【5】冷泉院の水
不思議なことがある。
歴史の影には事件がある。
それが新しいものを伝える【NEWS】と対峙した【OLDS】である。
※
ピッピッピッポーン♪
今晩は、真中 愛香【まなか まなか】です。
古い出来事をお伝えするOLDSの時間になりました。
早速お伝えします。
夏、縁側に人が寝ていたところ、身のたけ三尺ほど【約90cm】の小さな翁が現れて顔を撫でまわり、池の方へ逃げ姿を消した。気味の悪いイタズラに噂がたち騒ぎになりました。
現場は、二条大路の北、西洞院大路の西、大炊御門大路の南、油小路の東の地にあたる二町で、第五十七代清和天皇の皇子、陽成院の住まいと言われています。
その後、噂を聞いた男が捕まえようと麻や苧【からむし】などをあんだ縄を持ち、縁側で待ち伏せを試みたところ、夜中を過ぎたあたりに顔に冷たいものを感じたので、縄で縛りつけた。
その後、人を集めて灯りをあてて見てみると、浅黄色の上下を着た翁がいた。
やがて翁は、「たらいに水を入れて欲しい」と頼んできたので、水をいれたたらいを持っていくと、「わしは水の精じゃ」と言った途端に水の中に消えた。
たらいの中には、縛られたままの縄だけが残されて水の中に揺れていた。
それから先の翁の行方は不明。
【今昔物語 巻第二十七 本朝 付霊鬼 冷泉院の水の精、人の形となりて捕へらるる語、第五】にて情報を募るそうです。
さてCMのあとは、山伏と陰陽師の懐事情についてお伝えします。




