クレールによる二章予告
お初にお目にかかる。
僕の名は“クレール・ビー・ボルン・フォン・ヘイトリッド”。
ヘイトリッド家当主だが、クレールと呼んでくれていい。
108歳の若輩者さ。残念だがまだ、下僕はいない。
何だ、その目は。
騎士の奴め、よくも僕を殴ってくれたな。
父様以外には、殴られたことがなかったのに。
ギニョルにもスレインにも怒られるし、散々だったよまったく。
……取り乱してすまない。
予告をどうぞ、麗しい読者の方々。
『過去に何かあったのか。騎士の奴、吸血鬼をまとめて恨んでいる。
同族の醜態ならば、僕も甘んじてそしりを受けるか。
あんな奴が増えないように、早く島を安定させなければ。
気合いを入れてはみたが、いつものごとく、大物連中は目の前を通り過ぎていく。
仕方なく食事に出たら、今度は孤児どもがしつこい。
マントを引っ張るな。髪の毛の匂いをかぐな。
だが見込みのある小さなレディもいた。
ザベルの店に暮らす以上、何かのわけがあるのだろうが。
君を脅かすものには、同族として容赦はしないぞ。
次回銃と魔法と断罪者、第二章“紅の戦い”。
月が赤い、いい夜だね』




