神芝居・斜鳥の娘
俺は夢の島まで御神木を追加していた。
ルートの一本に問題があると、水が切れる可能性があるからだ。
<トラさんだけにトラブルはあるよな>
広い草原でルリーさんと初老の女性、そしてモデル体系の美人さんだ。
ルリーさんは「参ったわよ、君がターゲットだったなんてね、思いもしなかったさ」
「あたし達は神芝居のメンバーよ、15年も待たされたのよ、貰ってくれるわね?」
俺は「ルリーさん何のことですか?」
「今から説明するよ、こっちの二人は後輩のリョウコね」
見たことのある美人さんが「そんな雑な紹介は無いよ、先輩」
ルリーさんは「しかたないわね、この子はドクサイX・検問リョウコよ、
そして隣のおばさんが、歌誘い・盛り山パイ・リョウコよ」
「私はマドンナ・ルリーよ。知っているわよね」
検問リョウコは「ズッコイですよ先輩、網張り・ルリーじゃないですかぁ」
「あたしの網に彼が掛かったから、所有権はあたしなのさ」
検問リョウコは「ズッコイ、そんなの聞いてないですよ?」
ルリーさんは「検問で、男が引っかかるわけないでしょうに皆逃げるさぁ。
なぜ大きい門にしなかったのさ~、バカすぎよ。門がド臭くなるはずよ」
「男を作るのに何回失敗したのさ。その度に、先輩また失敗しました。
あんたは容姿はいいから、あれほど大きい門にしなさいとアドバイスしたのにバカよ」
「検問なんて面倒臭いから、あんたはド臭くなるのさ、
臭い匂いには男は警戒するのさ、臭い道コの検問は通りたくないのさ」
ルリーさんは「あんたのために、時間とってるわけじゃないのよ。君ごめんね」
ルリーさんは「私たちは神の草、本当はクサビね、繋ぎ止めて
君を暴走させないための組織なのよ」
ルリーさんは「大和の大蛇から出た剣とトヤマの大蛇も君が改ざんしたのよ」
「耕運剣と醤油剣なんて、変な名の剣はありえなかったの、
それで神々が気付いたわけさ」
「本来は創世の力なんて、全次元で一人しかいてはいけないのよ」
「だから君は3歳の時から監視対象なのさ。創世神様は喜んでいるけどね」
「あたしが側にいて監視しないとマズイわね。このことは後で相談ね」
「創世の力だけでは、剣を変えたり出来ないのよ。新たになら出来るけどね」
「それで君は言霊使いだと分かったのさ。普通の言霊使いなら問題ないけどさ、
創世の言霊使いは反則よ。君は自分が何者か分かった?」
俺は「自分に、都合がいい物を作れる自覚は前からあったけど、
神なら皆、出来ると思っていたよ」
ルリーさんは「君が今まで作った物を見せてくれる?」
<盛り山パイ・リョウコさんがいるから砂糖ニキビがいいかな>
俺は砂糖ニキビを草原いっぱいに出現させた。
ルリーさんは「これって普通のトウキビじゃないの?」
俺は「これは砂糖ニキビ畑だよ。砂糖ニキビは、
大地から糖分を吸収して茎がコ-ン状に膨らみ、吹き出物になるんだ。
そして砂糖ニキビになるわけだよ」
ルリーさんはしばらく無言で
「なんなの君は、あたしゃ鳥肌が出たよ、考えもしなかったねぇ。
創世の言霊使いが、こんなに凄いとは呆れちまったよ」
「それでこれをどこかに植えて増やしてるの?」
俺は「種を取って増やそうと思ったけど、大地に糖分なんて無くて失敗したんだ」
「俺がこの世界の人に供給するなんて面倒だからね。今、俺が作ったのは甘いよ」
ルリーさんの指示で土と砂糖ニキビを倉庫に入れた。神々が鑑定するそうだ。
俺はクサビの説明を受けたが、ビックバーン以降宇宙は広がり続けているのに、
なぜ、惑星間が広がらないのかは、神がクサビを打って繋いでいるそうだ。
<これって宇宙の最大の謎だよね?>
俺は法則をはみ出した神で、繋ぎと止めないと暴走したときに
抑える手立てがないらしい。<俺が考えることは無いよな、何とかなるだろう>
神芝居の全員で、俺にクサビを打ったらしいが、何も変わらない気がした。
ルリーさんは「ところで君は、田んぼや醤油を作る詠唱は考えてあるの?」
「いるの?」「当たり前よ、剣は何も指示しないのに発動しないさ」
<田と醤油作る詠唱なんて考えてないよな、自動にならないのか?>
検証終了後、全員で雑談をしなから昼食を食べたが全員エルフでは無かった。
詐欺エルフの神芝居集団だったのだ。神芝居は、この世界に夢を育てる組織だ。
俺は夢を壊すかもしれない危ない存在らしい。
特S級世界破壊要素、友広と呼ばれている存在だ。<落ち込む>
盛り山パイ・リョウコさんはリュートを奏でながら
「ザラワー♪ザラワー♪」食事中の音楽だと言い、歌い始めた。
俺は子持ちの盛り山パイ・リョウコさんと仲良くなった。
<迫ってこないから気楽に話せる、良かったよ>
俺は「この草原にオイハギが出たりしないよね?リョウコさんに被害は?」
リョウコさんは「あるかもね、息子は被害に合ってると聞いた事があるわ」
この会話で仲良くなったのだ。
食事中俺はルリーさんに気になっていることを聞いてみた。
「エルフ領でアスカが行くまで、愛は無かったのに、
夢の島のトラさん達には愛があったけど、なぜ?」
「あたしも昔、気になったから調べたのさ。見た目はエルフだしね
エルフ領のエルフは足が地に着いて無かったのさ。
そうねぇ足を地に着けようとしなかった。が正解なのさ
足を地に着けないと、いつまでたっても森の中から出ない臆病な猿なんだよ。
地球にまだ木の上で生活している人種なんていないからね、同じさ。
冒険しないと明日は変わらないのさ。君が行って良かったんじゃない?
これから変っていくさ」
盛り山パイ・リョウコさんの素晴らしい歌のお礼に。
中学時代の黒歴史である、弾けもしないのに女の子にモテようと買った、
フォークギターとピックをお礼にプレゼントした。
リョウコさんは喜び「これは私からのお返しね。このクワは古いけど
有名だから手に入れたの、今は知ってる人はいるのかなぁ?」と言い
ベルトの付いたクワを「これはクワ田バンドよ。田をこの魔法クワで耕せば、
どんな条件でも水田が作れるからね。これを作った人は自分の家ではない
違う人の家先で作ったから『違先クワ田バンドだぞ』と言ってたわよ」
と言い、笑いながら「はい、これは私からのプレゼントよ」と渡してきた。
俺は「最高のプレゼントだよ。涙そうそうだよ。ありがとう」
後日、俺は暇な日にリョウコさんから貰った
クワ田バンドを使って田を起こしてみたが、
リズミカルに田を起こせない。<何だかネチャ・ネチャする>
耕すたびに「ピチャ・ピチャ」変な音が出始めた。
俺は気付いた。これは『ピチャー・クワ田バント』だ。<何ということだ>
リョウコさんは、類似品を掴ませれたのであった。<ねっちこい、はずだ>
<リョウコさんの人が良いのを利用した奴には神罰を与えてやる>
おそらく犯人は、リョウコさんの側にいる。
と名探偵コンナン神は思ったのであった。<オ!サギだな>
俺はメカケに帰ったが、アスカに押さえ付けられて
「あなた、悪い芽を摘みましょうね」とフォークで目を突かれそうになった。
<アスカの「あなた」攻撃だ。ここで土下座をすると末路はじいちゃんだ>
翌日気になってはいるが、見ていなかった綿花を見にいったのだが、
芽は出ていた。これからどうするのかが問題である。
最初から気付いていたことだが、フン植えの量産化に行き詰ったのである。
俺の気晴らしはトラ矢に遊びに行くことだ。
先日、俺はトラ三の3人に奥さんをと思い、ワカメ村の売れ残り貝の
バーゲン・セールに連れて行った、3人はそれぞれに選んだが、
自分が選んで他の二人の貝を見ると「俺のより、あっちの方がいんじゃねえか?」
と思ったらしいのだ。人の心理である。
名言『二貝の女は木にかかる、櫻』は、この時誕生したのを俺しか知らないのである。
一般的には二階と思われているが、二階には貝の文字が一つも無いのを、
不思議に思った人は、意外といないのに俺は驚いたのだ。
こっちのトラ三には貝は二つあるから、本物であることは明白である。
それで結局貝を拾わずに帰ってきたのである。
話は反れたが、俺はトラ矢でタコ斜鳥と話すのが楽しいのである。
タコ斜鳥は「神様、今日は何を浮かない顔をしているんだ?」
俺はフン植えの量産化に行き詰ったことを話した。
タコ斜鳥は「な~んだ、そんなことかい、もっと世界にとって重大なことかと
思っちまったよ。種をメン鳥に食わせて、そのフンを植えればいいんだよ。
な~んだい、難題かと思ったら簡単なことで拍子抜けだよ」
俺は「流石斜鳥だな、世間を渡り鳥だったことはあるぞ、ありがとう参考になったよ」
タコ斜鳥は「お神のためですから参考になったなら、税虫を何とかしてください」
俺は税虫に「斜鳥の税を神の権限で免除する、税虫よ立ちされ!」
税虫は頭を下げながら撤退したのだ。タコ斜鳥は
「お神の力はすごい、今度また何かあったときにはお願いします」
俺は言霊使いの力で、税虫を撤退させたことを伏せることにした。
メン鳥は南鳥島に生息して毎日卵を産むらしいのだ。
トラ矢も欲しいと言うので、メン鳥を鳥にいくことにした。
タコ斜鳥は「トラ矢には山猫がいるから、メン鳥を飼うのは面倒だぞ」
と忠告してきた。
この山猫は、招き猫のモデルになった猫でヤマネコだから「ヤー」と
右手を上げて挨拶するのだ。本当は「ニャ」だったのだが、マネコ上手だから
右手を上げ「ヤー」と泣いて挨拶するのである。それでヤ・マネコと呼ばれるのだ。
後に、山猫はジャガ芋が出来たときに、ジャガ芋の芽を食べたため
人間には毒でも猫には薬になったらしく、元がヘビから出来た芋だったので、
何でも飲み込むようになり、何でもマネをするヤ・マネコが言葉を覚えたのだ。
最後には踊り歌まで唄う馬鈴薯団『ヤ!マネ子・バレイショー団』
を作り十島園で公演を始めたのだ。
馬鈴薯の文字を見ても分かるが、猫に鈴は、ヤ!マネ子・バレイショー団が
ショーを盛り上げるために鈴を付けたのだ。
このことが世界中に広まり『馬に鈴』が正解なのに『猫に鈴』になったのである。
「これで猫と呼んでいいのか?」と島民の声が出て来るのは当然である。
新しい獣人に認定され島民権を得て『ジャガー族』が誕生したのであった。
更に『ジャガー・バレイショー団』に改名してジャガーが横一列に並び
ラインダンスを始めて『ジャガー横だ』が誕生した。
「だ」の漢字変換は禁止されたが、人気の出し物になったのである。
次の公演から『レスリング・ショー』をメニューに入れるために、
何でも飲み込む特性を生かして、
海岸のイシを食べて練習をしているのだが、島民は優しいので
イシがなくなり、弔いの心配をしているのだ。
島民たちは「このコトウには、まだ桜さんの息子、三つ男君がいるから安心だ」
と三つ子の三つ男君に期待をかけているのである。
俺がタコ斜鳥に詳しい場所を聞きに行こうと思った矢先。
「父ちゃん」とタコ斜鳥の娘が声を掛けてきた。
タコ斜鳥は「お前はどうして俺がここにいるのが分かったのか?」
「鳥の噂でトラに父ちゃんがトラわれていると、噂話を耳にしたの」
タコ斜鳥は「アケビ、お前は旦那をほっぽってポッポと来たのか?」
「父ちゃん、アタイは旦那と別れたよ。デモ鳥だよ~」
タコ斜鳥は大きく溜息をついて「バカ娘がデモ鳥だよ、神様」涙を流した。
アケビは「父ちゃん心配しないでよ、ここには嫁のいないトラが三頭
もいると噂で聞いたから、一頭くらいはイテコマスよ」
タコ斜鳥は呆れて「それはなぁアケビ『トラぬ斜鳥の皮算用』と言うんだ
しゃちょうの皮算用は、斜員に迷惑を掛けることになるんだぞ。
そんな口は、お前も税虫を処理できる、神様と知り合いになってから言えよ」
俺は<こんな楽しい場所はない>と思ったが笑いを我慢した。
タコ斜鳥の話では、メン鳥は面倒な鳥と面倒みのいい鳥の二種類いるので、
ブスメのア毛尻の後を付いて行くことになった。
タコ斜鳥はブスメのア毛尻の名付けに失敗して「尻ぬぐいばかりさせられる」
とぼやく姿が目に浮かび、俺は笑いながらア毛尻の後を追うことになったのである。
アケビはアホ毛が尻にあるから、斜鳥連中からアホ毛尻と付けられのだ。
斜鳥連中が集まる小飛行会では、鳥を鳥ってアホ毛尻ダンスで飛行すのだ。
当然、若いころのブスメのア毛尻は
鳥なのに非行に走り、タコ斜鳥を「飛べアケビ」と悩ませたのである。




