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スレインによる四章予告
それがしの名は、スレインだ。
バンギアとアグロスの天秤たるべく、この島に来た。
人間ふうに年を言えば、33歳くらいだろうか。
実際に過ごした年月は、24年ほどだがな。
それがし達の寿命は、人間やゴブリンより少し短いゆえ。
島の混とんの闇は深い。アグロスをも蝕んでいるとは。
だがユエに、自覚が生まれたのは幸いだ。
偏頗な天秤は、良いものとはいえぬ。
予告か、やってみよう。
『断罪者の人数が、しばし四人に減らされる。
日ノ本の件の責任を問う、テーブルズの動議のせいだ。
そんなときに限って、法で決まった火器点検。
襲って来たバルゴ・ブルヌスの連中を撃退したのはいいが。
よりによって協力者が、自衛軍とは。
背後にはあの将軍の影までちらついている。
だが紛争は終わったのだ。
かつての様な横車、押せるものなら、やってみろ。
次回、銃と魔法と断罪者、第四章“赤鱗の隣に”。
家族とは、どういうものなのだろうな』




