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チートを作れるのは俺だけ~無能力だけど世界最強 作者:三木なずな

第三章

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33.デンジャラスライブ

 夜、宿屋の中。
 おれの部屋にルナとコハクが集まっていた。

 ライブバトルで疲れ果てたイノリは戻ってくるなりぐっすり眠ってしまった。
 念の為にサヤカをそばにいさせてやった。

「それ見たかったな」

 ルナが興奮気味に言った。
 昨日と同じように、タンスの上に座ってて、興奮してるからかアホ毛がぴょこぴょこしている。

「だったら明日見に来ればいい。イノリのライブは――」
「うん! みにいく! 楽しみだなあ、鼻から花を咲かすお豚さんかわいいんだろうなー」
「そっちかよ!」

 思わず盛大に突っ込んだ。
 ルナはイノリのライブじゃなくて、判定用のイイネ牡丹に興味をもったようだ。

「だって気になるんだもん」
「気になって見に来るのはいいけど、ちゃんとイノリの応援もしてやれよ。明日はDランク昇格を賭けてのバトルだからな」
「うん! するする。うー、いまから楽しみだよ」

 ルナは子供のようにはしゃいでいた。まるで遠足前日の子供のようだ。

 一方、ドアの近くで佇んでいるコハクは浮かない顔をしていた。
 部屋に入ってからずっとそんな顔で、会話にも混ざってこない。

 何か思い詰めた様子だ。

「どうしたコハク」
「ご主人様……」
「……どうした、本当になんかあったのか」

「今日の昼間、ウマ車にのってサウンドヒールに行ってきた」
「首都に? なんでまた」

「あの(ひと)――リサがサウンドヒールにいるって情報があったから」
「――っ!」

 リサがサウンドヒールにいるだって?
 おれの前にアイドルとして現われて、観衆を操って襲わせた後姿をくらましたあのリサが?

「それで、いたのか」
「うん。あっちもライブバトルをしてた」
「なに?」

 ちょっと信じられなかった。
 あんな事をしておいて姿を消したのに、街が違うとは言え普通にライブバトルをしてるだって?
 どういうことなんだ。

「ライブバトル、どんな感じだったんだ。まさかまた観衆を操ってたのか?」
「そうだけど……でもちょっと違った」
「ちょっと違う?」
「リサが歌い始めると、その場にいた観衆はものすごく盛り上がった、盛り上がり過ぎて凶暴になっていった」

 なるほど、とおれは頷いた。
 コハクの説明で、すぐにその光景目の前に浮かび上がってくるようだ。

 この前がそうだった。
 普通にライブを聴いてたかと思ったら、彼女の歌にまるで洗脳された観衆達がおれ達を襲ってきたのだ。

 大勢の人間が一斉に凶暴になって、正気を失ったかのように。
 あれがまた起きたんだろう。

「コハクの事がばれて襲われたのか?」
「ううん、違うの」
「じゃあ?」

「彼女の歌を聴いて、ボルテージがあがった観客同士がケンカを始めたの」
「観客同士が?」
「うん。ご主人様を襲わせた時と同じ感じで、客同士がケンカを。その間も彼女は歌い続けてた」

 おれはその光景を想像した。
 ぞっとした。

 ステージの下で客同士が殴り合いしてるのに、気にしないで歌い続けるリサ。
 ぞっとする光景だった。

「なんでそんな事に……」
「これ……」

 コハクはおれに近づいてきて、何かを取り出して、テーブルの上に置いた。
 それを見た瞬間、おれとルナが一斉に息を飲んだ。

 コハクが取り出したのはブレスレット。今も光を放っているブレスレット。
 ロックが使ってたあのブレスレットだ。

「これは……まさか?」
「うん」

 コハクは重々しく頷いた。

「リサの歌を聴いてた人たちは全員つけてた。これをつけて、リサの歌を聴いて、ケンカを始めた」
「じゃあ、これが光ってるのって」

「殴り合って倒れた人から取り上げてきた。ケンカをして、殴り合って倒れた人から」
「苦痛……」

 炭酸の街エルーガで、ロックはこのブレスレットを冒険者につけさせて、「苦痛」を集めていた。
 集めた苦痛は魔力になって、魔物を産み出したり、本人の力を増幅させたりする。

 ロックはそれを使って何かをしようとしていた。
 それを止めて、ロックを倒して、一件落着だと思ってたんだけど。

 まさかここでまたこれが出てくるとは、しかもリサがそれに絡んでるとは。

「なんでリサがこんなものを……」
「歌の力も含めて……ご主人様。リサの後ろに何者かがいると思う」
「……ああ」

 おれは頷いた。
 そうだろうな、リサの裏に誰かがいるだろうな。

 リサが急に力をえた事と、このブレスレット。
 何者かが陰で暗躍してるのは間違いない。

 それも、ロックとつながってる何者かが。

 リサが現われた。
 リサに歌の力がついた。
 リサの裏に何者かが暗躍してる。

 驚きの連続、わからない事だらけ。

 ……一体、何が起きてるっていうんだ?
■10月10日書籍版発売します
よろしくお願いいたします。
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