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見えない目  作者: 友千
2/8

食器洗い

私はほとんど目が見えない。


息子が新しい家を建ててから

食器洗いは私の日課だった。


自分たちの食器を洗うのはもちろん

孫たちの食器も洗い

生ゴミを捨てる。


息子の嫁が昼食を作ってくれる。

私の機嫌のいいときは4人

孫が仕事の日には3人で

昼食を食べ、

その後片付けを私がする。


また息子の嫁が夕食を作り

昼間あったことを

嫁に聞いてもらい、

楽しく話をして夕食を終え

その後片付けを私がする。


これが私の日課である。



最初のうちは

嫁が後片付けをやると

申し出てくれた。


でも

私にはもう料理を作ることができない。

私の仕事がないのは

私にとっての生き甲斐を無くすのと

一緒である。


私は常に何かしていないと

精神的な体調を崩すようになってしまった。


嫁もそれを理解したのか

私に食器洗いをやらせてくれる。


私が食器を滑らせ

食器が欠けてしまっても


おばあちゃん大丈夫?


と嫁も孫も食器より

私の心配をしてくれる。

当たり前のようだが

嬉しいと感じる。


私の洗った食器が

全てピカピカではない。


見えなかった部分に

汚れが残っていることもある。

それを嫁はこっそり洗い直してるのを

私は知っていた。



この間のことだった。


夕食後

洗い物をしている私に



おばあちゃん、いつも洗いものしてくれて

ありがとう。


おばあちゃんにはもうこれしかできないからね。

洗い物くらいしたいんだよ。


でも

おばあちゃんがやってくれて

すごく助かってるって

お母さん言ってたよ。

ゥチもそう思うよ。

だから

いつもありがとう!



孫は行ってしまった。


いつも

孫は急に色々言い出す。


この間は


おじいちゃんが長生きできますように。


と何かで知ったおまじないをしてくれた。


今回も何か唐突に思い

言ってくれたのであろう。


だけど

嬉しいものだ。


ツルッと目から滴が落ちた。


今回は毎日やってくれる食器洗いのことを

書いてみました。

祖母の本当の気持ちは

わかりませんが

こういう風に思っていてくれると

嬉しいなと思い書いてみました。


至らない点があったとは

思いますが

最後まで

読んでくださり

ありがとうございました。

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