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チートを作れるのは俺だけ~無能力だけど世界最強 作者:三木なずな

第五章

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52.チート主婦

「――あん♪」

 自分の部屋の中、電書ハトからダミ声のなまめかしい声がした後、手紙が届いた。
 手に取ると、なんとソフトからの手紙だった。

 大喜びで手紙をあけて中を見る。
 懐かしい筆跡でかかれた手紙は、ゆにコーンが大量発生してるから気をつけろって内容だ。

「ソフト……いつもありがとうな」

 気遣いの塊の手紙に俺は感動した。
 送られてきた手紙をしっかり保存しようと、部屋の棚を開けたその時。

「きゃあああ!」

 急に、部屋の外からサヤカの悲鳴が聞こえた。
 いきなりの事に俺は部屋から飛び出す。

「どうしたサヤカ――うおっ!」

 廊下に出てサヤカの所に駆けつけた瞬間、彼女の悲鳴の原因が分かった。
 彼女が立っている床がピカピカになっていたからだ。

 掃除の事を「ピカピカにした」なんて言い回しがあるが、大抵は大げさに言ってるもんだ。
 でもこれはそうじゃない、文字通りピカピカになってて――もはや鏡だ。

「サヤカ、どうしたんだこれは?」
「私にも分かりません、部屋から出てきたらもうこうなってました」
「なんだって?」
「一体どうしちゃった――きゃあああ!」
「今度はどうした!」

 また何かあったのかとサヤカの方を見ると、彼女がスカートを押さえているのが見えた。
 何故スカートを――はすぐに分かった。

 ピカピカに磨かれた廊下、鏡としての機能を果たしている。
 そして鏡に映し出されるのは――サヤカのスカートの中。

 はいてる下着がはっきりとわかる程ピカピカに磨かれてる。

「みないで下さいハードさん!」
「お、おう。悪い!」

 俺は慌てて振り向いて、サヤカに背中を向けて見ないようにした。
 いきなりの事で頭が回らないまま、次の出来事が起こった。

 ゴッ。

 壁の向こうから何かにぶつかった鈍い音がする。
 ドアを開けて中に入る、そこはリビングだ。

 小さな庭に続くガラス張りのサッシがあって、その向こうでルナが尻餅をついて、おでこをさすっていた。

「どうしたんだルナ」

 彼女の事が気になって、庭に出ようとした俺だったが。

「ハードくん、来ちゃだめ!」
「え?」

 ルナに止められたが、止まるのは間に合わなかった。
 空いてるサッシを通って庭に出ようとしたら何かにぶつかった。

「あっちゃ……」
「あいたたた……どういう事だ……って? ガラス?」

 ぶつかった事で改めてそこを見ると、サッシが空いてる訳じゃなく、しまったままだ。
 しかしガラスがものすごく綺麗に磨かれてて、綺麗すぎてまるで何もないように見えてしまった。

 ガラスがあるのに、透明すぎて見えない。
 俺もルナもそれで頭をぶつけた訳だ。

 さっきの床といい、このガラスといい。
 それによく見たら、家の中が全体的にピカピカだ。

「一体……どういう事だ?」

     ☆

 リビングの中、集まった俺とサヤカ、ルナ、そしてフィーユ。
 俺たち三人とちがって、フィーユはどこかばつが悪そうな顔をしている。

 ちなみにリビングの床もほぼ鏡張りになってるから、サヤカはスカートを押さえてソファーに座っている。

「……つまり、フィーユが気合入れて掃除したらこうなった、ってことか」
「うん……」

 状況をまとめると、フィーユはますますばつの悪そうな顔でうつむいた。
 確かに、「ピンと来た」奴隷だって事で、家事とかはフィーユに任せたけど、

「どういう掃除をしたらこうなるんだ?」
「それは……」
「あのねハードさん。床も鏡も、『ちーと』の力を感じます」
「うん、感じるね」
「え?」

 俺は鏡になってる床を見た。
 『ちーと』の力……そんなのは感じないけど。

 今度はサヤカとルナを見た。
 二人は迷いのない、確信しきった顔で俺を見ている。

 俺には感じないけど、同じ『ちーと』持ちの奴隷達には分かるってことか。

「『ちーと』で掃除したのか?」

 フィーユに聞いてみた。

「そんな事はしてない。あたいはただ……ちょっと気合を入れて掃除しただけ」
「それの結果がこうか……なんでなんだ?」

 俺はリビングの中を再度見回した。
 ガラスとか床とか、見えるものに目がいきがちだったが、よくよく観察したら、ソファーも今までと同じものだが、座り心地がまるで別物みたいによくなってる。

 家全体がすごい事になってる。
 フィーユの『ちーと』のおかげなのは言われてわかったけど、本当何でだ?

 考え、観察している間、フィーユがチラチラと俺を見ているのが分かった。
 顔を赤らめてちらちら。俺に怒られるのを恐れてるのか?

「これはアレですね」
「うん、きっとアレだね」
「サヤカにルナ。何か分かったのか?」

 意味深に頷き合う二人に聞いてみる。
 するとサヤカににっこりと、ルナはにやりとイタズラっぽい笑みで。

「ハードくんのために頑張ったからだよ」
「俺の?」
「ハードさんはいるだけで、私たちの能力を高めてくれてるのかもしれないですね」
「……?」

 正直よく分からないが。

「……」

 やっぱりチラチラと俺を眺めてながらも否定しないフィーユを見て、二人の言うとおりかもしれないと思った。

「うわっ! 何これ、トイレが黄金みたいに光り輝いてる!」

 遠くからコハクの声が聞こえてきた。
 フィーユの『ちーと』に、驚かされた一日だった。
面白かったらブクマ、評価してくれるとすごく嬉しいです!
■10月10日書籍版発売します
よろしくお願いいたします。
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