【6】銅の提の精
不思議なことがある。
歴史の影には事件がある。
それが新しいものを伝える【NEWS】と対峙した【OLDS】である。
※
ピッピッピッポーン♪
今晩は、真中 愛香【まなか まなか】です。
古い出来事をお伝えするOLDSの時間になりました。
早速お伝えします。
怪しい者が現れたという通報があり、捜索されるという事件がありました。
場所は、二条南、西洞院東にある東三条殿です。
通報したのは、宮中の儀式や文官の勤務評定や人事、叙位および学政をつかさどる式部省の長官である式部卿宮【重明親王】さんです。
通報者の話では、南の山を三尺…およそ90cmほどの太った五位の男がたびたび現れていたとのことです。
五位というのは、袍【ほう】の色が赤の怪異なものを示すものだそうです。
その怪しげな者を見た式部卿宮は、陰陽寮に属し、天文暦数、地相による占いなどを司る【陰陽師】を呼び、対策をねることにしたそうです。
陰陽師の証言によりますと、これは銅のうつわもののモノノケですが、人に害はない。邸の東南のすみの土の中におります。と答えた。
通報者は、陰陽師の証言に基づいて占いで示された場所を掘り返した。
当初、二尺から三尺…およそ60cm~90cmを掘り返したものの見つからず、場所を見謝ったのではないかという疑いも芽生えたが、陰陽師が更に掘るように指示し、掘り進めると、五斗入りの酒や水を注ぐ、ひさげ【提】を発見したそうです。
それ以後は、五位の者が出歩くこともなくなったそうです。
巷の人は、銅の提の化身が出歩いたのだろうか?と噂しあっていた模様です。
また、【今昔物語巻第27本朝付霊鬼 東三条の銅の精、人の形になりて掘り出さるる語 第六】
にて広く情報を求めていくとのことです。
なんとも不思議な出来事です。
さて
CMの後は、悪徳地頭の贅沢三昧な生活を暴け!をお伝えします。




