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チートを作れるのは俺だけ~無能力だけど世界最強 作者:三木なずな

第四章

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49.五人目

 大陸某所。
 男と女が二人っきり、顔をつきあわせていた。
 年齢も格好も性格さえも違う二人だが、同じような表情――苦虫をかみつぶした様な表情をしていた。

「あたしだけが呼び出されたってことは……ピクセルもやられたんだね」
「ああ……」

 リーダーの中年男が重々しく頷いた。

「やったのはまたあいつ? 名前は……なんだっけ」
「ハード・クワーティー」
「本当パッとしない名前。本当にそいつがやったの?」

 中年男はもう一度頷いた。
 沈黙が降りる、重い空気が流れる。

「……あいつがやられる事はないって思ってたのに。慎重な性格だし、洞察力もあるし、いざってなれば泥水をすすっててもやり遂げる度量はあるし」
「全てやった」
「え?」
「慎重に事を進めて、相手の力を見抜いて、泥水もすすって油断もさせた」
「なのにやられたって言うの?」
「そうだ」
「……そっか」

 女は頷き、きびすを返した。
 その顔は真剣だった、前の時の様な余裕はまったく無くなっていた。

 ピクセルという男に寄せていた信頼が、そのまま真剣さに変換された。
 女が立ち去った後、残された男はどこからともなく電書ハトを取り出し、「あん!」の声と共にどこかへ手紙を送った。

「ハード、クワーティー……」

 そのつぶやきは、手紙同様虚空へと吸い込まれていくのだった。

     ☆

 プリブの街、自宅のリビング。
 フィーユを加えた、奴隷たち全員と一緒にいた。

「すごい……ケガだけじゃないんだ」

 サヤカが驚嘆の声をあげた。
 目の前で彼女が力尽くで叩きつぶしたテーブルがみるみる内に修復されるのを見たからだ。

 驚嘆の声を向けられたフィーユは平然とした顔で答えた。

「ものだけじゃない、あたいの『ちーと』はご主人とご主人の持ち物を常に修復する能力」
「ご主人様の持ち物?」
「そう、この家とか、後みんなとか」
「ルナたち奴隷もハードくんの持ち物だもんね」
「なっとく」

 力を披露し、説明したフィーユにみんなが納得した。

「単純明快だな。そこにいるだけで修復とか回復が続くんだろ」
「あたいがいればね。そのかわり家を離れたときに壊されるとどうしようもないけどね」
「そっか」
「ハードさんからもらった『ちーと』だから多分大丈夫だと思うけど、それってするとつかれたりする? 治した分の魔力とか体力を使うとか」
「ないよ。あたいがいるだけでまわりが治っていく。ねててもおきても関係なくそうなる」
「そっかぁ」
「さすがご主人様の『ちーと』だね」
「ハードくんすごーい」
「あなたが、ナンバーワン」

 口々に話す奴隷達を、俺は微笑みながら一歩引いた所から眺めた。

 サヤカ、コハク、ルナ、イノリ、フィーユ。
 性格も見た目も持っている『ちーと』も、それぞれが違う奴隷たち。

 内と外、攻めと守り。
 フィーユが加わったことで揃った(、、、)感が出てきた。
 出てきたからこそ、期待が膨らむ。

 次の奴隷はどんな子になるのか、と言う期待。

 どんな見た目で、どんな性格で、どんな『ちーと』なのか。
 その事に期待を膨らませて、俺は、やいのやいのと盛り上がっている奴隷達を眺め続けたのだった。
これで第4章完結です。
面白かったらブクマ、評価してもらえるとすごく嬉しいです!
■10月10日書籍版発売します
よろしくお願いいたします。
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