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寂しく悲しい少年
観覧車から降りた僕たちを見たスタッフは気まずそうに送り出した時には、もう夜になっていた。周りを歩いている人たちはカップルが多い中、僕たちは帰路についていた。
隣にいる三日月さんの目は赤く腫れ上がっていた。
「三日月さん、ごめんね。」
居た堪れない彼女に言葉を掛けるが、彼女は何一つ発することなく、首を左右に振るだけだ。
桜木町までの道のりは長く感じた。
煌びやかに光る街並みはカップルを盛り上げる景色として、そこにあるが今の僕には虚しく感じる。
彼女が僕に優しくしてくれたことは嬉しい。好きと言ってくれたことも、今の僕にはとてもありがたいことだった。ただ、僕は人を好きになることができない。
「水無月くん・・・」
そんなことを考えてると、三日月さんは僕の手を掴んできた。
「私、諦めないから・・・水無月くんが元気になれるように、そばにいるから。」
俯きながら口にした彼女は握る力を強くし、駅へと走って行った。ただ、手の甲に落ちた涙と彼女の後ろ姿は悲壮感に溢れていた。
「ごめん・・・」
その時の僕はそう口にすることしかできなかった。
元気付けようとしてくれいた彼女の姿にただ、謝ることしかできなかったのを僕は覚えてる。




