過去ー5年前ー
5年前…。
私が高校3年生の頃に本格的に小説というものを書き始めた。
その前までは、文字を書くのは授業の時と日記の時以外はなかった。
しかも、その時は文字を書くなんてことはキライでたまらなかった。
授業は強制で写すだけだから自分というものが出せなくて、日記は友達がみんなしてるから始めたけど、毎日書かなければいけないし、まず何をかけばいいかわからなかった。
結局日記は3日ぼうずでやめた。
そんな感じだった私が、突然…
「目覚めた」と言うと大袈裟かもしれないが、私自身はそのぐらいの衝撃だった。
その日はとても憂鬱だった。
とても親しい友達と、初めて大喧嘩をした。
家に帰ってすぐ自分の部屋に立てこもった。
夜になっても明かりを付けず、ただ机に向かったまま座っていた。
月が明かりの代わりになった時、急に私はルーズリーフとシャーペンを机に出して、今の気持ちを書き綴った。
今、自分が頭の中に浮かんでくる言葉をそのまま書いた。
その中でわからない漢字があったらひらがなで書いた。
とにかく頭に浮かんでくる言葉に追い付くように速く書いた。
約30分…。
ずっと書いた。
書いて書いて書いた。
私がシャーペンを机に置いて、この日初めて部屋の明かりを点けた。
そして、ルーズリーフを見る。
とても汚くて、消しゴムを使わないで文字を塗り潰した跡が沢山あった。この時、私の中にあった悪いモノが全て出されたような気分だった。
何でも出来る!!
そう思った。
そんな強気な自分に、今まで何回出逢えただろうか。
明日…謝ろう。
それで向こうの気持ちが変わらなくても。
伝えることに意味がある。
その友達とは、5年後の今でもよく会ったりしている。
そんな衝撃の日から日記を再開した。
日記といっても、毎日書くんじゃなくて、その日一度でも書きたいことがあったら書くという感じで、気軽にやっていった。