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M-01(モデル-ゼロワン)──時を超えた約束  作者: とろろ
第1章

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第11話 狭間の空間

「近道?そんなものは地図に無いんだけどな….。」


 カズが訝しそうに首を傾げる。


「無くて当然よ。だって、それはもう地図から抹消された場所なんだから。」


 ジェシカが地平線の彼方を見つめ、目を細めて言った。


「地図に無い場所?!」


 デイヴ、カズ、ドンの3人が口を揃えて叫んだ。


「そう。もう無いの。聞くところによると、かつてブランフォードグループ(B.G)が使っていた採掘路で、ミレクリスタルが採れなくなったと同時に閉鎖になったから今は誰も立ち入らないわ。」


 ジェシカは淡々と説明を続ける。


「《《ブランフォード》》グループ?」


デイヴが目を見開く。


「その会社って、まさか…!」


「ブランフォード…ミナノカタキ…。」

(ブランフォード…皆の仇…。)


M-01の握りしめた拳が震えている。


「そう。創始者はルーカス・ブランフォード。」


ブランフォードはデイヴの兄、テイラーの宿敵でコミュニティの仲間たちの命を奪った張本人だ。


「でも、そこを通ればショートカットになる、と。」


 デイヴが考え込みながら続けた。


「そう。このまま地図通りの道を進んでも何日かかるか分からないわ。それよりもその《《裏ルート》》を行ってみない?昔、一人で遊んでいた時にたまたま見つけたのよ。私が案内してあげるわ。」


 ジェシカが自慢げな笑みを浮かべながら3人の方を向いた。


「危なく無いのかよ。もう使われてないんだろ?」


不安げな表情を浮かべるカズ、ドンを尻目に、デイヴは先頭に進み出る。


「でも、行ってみる価値はある。それに、僕らには兄ちゃんがついてるから大丈夫さ。」


──────────────────



ジェシカに案内されて一行がたどり着いたのは、流石何十年も使われていないというだけあって不気味なオーラを放っている坑道だった。


「ナニカアヤシイモノヲカンジル…オレカラハナレルナ…」

(何か怪しいものを感じる…俺から離れるな…)


M-01が4人の腕をしっかりと支えながら進んだ。


真っ暗な坑道の中。


どこまで行っても同じ道をずっと歩いてる

感覚だった。


「おいジェシカ、本当にこの道が近道なのかよ。」


ドンがジェシカの方を振り向いたその時──。


突然4人は何か強い力に引っ張られ始めた。


M-01が4人の体を抱え、全エネルギーを脚へと集中させる。


「ヤハリココハキケンダ…!ヒキカエス…」

(やはり、ここは危険だ!引き返す…!)


ところが、謎の引力はますます強まるばかりで止まることを知らない。


反対方向へと進もうとすると逆に強くなってしまう。


4人の身体を抱える腕や脚からは火花が散り、煙が立ち込め始めた。


「兄ちゃん、やめるんだ!このままだと身体が壊れてしまう!」


「ウ…ウガァァァァァァ!!!!」


M-01は必死に力に抗おうとする。


「モウニドト…ダレカヲウシナウモノカ…!!!」

(もう二度と誰かを失うものか…!)


「やめるんだァァァァ!!!!!」


4人はそのままいつの間にか気絶してしまった──。


──────────────────


デイヴは暗闇の中で目を覚ました。


ここは、先程までの坑道の暗闇とはまた違う謎の真っ暗闇の空間だった。


「ここは一体どこだ…?」


彼の他には誰もいない。


「他の皆んなは…?」


すると、暗闇の中からどこからともなくジェシカが現れた。


「ジェシカ、無事だったのか!他の皆んなは?」


彼は急いでジェシカの元へ駆け寄る。


すると、ジェシカは光の無い瞳でこう答えた。


「皆んな?知らないわ。ここは、死者の世界と現世を繋ぐ狭間の空間だもの。」


その言葉に彼は息を呑む。


「死者の世界だって?君は何者だ?」


すると、ジェシカは凛とした様子で答えた。


「言わなくても、もう分かってると思うけど?」


デイヴは今自分の頭の中にある考えが自分でも信じられなかった。


「も、もしかして…ジェシカ、お前は《《死人》》だったのか…!」


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