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見えない目  作者: 友千
5/8

さくら

私はほとんど目が見えない。



私の娘の子

つまり、孫。


その孫夫婦が

私たちの持っている土地に家を建てた


その時、孫夫婦は子供ができず

犬、さくらを変わりに飼い出した。


子犬の頃はみんながさくらを可愛がり

そして、可愛がりすぎた。


今は二歳になる大人の犬になっていた。

子犬の頃に可愛がりすぎたせいで

鳴く。

咬む。

吠える。

我が儘な犬になってしてしまった。


孫が仕事に出掛けた途端

わん。わん。

と泣き続ける。


仕方なく、私はさくらを連れて

散歩に出かける。


私が通る道は車の通りが少ない。

だから、一人でも散歩ができる。


私の目は正面を見る状態で

左右の端がよく見える。


だから正面はほとんど見えない。


だから、車の存在は恐ろしい。

最近は電気自動車なんかができてしまったおかげで

車が近づいてくるがわからなかったりもする。


さくらの散歩は

身体にもいいと思いつつ

歩いているのだが


家に帰ろうとしない。


どんなに引っ張っても帰らない時は

足を踏ん張って

家の敷地に入ろうとしない。


仕方なく、私たちの家の玄関に紐を結んで

私は部屋にはいる。


だが

少しするとまた

わん。わん。と

今度は家に響き渡るように鳴くものだから

これは適わない。


また散歩に出かけ

さすがにさくらも疲れたのか

家にすんなり帰っていく。


これがほぼ毎日というと

私の方が疲れてしまう。



もっとひどいのは

風や雷、花火が出た途端

今度は

キャイーン。キャイーン 。

と悲痛な鳴き方をする。


そういう時に限って孫夫婦は家にいない。


私はまた家の玄関に紐を結んで

落ち着くまで

側にいる。



家族での会話は

さくらのことが多い。


今日も鳴かれて

大変だった話など

散歩で暴れたなどの話をする。



でも

さくらがいないと

もしかしたら

散歩に行かないのかもしれない。


冷静に考えてみると

さくらの存在がどれだけ

多いか分かる。


今も鳴いて鳴いて仕方がない。

さてと

っと重い身体を起こして

今日も散歩に行く。

今回は、私の従姉夫婦が飼っている話を書いてみました。


最後まで読んでいただき

ありがとうございました!

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