてくれないか?」

コケシさんが「神様がそうおっしゃると思って用意しておいたわよ」

俺は食べてみたが、生姜と形は違うが小生姜を粉にするとコショウ、

18ガラシは見かけも味も唐辛子だった。俺は「この領の主食は何だ?」

コケシさんは「何かしらね?麻と交換で得たものねぇ。

隣領の芋が一番多いかもね?」

ゴヘイ領の芋は、玉の種芋を取ると種無し芋になり他領では繁殖出来ない。

<ツダ塾に種芋はあるが、あれを増やすのは問題がある>

<来年は米を作らせるとして、今年はジャガ芋がいいな>

コケシさんは「香辛料で思い出したけど、

麻髪様は肥溜めにヒルを投げ込んでいたのよね。

麻髪様がヒルは肉と一緒に焼いて食べると、美味しくて精力が付く

と自慢していたみたいだけど、麻領に昼は冗句だわよね?」

<ヒルでヤマトタケルが何かを倒したはず?ヒルはニンニクだ>


 俺は「フン下降に行ってヒルを採集してくる」転移で移動した。

肥溜めの周りはニンニクの群生地であった。

<こんなに殺菌効果のあるニンニクがたくさん。凄い>

自然に意志があるかのような、菌の繁殖地に殺菌力のある植物。

その力の凄さに俺は感心した。<リョウコ産のニンニクもあるはず>

俺は鏡湖に転移してリョウコ産を見つけた。

それを持ち帰り「やはりあった、ニンニクだったよ。これで料理の幅が広がる」

スケさんは「ポセイドンのあれで御座るよな。ちょっと気持ちが」

俺は仲間とデルモンを集めて「これは仁王門産だぞ」

「それは食してみたいで御座るな」「神様、それは是非に食べたいですね」

色白は七難隠すといわれるが、美人はすべてを隠すのである。

因みに仁王門やルリーさんは神だから二十歳前半の容姿である。


 その後、仁王門産のニンニクを大規模に栽培した。

男性には「仁王門さんの、アレから出来た物ですよ」とこっそり教えた。

反応は全員「それは食べたいな」とヨダレを垂らすのだった。

男性だけでなく女性からも

「これを食べると仁王門さんみたいに綺麗になるらしいわよ」

仁王門産のニンニクは美容と健康にいいと評判になったが、

そのことを仁王門だけが知らなかった。

仁王門産のニンニクの香りは上質で、上質な門『シナモン』と呼ばれた。

甘くスパイシーな香りがして、食欲を増進させる効果があったのだ。

更に、仁王門産の肥料を夜中に盗む者がいて、

「これを肥料にすると出来た作物の味がいいんだよ。香りも良いし最高だよ」

いつの間にか仁王門産の肥料は空になった。仁王門産のフンは上質かつ上品で、

La・便だー『ラベンダー』の香りと呼ばれ盗まれてしまった。

そのことは仁王門には秘密にして、俺が海に捨てたことになっているのだ。

<あの深さを空にするとは、人間の欲望は計り知れないな>


 片やバカドン産は匂いがキツイので魔獣除けと魔除けに使われた。

鼻が馬鹿になる。鼻が曲がる。と言われる表現は、バカドン産のニンニクの匂いを、

嗅いだときに出来た言葉である。

嗅覚の鋭い魔獣からすると、脳にまでダメージを与えるのである。


 俺は「今からゴヘイ領の芋とは、別の芋を持ってくるから試食してくれ」

「デルモン、まだ菜種油はあるか?」

「収穫したばかりだし、イレバーがいなくなったから捨てるほどあるよ」


 俺は夢の島に転移して、何もイメージしないで加護を掛けてみた。

<俺の予想どうりジャガ芋が出て来た>

西領に帰りジャガ芋を切って、畑に植えて加護で成長させて増やした。

ジャガ芋を茹でて、そのまま塩を振り掛けて試食させた。

コケシさんは「あら、美味しいわね。甘みが無いのがいいわね~」

好評だったので、次は潰して「これに塩とコショウを掛けて食べてみろ」

ジューシーは「何て言う名の芋ですか?」

「ジャガ芋だけど、ここではポテトの方がいいかもな?」

後はお馴染スライスして揚げ、ポテトチップスにして香辛料を変えて試食した。

コケシさんは「これは美味しいわね~。

これを食べ過ぎてポッテトなるわけですね。意地悪ですよ神様」


 ポテトの試食中にドンーと畑に何か墜落した。

急いで墜落現場に行くと、ボロボロな姿で頭をかきながら

男性が「いや~、夜間非行が専門でしたからねぇ、日中の非行はやはり無理でした。

いい女につられて落ちてしまいましたわ~」男性は仁王門に近づき

「私は彦星といいます。ひこほしで星は濁りません。ボシではないですからね。

や~、実にお美しい」握手を仁王門に求めた。

「う!あなたは強力な虫下しを飲まれていますね。近づけません」

仁王門は俺を見てニヤリと笑って「私に悪い虫が付かないようにと彼氏がね」

俺は<違うぞ誤解だ。話題を変えないと>「あなたは、非行星さんでは?」

「そうです。丘釣り専門の非行星ですが、良く分かりましたね?」

「奥さんに昨日会いました」「えぇ~、妻の鬼姫はここに来ているのですか?」

「折姫さんに会いましたけど」非行星さんは青い顔になり震えていた。

俺は「非行星さん大丈夫ですか?」

「妻の顔を思い出して、吐き気とめまいが少し」

俺は、冷たい水を差し出し「これを飲んで」

非行星さんは大きな溜息をついて「ありがとうございます」

皆も心配そうに見ていたので、俺は「皆は試食会の続きを」

<この人は大げさで何か不自然な感じがする>


 非行星さんは「私が世間的には婿養子なのは、ご存知ですよね?」

「まぁ逆玉ですよね?」<自分から婿養子の話を始めた>

「逆玉ではありません。虐殺の玉ですよ。鬼姫に生贄に差し出されたのです」

俺は「鬼姫と折姫さんは同一の姫ですか?」

非行星さんは「世間的には織姫ですがね。

あなたが会ったときには、角隠しを着けていたのですね」

「私は牛飼いと世間的には呼ばれていますが、本当は羊飼いで羊の下位です

一番下っ端なんですよ。それで気の荒い鬼姫に生贄に選ばれたわけです」

俺は「アルタイルと名が付いてる。星が生贄ですか?」

非行星さんは「私の名はアルタイルから中のルとイを取った。物星竿アタ〇です」

「地球の方は知っていると聞いたことがありますか。あなたは知っていますか?」

俺は「姓は違うけどゲームで見ました」

「私も有名になれたのか?それで殺されないのかな?」

俺は「すると鬼姫はラ〇ちゃんですか?」

「いえ、羊のラム肉を切り落とすから、鬼姫で名はラム・ニクチョンですよ。

ラム・ニクチョンは羊の首を落とすのが得意なんです」

俺は「あなたがたは世間的には夫婦になっていますが、どうしてですか?」

非行星さんは「良く知っていますね。夫婦ではなくてつがいですよ」

「番いは、二つのものが組み合わさって一組みになること

狩る者と狩られる者の関係ですよ。

狩られる者がいなければ、狩る者の存在はありませんからね」

「おそらく私が有名になったので、

天帝様が人々の夢を壊さないために夫婦にしたのでしょうね」

俺は「あぁ~、そういえば奥さんは

ラ〇ちゃんのしゃべり方をしていなかっただっちゃ」


 そこに角が頭に生えて、警察官のような制服を着た鬼の美少女が、

「詐欺羊男、今日こそは逮捕します」男性の首を押さえて

「動くと首をチョンパだちょん」

男性は「大人しくしますから首は切らないで~」

鬼娘は俺に向かって「この羊男は詐欺師でクズの指名手配、羊男ゲンといます」

「何か被害に合いませんでしたか?クエスチョン」俺は「ないですよ」

鬼娘は「この男は彦星を名乗って同情させ、女性に悪さをしていた羊男です」

「羊男は狼男と違って白昼堂々と女性を襲い、お手伝いさんにするのですよ」

「私は星部警察のスターバック・ポリスプロダクション所属のコーヒーカップ

ラム・ニクチョンです。略してポリプロのCカップ・ラムと申します。

やっとホシのゲンを捕まえることが出来ました」

そしてゲンを殴り「逃亡して恥をかくだけだったな。ユイ言があったら聞くよ?」

ラム・ニックチョンは連行しようとしたとき、ゲンがゴッキーをポケットから

取り出しひるんだ隙に、ラム・ニクチョンを突き飛ばして逃走を図った。

俺は「詐欺師ゲンは動けないはずだぞ」詐欺師は止まった。

ラム・ニクチョンは詐欺師の首に空手チョップを入れて

スターダスト・シュートに放り込み「ご強力感謝いたします」

俺は「被害に遭われた方々は大丈夫ですか?」

ラム・ニクチョンは「被害者の女性は同居する男性に、

強力な虫下しを飲まされていたので無事でした。うらやましい話ですよね」

「更に、同居する男性は防犯用に、コインをタンスに入れて開ける仕組みと

音楽が鳴る防犯音を組合わせ、コインダンスに改造していましたよ」

私もコインダンスをプレゼントしてくれる彼氏が欲しいですよ。それではまた」

それを聞いた仁王門は手を出して「コインダンスを寄こしなさいよ」

俺は「仁王門は最強の防犯だぞ」仁王門は「そうだったわね」と喜んだ。

ラム・ニクチョンは「うらやましいよぉ。ニクいチョン」と言い、去っていった。

俺は「仁王門、試食の続きをするぞ」「そうだね」


 二人で試食に戻ろうとしたときに、今度は男性が頭を下げながら近づいてきて

「あの~、この領に住んでいる、アラ仁ドンさんのお宅をご存知ありませんか?」

「私は怪しい者ではありません」<この人は釣りの大好きな人だ>

「アラドンさんの釣り仲間のハマヒコと申します。ハバヒロですがねぇ」と笑った。

仁王門は「アラドンの仲間だけで怪しいのですが~」

「確かに~、アラドンさんは怪しいですわなぁ。それ分かるよ。うん」

仁王門は「友達ではないのですか~?」「冗談は無しにしてくれませんか」

「あのねぇ、アラドンさんの股間の中の物は、ミミズより小さいんだね

3センチくらいかなぁ~。笑っちゃいましたよ。

釣り針に餌を付けようとして、あまりにも小さいので

捨てようとして『それは俺の物だ』とまぁ~怒らせてしまったので

今日はまぁ、謝罪に来たわけですよ。あんな小物を出す方が悪いですよねぇ」

と豪快に笑った。「それで、小さいミミズをゴカイだと言うんですよ。

足が無いのにねぇ~、本当に笑っちゃうよね」

<人間的に裏表の無い、いい人だ>


 向こうから「や~、ハマヒコちゃんバカドンは、

もうこの世界にいないそうだよぉ」

「スーさん来てくれたのか~?なんだか悪いね。

海から離れてこんなところにまで来て、時間の無駄なんて参ったよなぁ~」

スーさんは俺の前に来て「君は友広君だよね?15年振りくらいかなぁ

大きくなったねぇ。覚えて無いかスサノヲだよ、君の親戚だ。忘れたかな?」

俺は神界の大物、建速須佐之男命の登場に驚いたのであった。






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