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チートを作れるのは俺だけ~無能力だけど世界最強 作者:三木なずな

第四章

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39.満場一致

 朝、リビングで奴隷の四人と朝ご飯を食べてると、コハクが真顔で言ってきた。

「ご主人様。この家の部屋がまた増えたね」
「うん、増えたね。五部屋だったのが七部屋になってる」
「新しい部屋も奴隷用なの?」

 コハクの言葉に、他の奴隷達が一斉に手を止めて、おれをみた。

「そのつもりだけど、どうかしたのか?」
「ご主人様にこのお願いをするのは失礼なんだけど……次の奴隷、家事が出来る子がいいなって」

 コハクは申し訳なさそうに言った。

「うん、わたしもそう思う」
「だねー。ルナも家事出来る子がいないとダメって思う」
「……」

 サヤカとルナがコハクに同調した、イノリは何もいわず、茫漠とした表情のままおれを見つめている。

「家事か」
「うん、だってわたし達……みんな家事が苦手で」

 更に申し訳なくしおれるコハク。

 ……よく考えたらそうかも知れない。
 コハクは元お姫様だ、家事スキルなんてあるはずもない。
 ルナはサバイバル生活をしてた期間が長くて、野宿スキルはあるけど家事スキルはない。
 イノリは論外。
 唯一家事が出来そうなイメージのあるサヤカだが。

「ごめんなさい、わたしもダメです……」
「そうなのか」

 謝るサヤカ、頷くおれ。
 ともかく理解した、奴隷たちは全員家事が苦手だって事を。

「だからご主人様」
「うん、分かった」

 頷いて、四人をみる。
 そして宣言するかのように言う。

「次の奴隷は家事出来る子にする」

 そういうと、イノリをのぞいた三人は安堵の表情を浮かべた。

     ☆

 プリブの街、ウェッティ奴隷商会。
 サヤカを買った店にコハクと二人でやってきた。

 中に入って、奴隷を買いたいって言った。
 最初はけんもほろろだったが、コハクがフルネームを名乗った直後、店の人が慌てだして、おれ達を奥の部屋に通した。
 そこで少し待ってると、サヤカをうってくれた男、商会の主、ウェッティが入って来た。

 ウェッティはこっちを見てぎょっとした。
 なぜならおれは客用のソファーに座ってるけど、コハクはおれの横に立ってる。
 王女だと名乗った彼女がまるで使用人のようにおれのそばに立ってることに、ウェッティはぎょっとしたのだ。

「はじめまして、当商会の主、ウェッティと申します」
「はじめてましてじゃない、前に一人奴隷をうってもらった事があるんだけど」
「――失礼いたします」

 ウェッティは慌てて頭を下げた。
 なんだ、サヤカの事は覚えてないのか。

「それで……本日は奴隷をお求めになりたいとのことで?」
「ああ、そうだ」
「さようでございますか……」

 ウェッティは眉をしかめた。

「それが、今奴隷の在庫がなくて」
「そういえばサヤカの時もそんな事を言ってたっけ。えっと、なんとかという男爵が大量に予約したんだっけ?」
「ココダラ男爵でございます」

 知ってるなら早い、って顔でウェッティが答えた。

「まだそっちの納品もおわってないんだ」
「さようでございます――」

 やっぱりコハクがすごく気になるのか、ウェッティは彼女をちらちら見ながら話す。

「コハク」
「はい」
「すわっていいよ。それとコハクが代わりに話を聞いて」
「わかりました――ご主人様のお許しが出たので、これからはあたしが話を聞くわ」
「は、はあ……」

「奴隷の納品が原因は? ご主人様が前に奴隷を買ったときからだいぶ時が経ってるはず、なんで滞ってるの?」
「それが、近頃妙なのです。ご存じの通り、奴隷は貧しい家から仕入れてくるのですが、最近売ろうとする所が少なくて参っているのです」
「売ろうとする所が少ない?」
「東の、不作している農村のあたりにも人をやっているのですが、そこも不作しているくせにほとんど売ろうとしなくて。いやはや、何がどうなっているのだろうか」

 ウェッティは眉間を揉んだ。
 どうやら本当に奴隷が仕入れられてなくて困ってるみたいだ。

 おれはコハクとアイコンタクトをして、奴隷商会を出た。

     ☆

 表に出て、サヤカ達三人と合流した。
 ウェッティから聞いた話をそのまま伝えると、サヤカとルナは困った顔をした。

「それじゃ奴隷は買えないんですか?」
「実際にないんじゃどうしようもないからな」
「……ご主人様、提案があるの」
「提案?」

「買う事が難しいのなら、ここは一つ、一番古いやり方をしてみない?」
「一番古いやり方?」
「ご主人様の甲斐性を追求しているご主人様ならわかるはずです」

 コハクはそう言って、どこか、期待している様な目でおれを見つめながら。
 おれなら知ってる……一番古いやり方……。

「さらうのか」
「はい」

 頷くコハク。

「気に入った子をさらって、無理矢理奴隷にしてしまうんです」
「なるほど、確かに一番古いやり方だな」

 大昔の奴隷はそう言うものだって聞いたことがある。
 戦いで鹵獲するとか、そもそも奴隷をふやすために村を襲ったりするとか。
 今は売買があたり前だけど、昔はそう言うものだったらしい。

 そうしたらどうだ? ってコハクは言ってるのだ。

「コハクさん、それはどうかな」
「うん、ルナ、無理矢理さらうのはどうかって思う」
「どうして? なんの問題もないじゃん」

 コハクは人差し指を立てて、説明口調で言う。

「よく考えて、問題あるの? さらってきた子はご主人様の奴隷になれるんだよ」
「ハードさんの……」
「……奴隷」

 サヤカとルナはおれを見た、目を見開いてハッとした。

「むしろ……幸運」

 今まで黙ってたイノリがぼつりといった。

「たしかにそうかも」
「あれ? 本当になんの問題もないかも」
「でしょう。あっ、もちろんご主人様の意思次第だけど」

 どうかな、って顔でおれを見るコハク。
 サヤカもルナも、果てはイノリまでもおれをみた。
 どうする? ――全員の目がそう聞いて来る。

 ……そうだな。
 一人くらい、無理矢理さらってくる奴隷がいてもいい。
 真のご主人様とはそう言うものかも知れない。

「よし、やろう」

 おれがいうと、奴隷達が一斉に目を輝かせた。
 無理矢理誰かをさらって奴隷にするということに――下手するとおれ以上にノリノリな奴隷達だった。
■10月10日書籍版発売します
よろしくお願いいたします。
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