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Avalon Online  作者: 英仁
第一章
2/7

 顔全体を覆うフルフェイスの様な形をしたそれを手に取ってかぶる。


『かぶりましたら、ソファにゆったりと座ってリラックスしてください。初めてのダイブで緊張されるかもしれませんが、安全性は私たちが保証いたします』


 恭祐は何度か深呼吸をしてからゆっくりと目をつぶる。

 心臓は今までにないぐらいバクバクし緊張しているが、それ以上にワクワクしていた。


『それでは、これよりダイブを行います。今回はこちらの操作でダイブしますが、次回以降は右のこめかみの位置にありますスイッチを押してフルダイブと言っていただけばダイブが可能となります。それでは、ダイブ開始まで5秒前……4……3……2……1……フルダイブ!!』


 恭祐の意識がすぅっと薄くなる。

 眠っているのに起きているような、起きているのに眠っているような、不思議な感覚に身をゆだねる。体はふわふわと何かに浮いている様な感じはするが、上下左右の感覚はない。


『まずは、皆様の分身となるアバターの作成を行います。目を開いてください。今、あなたの目の前にいるのが、ゲーム上でのアバターとなります。項目を自由に変更して、アバターを完成させてください』


 恭祐がいじったのは髪型と髪の色を少し茶色にし、身長もわずかに高くする。男の見栄だ。

 あと、オプションとしてアクセサリのライオンの頭をかたどった指輪を着ける。このアクセサリに効果はなく、本当にただ身に着けるだけのものだ。

 ちなみに、キャラクターネームは『キョウ』で、我ながら安直だと恭祐は苦笑いをした。

 完了ボタンを押して自分のアバターを完成させた後、色々といじって遊んでいるとアナウンスの声が響く。


『完成しましたでしょうか?明日までは自由に変更できるので、お気に召さない場合は後ほど変更をお願いいたします。それでは次に職業を決めていただきます。このゲームでは1次職から3次職まであります。初めはファイター、プリースト、スカウト、メイジの4種類となっています。お好きなのをお選びください。ただ、一度決められますと簡単には職業を変えることは出来ませんのでご注意ください』


 恭祐は迷うことなくスカウトを選択する。恭祐のゲームのプレイスタイルは素早さを重視したものが多い。


『では最後に、ステータスポイントを振り分けてください。このゲームは、アバターのレベルとジョブレベルで分けられており、アバターのレベルアップ時には3ポイント得ることが出来るので、お好きな所に振り分けてください。ジョブのレベルアップ時には各ジョブ毎に決まったステータスが1ポイントあがります。アバター作成時には10ポイント振り分けられるので、ご自由に振り分けてください』


 ここでも恭祐は、迷うことなく全てをAGI(俊敏値)に振り分ける。スカウトのジョブレベルが上がったときもAGIが上がるから、どんどん速くなっていける。

 早くフィールドを走り回りたい。恭祐の中のわくわく感がどんどんと膨れ上がっていく。


『最後に、死亡時のペナルティについて説明します。このゲームでおペナルティは、レベル1つダウンと最後に立ち寄った街への強制転移。また、敵のクリティカルで志望した場合はさらに1つ、つまりレベルが2つさがりますのでご注意ください』


 今までにいくつものMMOをプレイしてきたが、そんなデスペナルティは聞いたことがない。あっても、経験値の何%のダウンとかアイテムのロスト等その程度であり、レベルが下がるというのはあまりに大きすぎるペナルティは。序盤はまだすぐにレベルが上がるものの、後半になればなるほどレベルをたった1上げるのに相当な時間が掛かるのだ。


『では、以上で合同チュートリアルを終了します。その他については、初めて行うときにそれぞれのチュートリアルが表示されます。また、メニューにヘルプがございますのでそちらもご確認ください。それでも不明な点がある時は、ヘルプに問い合わせがあるので、そちらまでお願いします。それでは、ようこそAvalon(理想郷)へ!』


 まるで霧が晴れるかの様に、周りが明るくなっていく。

 そこに広がっていたのは、朝焼けで周りが染められた街だった。地面には石畳がひかれ、まっすぐ延びるその道の先には大きな噴水があり、おそらくNPCと思われるキャラクターが会話をしていたり露店を開いたりしている。

 周りから歓声が上がる。

 自分の世界に入っていた恭祐はビクッと体を震わせ周りを見ると、他のプレイヤーもそこにいた。

 今から世界初のVRMMOが始まる。そう思うだけで体はブルッと震え、自然に笑顔になってくる。


(さぁ、まずは何をしよう)


 走り出した恭祐は、これからの事を考えながらまずは噴水を目指して走り出した。

俺たちの冒険はまだまだこれからだ!!


いや、まだ続きます。はい。

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