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M-01(モデル-ゼロワン)──時を超えた約束  作者: とろろ
第1章

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第6話 ライアンの研究

─義賊隊長、ライアンの家の前にて。


デイヴは玄関のドアの前に立ち、息を呑んだ。


何しろ、彼にとってライアンはとても怖い存在なのだ。


彼は5年前の義賊団員壊滅事件の後、新たに入隊希望者を募り、自身もジャックの後を継いで義賊隊長となった。


しかし、信頼していた仲間の裏切り、そして大勢の仲間の死を経験したことにより5年前の快活な面影が全く感じられない気難しい性格へと変貌していた。


緊張した面持ちでドアをノックする。


「何だ?」


鋭く突き刺すような声に、彼は反射的にビクッとする。


鈍く軋むドアを開けて出てきたのは、顎鬚を蓄えた片眼鏡の青年だった。


ライアン・レオンバルトだ。


「レ、レオンバルト隊長。こんにちは」


彼は無理に作り笑いをしようとするが、うまくいかない。


そして、ネックレスの先についているUSBメモリーを指差しながら話を続ける。


「あ、あの…兄が僕に遺したこのUSBについて、あなたなら何か分かるのではないかと思って…。」


ライアンはデイヴの胸元のUSBを一瞥すると、すぐに視線を逸らし、


「フン、それなら俺は何も力になれることは無いな。以上。」


バタンッ


すぐさまドアを閉めてしまった。


(あ…)


複雑な感情のまま立ちつくすデイヴ。


兄のUSBに関する手掛かりを入手することが出来なかったことに対する落胆もある。


しかし、彼にはそれにも増して興味を引いたものがあった。


彼はドアが閉まる寸前、ライアンの体の隙間から気になるものを偶然目にした。


ライアンの作業部屋の奥の部屋に繋がるドアが少しだけ開いていたのだが、そこからヒトの腕の一部のようなものが覗いていたのだ。


彼はライアンの家で目にしたものが気になって仕方がなかった。


彼は、同じ義賊志願者で彼と同年代の仲間たちにそれを打ち明けた。


「それは興味深いねぇ。」


真っ先に口を開いたのは、メカマニアで有名なメガネ少年、カズだ。


彼はノートパソコンを開いて話を続ける。


「これまでのあらゆる実験、研究をサーチしてみたけれど、そのような例は未だかつて無い。」


「でも、何のためにそんな研究をしてるんだろ。」


不思議そうに首を傾げるのは、おさげの少女、ジェシカだ。


「さぁ…。」


一同に沈黙が訪れる。


「あ!」


何かを閃いたかのように指を鳴らしたのは、力自慢な大柄少年、ドンだった。


「今夜は確か部隊ミーティングがある日だろ。候補生の俺たちは参加することは出来ないが。つまり、家は留守ってわけだ。こっそり忍び込んで、それが何なのか確かめてみるのはどう?」


彼は自信満々に皆に言った。


「人の家に黙って入るのは良くないよ。」


カズは乗り気でない様子で首を横に振った。


「でも、気にならないの?カズは機械系が好きでしょ?」


ジェシカが横目でカズを見る。


「そりゃあ…まぁ…気にはなるけど…。」


「確かに、ドンの案はやってみる価値はある。」


デイヴがゆっくりと口を開いた。


「だろ?よっしゃ、決まりだ。今夜、行くぞ!」


ドンが皆に向かって言った。


──────────────────


──そして、その夜。


デイヴたち4人はライアンの家が留守なのを確認して、どこか入り込めそうな所はないか家の周囲を隈なく探した。


「ここ、なんか開きそうだぞ」


デイヴが皆に呼びかける。


どうやら、少し上の排気ダクトの蓋が手動で取り外せそうだ。


背の高いドンがデイヴを肩車して、デイヴが蓋を開けるのを手助けする。


「やった!開いた!」


排気ダクトを通じて中に忍び込めそうだ。


義賊の訓練を日頃から受けている彼らにとって、そのようなことは手慣れたことだった。


ライアンの作業部屋に入ることに成功する。


カズは彼の部屋にある機器の数々を見て目を輝かせた。


「こんなもの、初めて見るよ。どこで部品を集めたんだろ?」


そして、デイヴのUSBを指差して言った。


「きっと、この機器を使えば君のUSBのデータも解析できるはずだ。」


「出来るか?解析。」


デイヴの眼差しは真剣だった。


「したいところだが、僕のノウハウを持ってしても、この機器を使えるかどうか…。」


カズは自信なさげに呟いた。


その頃、ドンとジェシカは隣の例の部屋にもう既に入っていた。


「おい、皆んな!すげぇぞ!」


デイヴとカズも部屋に入る。


彼らの眼前に広がったのは、アンドロイドの全景であった。


デイヴの世界では科学技術が発達しているが、アンドロイド、はたまたロボットという概念のものは未だ存在していなかった。


彼らは自分たちの目にしているものが何物かも分からず、ただただ息を呑むばかりであった。



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