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清純白書

作者: 水無月五日

―この物語はフィクションです―

作中に登場する事象等は全て空想のもので実在する人物の体験談がモデルだったりしません。本当ですよ?


尚、私としましても始めての試みですので読み辛い箇所とかあったりするかも知れませんし、一つのシモネタを展開させていますので注意してください。

 僕はある一大決心を胸に秘め、入学祝で買ってもらった自転車に跨り目的地へと向け必死にペダルを漕いでいる。流れる景色の中、時折民家の窓ガラスに映る僕の顔はどこか不安げな表情を浮かべている。それもそのはずさ、今でもしっかりと僕の胸の中には不安と希望が入り乱れている。天気で例えるなら雨のち晴れ。もしかしたら雷雨に変わるかもしれないけれども今は考えないでおこう。


 土曜日の昼下がり、国道を走る車は少なく、すれ違う自転車はもっと少ない。二階建てのショッピングセンターやいつも何かにつけて大安売りや値下げといった購買意欲を掻き立てるのぼりを立てた電化製品販売店やいつも棚に沢山DVDが並んでいるのにDVD一枚百円のレンタルセールを行えば人気のDVDや新作のDVDが全て貸し出し中になってしまう客足が一定時期にだけ集合するレンタルショップのある繁華街から少し離れた道を進んでいるから車とすれ違うことが少なくなるのは当然といえば当然だ。


 高速道路のインターチェンジまであり朝や夕方といった通勤帰宅時間には渋滞が出来る街の繁華街と比べ、夜21時を回れば三色の色を順番に点しているこの電柱も一色しか示さなくなるぐらいだ。たかだか自転車で十分そこらの距離でもずいぶんと街の雰囲気が変わる。


 街には元々は朝から夜中まで営業するという意味を持ったコンビニや、牛乳販売店を営んでいた人の名前が店の名前になっている思わずミルクが飲みたくなる看板のコンビニ、街角にちょっと立ち寄れるという意味が込められている夕方の某アニメで一家が一斉に突入する建物にちょっと似ているデザインのコンビニなどなど。たった一キロから二キロ満たないぐらいの長さの国道にこんなに必要ないだろうと思えるほどのコンビニ密集率だ。消費者側と地元民の意見としてはどうせだったら街の各地に分散して欲しかったものだ。大都会の住宅街と違って土地は馬鹿みたいに広いのだからお互いにある程度距離をとってもらったほうがいい。

 そうすればきっと忙しいサラリーマンのお父さんやOLのお姉さん達の貴重な昼休みがもう少しだけ長くなると思う。だってどこの店でどの弁当を食べれば良いかっていう選択のうち店を選ぶという必要がなくなると思うのに。




 それはそうと、家を出てから二十数分も自転車を漕いでようやく目的の場所へとたどり着いた。あまり運動の得意でない僕がそれだけ必死になって来たのは週間のゲーム情報誌で発売の三ヶ月前から情報を小出しに出されずっと生殺し状態だったゲームを買うためでも、毎月何かしらの特大号と称して特大号じゃなかった例のない服の下に忍ばせれば刃渡り十五センチの包丁だって防げそうな漫画雑誌の発売日でもない。とても広い目で見れば服の下に忍ばせることや雑誌と言う意味では外れていないけど。


 僕が来たかったのは所々建物の塗装が剥がれ、劣化による壁に無数に入る細かいヒビが走ったこの大地震が来たらすぐにでも壊れてしまいそうなこの建物だ。いつ取り付けたのか解らない店の看板は辛うじて「サカイ酒店」と書かれているのが読めるぐらいだ。店の名前の下に漢字で電話番号も書かれているのだが、僕にわかるのは市外局番だけだ。おそらくきっとこの店の電話番号が知りたかったら消えかかっているこの難解な漢字を読むよりもタウンページで「サ行」を引いた方が早い。きっと一分で見つかると思う。下手すりゃ上から十個以内に名前が入ってる可能性だってありそうだ。


 いつまでも店の前に突っ立ってるわけにはいかない。けれど店の前に自転車を停めるのは不味い。僕の自転車には学校の通学許可を示すステッカーが張っている。自転車のステッカーを覚えただけで僕はその自転車の持ち主を学校で探し出す自身がある。もちろん僕だけじゃない、学校に通う全ての人間がきっと探し出せると思う。

 別に僕の通っている学校は探偵育成学校でもなければ、漫画や小説のように特殊能力を持ったビックリ人間だらけの学校でもない、百年ほど続く歴史が長いだけの普通の学校だ。


 ステッカーは赤青緑の三色のうち学年のカラーの一色がメインとなる。そして学校を現す校章が描かれ、その上に三桁の数字が書かれていると言うわけだ。色で学年がわかり、三桁の数字でクラスと出席番号が解るシステムになっているようだ。例えばとある学生が自転車で歩行者とぶつかり逃げてしまったとしよう。その自転車のステッカーは緑の509、これは緑の学年の5組の9番の生徒が運転していた自転車ってわかる。

 当然僕達もそのシステムを知っているので夜ちょっとコンビニに買い物に行くときとか放課後寄り道をしてお店に寄って帰るときとかは出来るだけ自転車を一目に付かないところに置くことにしている。今回も例に違わず国道に面した店の正面でなく、塀や下水路で人一人通るのがやっとといった大きさの裏道に自転車を停めた。わざわざこんな所を同じ学校の人間が通るはずがない。もし居るとすれば同じ目的か余程の狭い道が好きなんだろう。いや、どちらの理由にしても絶対にそんな人間は居ないでほしい。


 意を決して飛び込んだお店は外見の通りと言うのは失礼かもしれないけれど、まさにその通りだ。店は全体的に薄暗く、いつ張ったのか解らない日に焼けボロボロになったチラシが壁に貼られていたり、狭い棚に無理矢理商品を押し込めただ並べたといった店内。そして通路も狭い。通路を狭くしている要因はダンボールの上面と片側の側面の三分の一を切り取って地面に置いただけで陳列したつもりになっているお菓子のダンボールや、酒店とは全く関係のない健康器具までも取り扱っているのだが保存状態は最悪。箱はへこみ、破れ、薄汚れの三拍子揃っている。これは街のディスカウントストアの75%OFFのワゴンに入ってたとしても売れるか微妙なところだ。そしてこの店では定価。まず売れるはずがない。


 本当になんの店かわからなくなってきた。酒店と言いつつも扱っている品物のはスーパーを小さくさせた感じだ。野菜や調味料の瓶だったり、缶詰やお菓子、ティッシュペーパーやトイレットペーパーになど多岐にわたる。もちろんお酒も置いてあるし、コンビニのお酒よりも取り扱いの種類は多いと思う。まだ僕はじっくりとコンビニのお酒コーナーを見た事はない。きっと興味ありそうにお酒コーナーを見つめていると店員さんが鋭い目で僕を見つめてくるだろう。僕はこのお店が「一応は」酒屋と改めて認識することができてほっとした。これでお酒の取り扱いが微々たるものだったのなら此処にお酒を買いに来た人は一体なにを買えばいいのだろうか。野菜など今晩のおかず? それとも健康器具だろうか?


 いきなりの店の雰囲気に圧倒されてしまったが、僕は目的を見失うわけにはいかない。僕には買わなきゃいけないものがあるんだ。入り口のすぐ正面にガムやライター新聞なんかを乱雑に置いたカウンターの向こうに腰の曲がったおばあちゃんが客として入って来た僕のことなど微塵も気にせず、旅番組に夢中のようだ。僕としては大助かりだ。このおばあちゃんならきっといける。僕は確信した。


 僕は窓際に並んでいる雑誌を探す振りをして一歩、また一歩と目的の場所に近付いていく。幸い漫画雑誌と目的の場所はすぐ近くで、この分ならしっかりと吟味できるはずだ。冷静に振舞っているつもりなのだが、僕の心臓は破裂寸前。テレビに集中しているはずのおばあちゃんがこちらをずっと見ているような気がして、僕は手をポケットから出そうとしては思いとどまる事と、視線を一度目的のものを見たと思ったらすぐに漫画雑誌に戻すという行為をひたすらに繰り返すだけだった。

 ここで恐れてどうするんだ。なんで僕はここに居るのか、もう一度その事を思い出すしかない。そう、僕は決めたはずじゃないか。今日、僕は「おとこ」になるんだ。


 きっかけは金曜日の放課後の事だった。みんな帰ったり部活動に行ったりして活気のなくなった校内。ちらほらと教室に残る生徒達も居るのだけれどやはり昼休みや休み時間のような活気はない。僕達は人目を避けるように、(ようにではなく実際に避けているのだけれど)校舎の片隅のにある誰も使っていないトイレへと駆け込んだ。通常時でも本当にお腹の調子が悪いときにしか利用しないトイレなのだから、こんな時間になってまでここのトイレに来る人間なんて居るわけがない。


先生達の目に止まりにくく人も来ない。悪い奴らが集まりそうな好条件なのだが、問題が一つ。そう、とても臭うのだ。あまり先生の目の届かない場所のトイレは掃除も適当になりやすいのは当然だろう。このトイレは僕達が入学したときからこんな感じの臭いを放っていたと思うし、学校のトイレなんてそんなものだと思う。みんな入り口付近から息を止めて用を足すぐらいだから。


 臭いものには近付かない。その心理を逆手に取ったのが僕達だ。トイレの入り口付近ならそうキツイ臭いもしない。開け放たれた窓から時折流れ込んでくる風が汚染され僕らに届くぐらいで鼻で十分に呼吸できるレベルだ。それに万が一危ない状況に陥っても色々とごまかしがきくはずだ。


 そんな空間で僕らは友人のHが持ってきた夢と希望が詰まった本を皆で回し読みしている。H、Hと友人の名前を連呼するのもどうかと思うのでここはエイチといっておく。エイチは一体何処から入手してくるのか、かなりハイペースなスパンで新しい夢と希望を携えてくる。僕が所蔵するタカラモノは全部で三つ。その大半がこのエイチから物々交換でもらったものだ。僕が所蔵するタカラモノの中身をエイチは知っているし、聞いた話だと何人かの下をめぐってエイチの元に回ってきたらしいから僕だけのタカラモノとは胸を張って言えないのが現状だ。


 エイチは学校に持ってきているのは二軍らしく、家には自分だけのタカラモノがまだ何冊もあり、それは誰にも見せていないらしい。元々そういうのに興味のある年頃だ、より多くのものに触れたいと思うのは当然だと思う。僕達は必死にエイチからどうすればより多くのタカラモノを集められるか聞くと、最初は渋っていたエイチも観念したのか、口を開いた。なんとエイチは店でタカラモノを得ているらしい。僕らはなんとかその店の名前を聞き出す事に成功した。


 みんな「か、買うのはちょっとアレだよな」と購入にためらいを見せていた友人達と僕。それが嘘である事は薄々互いに感じていた事だった。僕は一度家に帰る途中、エイチから教えられた店を覘こうと思って立ち寄って見たのだが、先客が居た。時間を置いて別の店に行ってみても違う先客が居た。みんな考える事は同じなんだろう。


 僕らが聞いた店は二件。そのどちらも先に利用されてしまい、二人の後を追うようにして店に行くのはなんか精神的に嫌だ。エイチが店を言うのを渋った理由が少しわかった気がする。それにどちらの店も中古。中古と言う事は売られる前に誰かの手元にあったタカラモノって事だ。きっと僕の一番のタカラモノになるはずのそれは中古じゃしっくり来ないという感情も大きく、行くか行くまいか十五分ほど自転車で周辺をウロウロと徘徊した挙句やめておいた。


 落胆を胸に帰路へとついていた僕にとても汚い外見の店が飛び込んできた。前々から店があるのは知っていたし、営業時間中に前を通りかかることもしばしばあったのだが、決して中に入ろうとは思わなかった。その店の近くには小さいながらもスーパーがあったし、もう少し自転車を走らせればコンビニもショッピングセンターだってある。そんな条件で誰が好き好んでこんな寂れた個人経営の店に行くだろうか。きっと売ってるものもスーパーに比べるととてつもなく高く、下手をすればコンビニ以上の物価ではないかと思えた。金のない僕は十円安い店なら少し離れていてもそっちに行く。僕と同年代の人間はみんなそうじゃないだろうか。


 ふと、店内に目を走らせると明らかに挙動不審な僕と同い年ぐらいの男がすっと本棚から一冊の本を持ってまるで何かを隠すかのように足早に会計に走った。その動作に一切の無駄がない。僕はその人の動きと全く同じ動きを本日二回ほどしっかりと見ている。信号を待つ振りをして店内から出てくる漢を確認する。あれはきっとタカラモノを手に入れた人間の表情だ。顔は赤いが達成感に満ち溢れ、男から漢になった者だけが見せる表情のように思う。そう、友人たちも鞄にタカラモノを大事に仕舞いこんで店から出てきたときの表情はこの漢と同じ表情だった。


 漢は足早にその店の前から逃げるように走り去った。だがその逃げるように走り去る背中はどこか輝いて見えた。漢が出てきた店を見ると確かにそれっぽいタカラモノが窓際に沢山並んでいるようにも見えた。


 ――ここが僕の聖地だ!


 小説なんかで雷にうたれるという表現を目にするが、これがその感情である事は容易に想像が出来た。僕は高鳴る胸の鼓動を抑えいつもの三割り増しのスピードで家へと帰った。




 そして今日、僕はタカラモノを買うと決め今こうして店に来たんじゃないか。こんなところで怖気づいていては絶対にタカラモノは手に入らない。前に進む勇気を捨てた人間に未来は来ない。


 僕は意を決して一歩右へと大きく足を踏み出し、タカラモノのコーナーのまん前に立った。タカラモノを選ぶどころじゃない、窓の外からのプレッシャーはより大きくなり、タカラモノを直視できそうにない。店の前を一台の車が通ると顔を見られないように亀のように首を縮める。窓の外に自転車に乗った人が通過するだけでもそう。気分はまるで配管工に踏まれる運命さだめの魔物のように思える。洞窟ステージで踏んでも少し時間が経過すれば復活するあいつ。何度も外の危険から甲羅に引っ込み危険が去るのを待ち、再び外の世界に出てあいつらは進む。きっとこの先僕は配管工のゲームをプレイしたとしても絶対に彼は踏みつけることが出来ないだろう。


 僕も彼らの勇気を見習い、すっと品定めをしようとタカラモノに手を伸ばすが、やはり店の外を自転車が通過して手を引っ込めてしまう。その時、僕と目の合った女の子が居た。


 セイジュン白書と書かれたタカラモノ。そのタカラモノでは清純そうなセミロングの女の子がやさしく僕を見て微笑んでいるではないか。僕はその微笑にやられた。少し顔を傾け、パッチリと開いた大きな瞳そして柔らかそうな唇。僕はゆっくりとそのタカラモノを手にした。


 僕の胸が高鳴る。十キロ近くの距離のあるマラソンコースを走り終えた後とはまた違った胸の痛みだ。後は数歩の距離を進みお金を払うだけ。定価八百八十円。僕の財布には二千円入っていて資金も大丈夫、何も恐れる事はない。


 だけど僕の足は地面に根を張ったように動かない。こんなにも重い一歩なんて今まで経験したことがない。進まなきゃ、そう思うたびに足は重くなり、胸の痛みも強くなる。焦れば焦るほど僕の身体には異変が起こる。本屋に行ったときの何故かトイレに行きたくなる衝動と同じものも押し寄せてきた。たったこれだけの書籍の量で僕の頭はトイレを想像してしまうようだ。きっと僕は印刷会社などに行ったらたちまち体中の水分を出し切ってしまうだろう。


 冷静に考えて見れば今僕のこの状態はかなり危なくないだろうか。手にはタカラモノ。これをクラスメイトに目撃された日にはしばらくからかわれるし、きっと女の子は僕を汚物を見るような目で見てくるだろう。だからこそ僕らは放課後にトイレでこそこそと回し読みや交換をやっているんだ。


 3、2、1でもう買ってしまおう。3……2……1……ッ!?


 一歩足を踏み出そうとしたとき、予想外の出来事が起こってしまった。そう、この店の顔なじみと思われるおじちゃんが来てしまったのだ。僕は咄嗟に棚に隠れた。きっとおじちゃんはすぐに立ち去るだろう。

 ……数分経ってもおじちゃんは帰る気配がない。ここはもう覚悟を決めて行くしかない。

 



 終わった、全てが終わった。緊張から解放された僕は自動販売機で買ったジュースを喉に流し込む。ジュースがとても美味しかった。予想以上に喉が渇いていたのか、300mlのジュースは瞬く間になくなり、これならあと三十円多く出して500mlにすれば良かったかなと軽く後悔。そして僕の鞄はぺったんこ。


 そう、僕はセイジュン白書を元の棚に戻し、逃げるようにあの店を後にした。やはり頭の中で色々と考えてしまった。僕は自分を証明するものを何一つ持っていない。だから僕は自分を証明することが出来ない。それにもしタカラモノの販売を拒否されたら僕は明日からあの店周辺数百メートルはきっと歩けないと思う。店の近くにあるスーパーに行くにしてもきっと遠回りをして向かうことになるだろう。


 目を瞑れば清純な彼女の微笑み。でも僕には無理だった。僕は漢にはなれなかった。友人二人は漢で僕は男。いや男とすら名乗ってはいけないかもしれない。おとこ、今の僕にお似合いの言葉だ。


 その日、僕はなかなか寝付けなかった。頭をよぎるのは後悔と清純な彼女。僕は大事にしているタカラモノを眺めて気分を変えようと思ったのだけど、どれも全て色褪せて見えた。




 翌日、僕は再びここに居た。そう、サカイ酒店だ。今日こそ僕は漢になるんだ。


 僕は足早に昨日のタカラモノのコーナーの前に立った。一度体験したことで抗体ができたのだろうか、不思議と昨日と違って僕の心は落ち着き払っている。


 セイジュン白書の彼女は変わらない笑みで僕に微笑みかけてくれる。僕は躊躇うことなくセイジュン白書を手に取った。後は会計を済ませるだけだ。外の目を考えるとお菓子が陳列されている棚とカップ麺やレトルト食品や調味料などが並んでいる棚の間を通っていけば一番目立たずおばあちゃんに到達できるコースだ。



 清純な女の子は僕に希望の一歩を与えてくれる。そして友人二人は僕に先んじて漢気を見せてくれた。僕は二人に踏み出す一歩の勇気を貰った。



 先日と変わらず乱雑に積み重ねられた新聞やガムが目に付き、その奥に色褪せた何年もののか解らないレジの機械が見えた。その奥でおばあちゃんは昨日と変わらずお昼のワイドショーに釘付けである。



 そしてエイチは名前にエロが入るだけあってエロい。そのエロさは見習うべきである。エイチは僕に挑戦する大切さを教えてくれた。僕は一歩前に踏み出す挑戦をしようと思う。



 あともう少し。そして最後に配管工の洞窟の面の敵キャラ。彼は僕に何度転んでも諦めない事を教えてくれた。僕はみんなから貰った大切なものを得た。後は僕が漢になるための一歩を踏み出すときだ。




 僕は静かに店を出た。「タカラモノを手にすることができたかい?」だって?

 それは僕の背中を見て判断して欲しいな――。

読了ありがとうございます。

懐かしい気持ちになりながら書いた作品です。

似たようなこと思ったなと共感していただけたら幸いです。

共感できなかった方は五日は本当にしょうもないなぁと暖かく見守ってください。

地の文で最初から最後まで突き通した小説なのか、コメディーなのかと首を傾げたくなってもこれはそういうものとあまり深く考えないほうがいいです。

ゆっくりと頑張っていきますので応援していただけたらうれしいです。

では最後に。

―この物語はフィクションです―

作中に登場する事象等は全て空想のもので実在する人物の体験談がモデルだったりしません。本当ですよ?

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