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精霊魔法とコモノへ出陣・サバイバル人


 この後の会話は大いに盛り上がり、酒もうまいと飲みすぎたのである。


 俺は洞窟内兵士の食料調達にツダ塾に行き、食べ残しでもないかと倉庫を探した。

見つけたのは、エルフのパン作りで出た失敗作の焦げたパンと、

作ったのはいいが美味しくない燻製だった。<いい物があるじゃないか>


 聖女モンペ曰く失敗して覚えるのが一番。

『食べ物を粗末にしては嫁に行けません、一生棒を振ってもらえませんよ』

エルフたちは失敗作を部屋に隠せば犯人がバレる、全員で倉庫の隅に隠したのだ。

俺が回収するとエルフたちは、全員でお祈りのポーズをして「あ~神様」と懺悔した。

「これで棒を振ってもらえるわ」と大喜びし少し涙目であった。

<そんなに俺の棒術が見たかったのか、モンペの奴が自慢したな?>

「俺が棒術を習っているのをよく知っていたな、モンペに聞いたな。特別に見せてやるぞ」

意味の分からないエルフ達を連れ、広い場所に移動し、俺は準備運動をした。

「よく見ておけよ」演武を披露した。最後は伸身のムーン・サルトで<決まった>

俺は多くの女性の注目を浴び、気持ちの入ってない表情と大拍手に違和感を感じた。

<演武を見るのが初めてだからなぁ、ビックリさせたか>


 バクチにエルフの倉庫で手に入れた食料を洞窟の兵に届け、中の様子を見てもらった。

火の車バクチには倉庫にエリアが与えられていて、名は『借金返済窓口ご利用はいつでも』


 俺は農民のところに行き肉をと思ったが、全員が外で寝ていた。

『モンペ何があった?』モンペは『昨夜の肉が高カロリーだったので、全員が

朝までランニングと石を使って、筋トレをしていました』

『それとツダ塾のあなたはステキでしたよ、私は笑いませんよ』

<棒術を披露するのが早すぎたか?よし訓練しに行こう>


 俺は棒術を習いに修練場に移動した。先生に「君はかなり棒術が上達したな」

「君はみんなに若と呼ばれているみたいだな?それに宮司の衣装だな。

かなり上達したから、拙僧が門下生として名をしんぜよう

『牛若麻呂』だ。遠慮せず受け取れ、礼はいらんぞ」「は!ありがたく」

武蔵棒神先生は上機嫌だった。<いらないとは言えない、困らないしもらっておくか>

名をもらい訓練を始めたが先生は「牛若麻呂来い、牛若麻呂いいぞ、牛若麻呂そこだ」

牛若麻呂を連発し、牛若麻呂と呼ぶたびにテンションが上がり、最後は先生の棒が燃えた。

訓練が終わった後に、神器の高下駄をもらった。鎮痛効果と八艘飛び魔法付きだ。

「ヨシ、これでツネっても痛くないぞ」と満足し嬉しそうにしていた。

訓練器具を片付けていると「ミナモトにもどせよ」だった。


 訓練後、世界樹の実をエルフに食べさせる約束をはたすために持ってきた。

種は転移魔法で先に抜いて、回収に手間を取られないようにしておいた。

六百個ほど確保してババーのところに行き、一人一個を配ってもらうようにした。

神々が実をすでに食べ始めており、確保するのに苦労した。

神々が四千個以上を先に食べていたのだ。種の数は現在五千個を越えていた。


ババーの家からイグの周りには、精霊がたくさん飛び回っているのが確認できる。


 俺は「ババー、精霊魔法を教えるぞ」「小僧、待たせおってチチクリあっていたな?頼む」

「ババーは神託の巫女だから、モンペを知ってるだろ?」「綺麗な姉ちゃんだな?」

俺は面倒くさいので「ああ、そうだ」ババーは「あの声の主はそうとうな美人じゃ、

このエリートめがワシも嫁候補に入れろ、美人じゃろうが」「入れません」


 スケさんたちが作った新しい溜め池の側に移動して、

好奇心で集まった皆の前で、俺は手の平を上に向け火精霊を乗せた。

「ババー、これが精霊だ」ババーは感動し

「精霊様ようおいでなさった、ワシがババーいいますじゃ」

<ババー、俺の扱いよりいいのでは?>「ババー、後はモンペに聞いてくれ」

ババーは「精霊様、火を小枝に」ボッと火が点いた「精霊様、火を大きく」火が大きくなった。

火を大きくしたり小さくしたりして、嬉しそうだが緊張している。「ありがとうじゃ」

種火も残らず消えた。その場にいたエルフ全員が「おぉ~」声を上げた。

それまで固唾を呑んで見守っていたので、緊張感が開放されたようだ。

小枝に近づき、燃えかすに指をさし込み「熱くねぇ、お前らも触ってみろ」

知り合いが、金メダルを取ったときのような喜びようだ。


 因みに火魔法と火精霊魔法の違いは、火魔法は周りに引火する。

引火する理由は火炎放射器と同じような攻撃魔法だからである。

これに対して火精霊魔法は周りに引火しない。

火魔法と同じように火で攻撃するのは同じだが、命令を実行する精霊の存在だ。

引火をしない理由は命令終了後、精霊が魔素の供給を止めて

周りの二酸化炭素を集めて吹きかけ火を消し、更に温度を下げる。

つまり消化して尚、火種を残すこともなく引火することが、ありえないのである。

酸素も同じように集めて吹きかけることで、火力を変えるのである。

もちろん周りを燃やす命令や一晩中燃やす命令も聞く、

ターゲットのみを燃やす攻撃魔法で、小枝や燃焼物がなくなれば消えるのである。

使用者の意思に精霊が従い、周りの魔素と御神木の魔素を使うために出力が大きい。

後にエルフのみが精霊魔法を使えると伝わったが、神に頼めば人族でも使えるのである。


 俺がここに残ったのは、ババーがモンペに質問出来ないからだ。

先ほどからイグがこちらをうかがっているので気が気ではない。

水精霊も紹介して急いで帰ろうとしたとき、

「愛しいお方、私に会いたくて来たのですね、嬉しいです」イグが俺の肩に手を置いた。

<面倒なことになった、逃げたい>

俺に触れたので、周りのエルフ達にもイグの姿が見えた。

その場にいたエルフたち全員が土下座を始めた。

「なんという美しいお姿」と騒ぎだした。モンペがババーにイグの話しを伝えたのか、

ババーが「小僧この美人コレクターめが、後で苦労して泣け」

『モンペ、ババーにイグのこと何かじゃべった?』『イグの言ったとうりに』


 この後やはり面倒なことになった。

イグが私たちの子供が…をモンペがババーに伝え、

『モンペ伝えるな』『聖女モンペですから嘘は、身から出た錆をお落としなさい』

モンペがババー伝えたことにより、イグと俺の子供が本当に精霊だと勘違いされた。


 モンペは聖女モンペと私は貝モンペそして八方美人モンペ・

痴呆モンペなど十数種のモンペを使い分けるようになり

『私の都合モンペ』が使い分けの統括リーダーになった。

ばあちゃんに浄化されたことにより、より人らしく感情が進化したのである。

進化したのはいいが俺の命令を無視して、先走りし痴呆モンペになるのである。


 俺はババーに木札を見せてもらったことから、考えもしない事実を知った。

エルフ領以外には今のところ、数に対する認識がないことを知った。

<学校がないから当然だが、考えてなかった>

塩を買うのにスーパーのように並べられた岩塩に、十塩コーナー百塩コーナーと

値札が付けられて、出来るだけ大きな物を選んで買うわけだ。

バラになった塩は、袋に詰めて売られる。重力魔法があるから天秤は使えない。

エルフ領は分配など色々と数を使う、それは公平を創世神が教えたからだ。

それに四千年以上の歴史があることも大きい。


 隣領は強い者が先に取り、後は順番で原始的そのものである。

人の名に数字をつけているが、それは昔エルフ領との交流が始まったときに流行した。

最初の子供にゴへイとかロクタなどと、名をつけているのがいい例だ。


 この世界は農業の歴史が浅い。動物が強い魔獣になり始めてからだ。

魔獣に追われ団体で住むことにより、安全に食料を安定供給できることを考え出したのだ。

歴史が浅いので、一年が何日だとか月が何日、時間なんてあるはずがない。

太陽の影なんて計れるはずもない。人口の意味さえ分からない。


 モンペから『農民が起きました』と報告を受け農民の元へと移動した。

農民は脂ぎって顔はテカテカし、気のせいか筋肉が盛り上がっていた。

俺は「起きたか。体調は大丈夫か?」

「イエッサー!神軍隊長殿、体調は万全です何時でも出陣できます」やる気満々だった。

<何があった?方言も出ないし>『モンペ何をした?』

『農民を守る必要がなくなるように、この役に立つ女モンペがミート・キャンプで

あなたの為に指導したのよ』『農民は念話が出来ないだろうが?』

『イヤリングを一個追加で作ってもらい、スケさんに頼んで届けてもらったのよ』

『あなたが様子を頻繫に見に来なくて済むでしょ、それにスケさんも賛成したからよ』

『イヤリングの位置は、常に私が監視してあるから回収もすぐに出来わよ』

<農民が強くなればコモノ領に帰っても、奴隷のように扱われることはないな>

『楽になったよ、ありがとうな』『出来る女ですから』

『モンペこれからどの肉が美味しいか?監視してくれ』

『神々に美味しい肉当てゲームをさせて、食べさせれば盛り上がるわよ』

『それはいい考えだな、じいちゃんが喜びそうだ。ありがとうまたな』


 俺は「さ~今日も肉を食わせるぞ、食いたいか?」「神軍隊長殿、食いたいであります」

「それでは今日はまず肉を食い、その後は肉を出来るだけ多く焼く訓練だ」

「途中で食ってもいいぞ、リーダーは決まってるな誰だ?」

農民の一人が手を上げ「三太であります。リーダーではなく軍曹であります」

俺は「ではサンタ軍曹お前にあとを任せる、肉は中に氷と一緒に置いて行く」

「俺の準備ができたら作戦開始だ、諸君らの健闘を祈る。夜になる前に回収に来る」

「イエッサー!」俺はあるだけのコンロを出して、氷とともに肉を大量に中に置いた。


 俺は三太に後を任せ行こうとすると

三太が「モンペ神軍隊長婦人殿に神軍隊長殿へ、私のパフォーマンスをお見せすれば

お喜びになると言われたのでお見せ致します」

そして彼は腕をクロスして「サンタクロース」と叫んだ。

俺は単純だが予想していなかったので「お、よかったぞ」と笑った。<あの農民がギャグ>

<モンペの性格がアホになっていくのが、なぜか嬉しかった>


 俺は「伝えるのを忘れるとこだった、

捕まっている兵士の中にお前達の仲間がいないか?」

「お前達が説得して農民に戻り、真面目に働くようだったら解放するぞ。

誰を解放するか決めておけ」俺は敬礼をして転移で去った。


 午後からも俺は少しでも強くなるために、脳筋だが棒術の腕は確かな先生の元へ行った。

先生は「牛若麻呂、これから武道の御前試合に拙僧は出なければいけない」

「いつもなら午前からの試合予定が、ボスの都合で今日は午後になった」

俺は「先生、ボスってどんな神ですか?」先生は「それは聞くな」

「先生の対戦相手は誰ですか?」先生は「イケメン派だ」

「そうか牛若麻呂は、武人の組織構成を知らないのか?」「組織構成?」

「拙僧らコウモン塾の塾生のことを、武闘派と呼ぶのだ」

「本当はあぶれた拙僧ら武闘派を集めて、コウモン塾を創世神様が創ってくれたのだが、

秘密にしてくれ、拙僧らがバカだと思われるからな」

<他は塾に入れたくないのは、分かる気がする>

「他の塾もあるぞ、それぞれの塾に派が必ず一つあるのだ」

「例えば、研究神の創設した学〇の訪問販売派は押しが強い、頭を使った頭突きもな」

「拙僧らコウモン塾の塾生・武闘派と、羽根突きの上手い修造館イケメン派が

今日は御前試合を行なうのだ、ボスの前でいいところを見せないとな」


 俺は先生の後ろに目をやり、誰もいないが「ばあちゃん」と呼んでみた。

先生は慌てて後ろに姿勢をかえ頭を下げて「ボス!」と言った。

<ボスは思ったとうり、ばあちゃんだ>

先生は「やぁ~牛若麻呂も人が悪い、まだ人でよかったよな?心臓が止まったぞ」

「流石静御前様の血を引いてるな、将来は表神会と裏神会を束ねる…」

先生は慌てて汗をかきながら

「牛若麻呂、拙僧が今言ったことはなかったことにしてくれ頼む」頭を下げた。

俺は「先生頭を上げてください。武蔵棒と牛若麻呂の秘密にしますよ

これで先生とはミナトモのヨリトモになれましたね」

先生は何度も「流石だ」を繰り返し「表と裏の血を引いでおるな凄い!」

御前試合後の武闘派祝勝会では、

俺の話しを聞いた他の武神達が、将来総統神になった俺への忠義を誓合った。


 俺は焼いた肉が冷めないか気になり製薬所にもどった。

そこにはスケさんたちが肉を回収するためにすでに来ていた。

中隊長と呼ばれ指示を出し、焼き具合を指導していた。

農民は統率のとれたバーベキュー・マシーン、と呼びたくなるほどの光景がそこにあった。

俺達メカケのメンバーは、少し暗くなるのを待ちながら、これからのことを話し合った。


 精霊に明かりを頼み、俺は洞窟内に耳栓をして入ったが兵士達の泣き声が聞こえた。

<絶望の泣き声だ>素早く一網打尽を使い、兵士達を捕まえて一緒に製薬所にもどった。

<完全防御があっても羽音はイヤだ>

俺は弱って泣き崩れる兵士達の一網打尽をといて

「三太軍曹、この中から助けたい者を引きずり出して説得しろ、今直ぐにだ!」

「イエッサー!」三太たち農民は、弱った兵士の髪を掴み顔を確認し

引きずり出して少し離れた場所に移動させた。

残った兵士の周りには、一角狼とスケさんカクさんが威嚇をしながら待機中だ。


 三太たち隊員は兵士の胸ぐらを掴み、頬に平手打ちをしながら

「これから真面目に農業をすると誓え」バシバシと音を立てていた。

すでに泣き崩れる兵士は「なるなる農民に戻る神に誓うべさ」

「神軍隊長殿に誓うな?」元農民兵は何度もうなずき「誓うべ」

「よしよく言った!俺が神軍隊長殿に頼んでやる」

そして三百五十人ほどの元農民が農業をこれから真面目にやると誓ったのであった。


 三太が「神軍隊長殿こちらへ」三太が案内する所に行くと

「神軍隊長殿、新たに隊員になった者達にお言葉を」<三太の前世は軍人かもな>

俺は恥ずかしいが「よし良く誓ったな、約束を絶対に守れよ、守らない奴には神罰を与えるぞ」

俺は羽音の出る笛を吹いて「分かったな」羽音で縮こまった兵士たちは、

泣きながら「うんうん」と頭を下げ続けたのである。

俺は「新隊員になった者達には、晩飯に肉を好きなだけ食わしてやるぞ」

泣き崩れる兵士達は少し元気になった。


 回復魔法をかけて全員でコンロの前まで移動し、三太に小声で

「お前達の腹は空いてないだろうが、まだ向こうにいる兵達を肉の焼く匂いで釣れ」

「新兵たちにも焼き方を教えて食わせろ。追加で肉を中に入れて置く

あと丸太を適当な長さに切って入れて置くから、訓練に使え」

三太はうなずいて「作戦行動にはいります。で作戦コードネームは?」

「キャッチャー・ミートだ。我々は新兵にならない者に、

一網打尽をかけて撤収する、健闘を祈る」「イエッサー!」と小声で答えた。


精霊に明かりを頼み、一角狼に護衛をさせメカケに帰った。


 翌朝農民の所に転移すると、草原で数は正確に分からないが四百五十人全員が寝てた。

『モンペ、昨夜も訓練したのか?』『昨夜は元からそこにいた農民だけです。

後の新兵は洞窟内で眠れなかったため、肉を食べてすぐに寝ました。

三太たちは更に強くなりましたよ。進化したのかも。以上神軍隊長婦人でした』

『モンペ、その神軍隊長婦人ってなんだ?』『私のことでしょ神軍隊長婦人モンペですよ』

『なにそれ?』『あなたが三太に否定しなかったから農民は全員、

私をあなたの妻と思っていますよ。今更どうやって否定するのか、お手並み拝見』

『作戦参謀長兼友広夫人モンペでした。がんばってね旦那様』

<農民の変わり様に気を取られていたから、思い出せない>

<メカケに帰って寝るか少し休もう>


 三太たち兵隊が起きたと報告を受けたのでもう一度やって来た。

三太たち最初のメンバーは、見た目で分かるくらい筋肉が盛り上がっていた。

拘束してある者はベンビという名の隊長以外は、俺に従うことを誓って新兵になった。

俺はベンビ以外の拘束を解くと泣いて

「神様に逆らって悪かったべ、死んでお詫びさするだどおもうべ」と謝られたが、

「俺は神だぞ命などいらない、神罰を忘れず死ぬつもりで皆の役に立て」

新兵たちは「やるべ、真面目に働くだべ」俺は「よし今から肉を食べてがんばれ」

彼らは「喜んで食べるべさ」明るくなった。「おう死ぬほど食え」全員で大笑いした。

三太は今から肉を食べて新兵の訓練を始めるようだ。

俺は「今日入隊した者は休ませろ。全員を明日にでもコモノ領に返せるがどうする?」

三太たちは「訓練をあと一日、ここでやりたいであります」

「肉が食えますから天国であります。流石隊長殿は神であらせられます。お願いいたします」

そのあと訓練をしながら歩いて帰りたいらしく「作戦中に食べる肉をお願いいたします」

俺は「作戦行動中の肉は用意する。心配するな」と答え、ベンビのことを任せて帰った。


 三太たちの出発は明後日の朝に出陣することになり

俺は異世界に来て、まだ熊以外の魔獣と戦っていなかったので

スケさんカクさんと棒術の実践訓練を兼ねて、狩りをすることにした。

残念なことにオークとゴブリンを見ることはなかった。

うさぎ・イノシシ・熊・鹿そして大きな鳥とトカゲで地球と変わらなかった。

<グリフォンとかオーガが見たい。竜がいるからいることに期待しよう>

スケさんカクさんに聞くと、雑魚の名は知らないが二足歩行の魔獣は存在するらしい。

この世界は役に立たつ物と恐ろしい魔獣以外の名は無い、

花は花で名は無い、ロシアの人もそうらしいが本当かは調べたことはない。


 農民たちの出発する日、みんなで製塩所に移動したが頼もしく見える。

モンペもなぜか分からなかったが、『精神的なもので、昔は自分が弱いと思い込み、

行動も消極的になり言葉もはっきりしないのが、自分が強くなったことを自覚して

言葉の最後で、声が小さくなり語尾が下がる方言も出無くなった』<それはあるかも>


 俺は出陣前にエルフの作ったサバイバルナイフを兵たちに一本づつ渡して

「エルフからの好意だ、今後エルフと友好関係を築き仲良くするのだぞ」

これからの二領の関係が良くなり、崩れないようにと釘をさした。


 だがこの神から与えられたサバイバルナイフは後に

思わぬ事態を引き起こすことになるのである。

それは三太たちが領に帰り、畑仕事に行くことを「畑でサバイバルしてくる」

奥さんは「あなたサバイバルがんばって来てね」と送り出すようになったのである。

更に妻たちの会話では「今日も家のご飯はサバイバルよ、食料もサバイバルなのよ困ったわ」

モンペに聞いたサバイバルの意味を、遊び心で冗談に使い笑ったのである。

サバイバル言葉遊びは、三太の元部隊を中心に流行した。

そして領全体に広まったのである

この後裕福な家庭が出始めサバイバルーンと呼ばれ、

「見てサバイバルーンよ。私もサバイバルーンに」ルーン族と憧れの対象となったのである。

母は子供に「もっとサバイバルしないと、サバイバルーンになれないでしょ」と怒り

「サバイバル頑張らないと、お父さんのようなサバイバルになりたいの?」

子供は「俺は将来サバイバルーンな嫁をもらって、

母さんのようなサバイバルブスとはおさらばだ」このようなやりとりが普通になり。

夜のお勤めで夫が「しかたないサバイバルするか、あいつサバイバルすぎるよ」

とボヤキながら行為に挑む、妻は「このサバイバル亭主サバイバルすぎ、

そんなのでは私はサバイバルーンできないじゃないの、本当にサバイバルな男ねぇ」

この領はサバイバルだけで、強弱イントネーション長短を変えることで、

会話が出来るように進化したのである。


 サバイバル語を使うサバイバル族サバイバル人が、俺の不注意で誕生したのである。

『モンペが意味を教えたからだ、普通は物の名前にしか思わないぞ』

『今の私たちもサバイバルだから、今度はサバイバル~ンをね、あなたのエアガンで』

この領の名は改名され夢と希望の領『サバイバルーン』となったのである。


三太軍曹を先頭にベンビを一角狼が囲んで出発した。


 ベンビは一人で傲慢な態度で偉そうにしていたら、三太に突き飛ばされ

偶然そこにいた一角狼の角であれを、そうなった形になってしまった。

ベンビは便秘が治り嬉しそうにしていたが、肉だけを食べさせていたから、

他の兵はもっと酷いのではと気付き、調査をしてみると運動量が多いためか軽い便秘だった。

「早めに気付いて運がよかった。運が悪かったらフウンを出すのが大変だったかも?」

緊急で俺の田舎から薩摩芋をこの世界に入れることになったが、生では種芋になる。

肉は神々の意思で食べさせたわけだから、責任を取るために焼き芋は、

神々が焼くことになり焼き芋神が誕生した。女神たちに焼き芋神は大人気になったのである。

そして俺はこの世界の薩摩芋を探すことで、責任を取ることになったのである。

<女神に食べさせたら、要求してくるのは分かってたろうに>


 ベンビのニューハーフの疑惑が持ち上がったのであった。

次の日からベンビの目つきが気持ち悪いと、皆で避けて俺も放置したのである。


 更に兵には寒天を食べさせるため、業務用のみつ豆をこの世界に入れた。

俺はステンレス製のマグカップを作り与え、みつ豆を食べさせた。

後に大会の優勝者が神からもらったマグカップに因み、

優勝カップをもらい受けることになったのである。大会名も同じ理由である。


 俺は一日一回は農民たちの様子を見に行き話しをした。

便秘になってないか調査するためだ。<便秘になった者はいないな>

ガスが出て迷惑をかけてないかを心配していたので

俺は「お前ら本当のヘータイになったな、心配しないで出るだけ出せ」

肉のガスは臭いことが分かったのである。

雑談をしていると美味しい肉の話が出て、

塩味だけなら角の生えた黒い動物で名は、真っ黒マグロとも呼ぶ。

群れで川に水を飲みに来るらしいので、俺は水牛だと思う。

タレを浸透させて食べさせた間違いにこのとき気付いた、同じ味になるらしい。


 三太軍曹が申しわけなさそうに「自分で作戦コードネーム付けました」

俺は「別にかまはないぞ。言ってみろ」それは『百勝一揆』だった。

領で一番大きな木札の金額は百塩であるため、

数は分からないが百が一番大きい、つまり一番強いと思っているからである。

百勝は無敵を現す言葉で使うのである。

俺は、「サンタ軍曹、君のネーミングセンスは最高だ」と褒め称えたのである。


 <差別用語で危ないがセーフだろう>俺は田舎育ちだから知ってるが農家の人は

自分の仕事と自分を、差別用語で呼んでいる変な話しだ。

差別用語と言っている人たちが見下げているからだが、俺は真実に近いと思うのである。

差別用語と決める人は、長い歴史で先祖が農業を一人もしていなかった人だ、凄い。

「私はトイレにはいきません。排泄行為なんて不潔です」こういう人たちだと思う。


 そのうち大工が差別用語になり、大工を差別用語と決めた人がきて

「棟梁、大工は差別用語で使えません、木製専門建設加工技師です。これを使ってください」

大工にプライド持つ棟梁は「そのなげー名前なんだ、バカか使えるわけないだろ」

差別用語を決めた人は「大工という言葉は見下げられた言葉ですよ」

大工の棟梁は急いで屋根に上がり

「俺がお前を見下げたぞ、差別用語というのは差別用語だな使うなよ!」

「お前が屋根に上がれるようになって御託を並べろ、三十年ほど大工をやってみろ」

と豪快に笑う。近い未来に必ずやってくるかもである。

「百人百様ということで、まぁ俺みたいな子供の意見があるということだ」


 夜になり男性陣で風呂に入り会議を始めた。

三太たちが夜にコモノ領に着きそうなのをバクチが止めた。夜の戦闘を避けるためだ。

三太たちは、夜間戦闘には自信があると言ったが、

住民が農作業中で、外に出ている方がいいと止めたらしい。

領内の残る兵の数は百以内「兵と農民の区別が難しく分からない」

お金さんとバクチの調査でも「兵を除いた人口は千人くらいだと思う?」


 報告を聞き俺は「だとするとバランスが悪すぎる、兵の数が多すぎる」

「塩の弱みを抱えているエルフ領から、取引という名の略取に納得出きる」

バクチが「流石、若、エルフ領の現状を知って兵は増やされたみていです」

<コモノ領は世界樹の薬を、どこかの食料と交換していたのだろうか?>


 モンペに聞いて見ることにした。『モンペ分かる?』

『聖女モンペは男性のお風呂での会話を、聞いたりいたしません。不潔です』

『ドクターテン忘れた?』『旦那様この出来る女モンペがお答えいたます。

簡単ですよ農民が倍働けば済みます。ゴヘイの直訴に納得できます』

『出来る女モンペが考えるには、農民の労働が過酷で兵になりたい人が出て当然』

俺は『モンペの考えどうりかもな、ありがとう』

『風呂は覗いていませんモンペでした。サイズは覗かなくても知っていました以上』

<お金さんが農民とエルフたちを保護してたな。直訴で捕まえていたのを忘れていた>


 朝早く、作戦名『百勝一揆』部隊が待機する場所に転移した。

この先を右にすこし曲がった場所に領があるというので進んだ。

畑がつづていた、モンペの報告では縦に長く1.5キロ以上、横は1キロ以上らしい。

その中央に幅が1メートルくらいの道路、かなり広い畑で農民が働いていた。

その先に少し小高い丘に住居があり、白い壁に三角屋根が見えた。<大誤算だ>

住居の方から畑を見ると、おそらく丸見えだ。<塀がない、一度現地を見るべきだった>

<俺のラノベ知識が…バクチもお金さんも塀がないのは当たり前だったわけだ>

<アスカとイチャついている場合ではなかった。何時でもこれたのに>


 俺は「住民の安全を考えて、ステルス飛行魔法で現地を見てくる」

カクさんは「このまま一気に行くで御座る」

「スケさんだけに良い格好をさせるのは悔しいで御座るから、援軍を呼んだで御座る」

俺は「援軍って竜じゃないよね?」「拙者はスケさん以外は、竜しか知らないで御座る」

三太たちは、竜の援軍といわれ戸惑いをみせた。<当然だ領が破壊されると思うよな>

俺は「竜たちは今どこに?」「呼べばさして時間はかからないで御座る」

<カクさんはスケさんの狼達が役立っているから、自分の眷属を呼びたいらしい>

大人だと思ったカクさんの意外な面を見た。<大人になり切れない俺と変わらないな>

俺は「偵察に行ってあとでなんとかするよ」ステルスをかけ飛んだ。



10000文字越えて誤字脱字に困りました。気が付かなかった。

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