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近付く崩壊Ⅱ
僕が勉強をしているとき、家の電話が静かな室内に響き渡る。
「もしもし、水無月です。ああ、お久しぶりですね! いつもお世話になってます。」
『・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・そうだったんですね・・・お気持ちお察しします。詩音には私から伝えておきます。」
短いやり取りの中に込められた感情は悲しいものだった。
受話器を戻した水無月幸子は大きくため息をした。
「今の詩音に伝えるのは・・・酷なことだわ」
幸子は階段へと視線を向けながら、もう一度大きくため息をついた。