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【反・神説】背徳の獣  作者: 緋宮 咲梗
section,Ⅱ:自分探しの同行者編
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episode,Ⅰ:天使と暗黒の森

【登場人物】

*ナムウドッグ=チリプス・ナタスレグアトサエブ(年齢不詳)……身長198cm。釘鎹聖綴(くぎかすがいさとと)という少年の人生を生きた核なる存在。美麗と醜悪が混ざった外見をしている。自分の存在に疑問を抱く。



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 我は誰だ。

 我は何者だ。

 我はどういう存在だ。

 誰に問うても分からない。

 何故ならば我の周囲には誰一人、いないからだ。

 ただ闇に包まれる中──。

 居場所さえ不明だ。


 なのでナムウドッグ=チリプス・ナタスレグアトサエブは目的がない旅を始める事にした。

 こんな事ならあの時、ピクシーと天使を殺さずにひっ捕らえておけば良かったと、後悔する。

 とりあえずこの空虚を飛び立った。

 しかし十分も飛び続けてナムウドッグはウンザリしてきた。

 進めども進めども闇だからなのである。

 果たして今自分がしっかり前へ進んでいるのかさえも、謎に思えてきた。

 すると(ようや)く、遠目に何やら見えてきた。

 それは木々……密集している──森。

 どうやら森の様だ。

 しかし、やはりうんざりするくらいに暗い。


「ハーアァアァァァ……」


 ナムウドッグは盛大に溜息を吐いた。

 闇に対する恐怖はないものの、こうも続くと黒にも辟易(へきえき)してくる。

 たまには違う色もその双眸に映したいものだと、ナムウドッグは心の底から思った。

 するとまるでそれに応えるかの様に、右手にある暗黒の森の真上からキラリと、何かが光ったのに気付いた。


「……?」


 ナムウドッグは眉宇を寄せて目を細める。

 それは、黄金の小さな光だった。

 瞬いている。

 ──が、近付くにつれその光の粒の数が、どんどん増えてきたではないか。

 そしてその黄金の粒子はピタリと動きを止めるや、青白い閃光が一斉にその黄金の粒子から放たれたかと思うと、ナムウドッグへと向かってきたではないか。


「なぬ⁉」


 ナムウドッグは仰天すると、その閃光を避けた。

 するとその時間差を縫う様に、黄金の粒子が再度ナムウドッグへと迫って来たかと思うと、近付くにつれそれが粒子ではなく、物凄い数の黄金に輝く天使の群衆である事が判った。


「天使だと⁉ 天使が一体何故我を──」


 ここまで言って、言葉を飲み込んだ。

 殺したピクシーの元へ駆け付けた天使一体を、殺した事を思い出す。

 だがそれにしてもだ。

 応酬にしては余りにも数が多すぎやしないか。

 やたらとジェアジェア言いながら、ナムウドッグの元へと迫って来る。

 発せられる言葉なのか掛け声なのか不明で、それはまるで某トラマンを彷彿とさせるが生憎、ナムウドッグはそれを知らない。

 互いの姿形が確認出来るまでに近付くと、天使の群衆は再び、片手を肘に添えて片腕を縦に構えると、青白い閃光を放った。


「ジェア‼」


「ジュワ‼」


「ディアッ‼」


 気付くと、周囲をグルリと天使達に、取り囲まれていた。

 その輪の中心で、丁度スペシ〇ム光線が直撃する直前で、頭上へと飛び退くナムウドッグ。

 光線が中心でぶつかり合う。


「そなた等に問う! 一体何故こうも我を狙うのか‼」


 しかし、ジョワ、ジェアしか返事がない。

 どうやら天使語らしく、ナムウドッグの扱う言葉での会話による駆け引きは、無駄である事が分かった。

 天使の群衆は三度、腕を構える。


「フン。学習能力がないのか。そんな攻撃、当たらぬわ!」


 ナムウドッグは言い放つと、放たれたス〇シウム光線を片手で全て弾き返したではないか。

 天使達はまさか自分の技が我が身に返ってくるとは思っていなかった為か、次々とその光線により消滅していった。

 それだけでも、軽く百体の天使を消し炭にした。


「ジョワァァ……‼」


「ジェアァ‼」


 天使達は何やら言葉を互いで交わすと、身を(ひるがえ)して戻って行ってしまった。


「何だったのだ一体……」


 ナムウドッグはフゥと一息吐くと、改めて暗黒の森の前へ降り立った。

 そうしてその暗黒の森に、足を踏み入れる。

 そこは鬱蒼(うっそう)としていて、何ら生き物もいる様には感じられなかった。

 一切の日の光が入らぬこの暗黒の森は、まさに暗かった。

 風がないのに、木々は揺れ、ザワザワと葉を擦り合わせる。

 まるで木々に意思があるかの様だ。

 しかしナムウドッグには、それは森が自分の侵入をせせら笑っているととらえて、フンと鼻を鳴らすと両手を内側に振るってクロスした。

 直後、次々と森の木々が伐採(ばっさい)され、地面に倒れた。

 すると森全体から、甲高い悲鳴があちこちから上がる。

 木の断面から、真っ赤な液体が溢れる。

 鼻に届く鉄臭い匂い。

 どうやら鮮血らしい。


「ほぅ。この森の植物は血を流すのか。酔狂な事だ。ならばこれはどうだ」


 ナムウドッグは言うと、人差し指を立てた。

 するとその鋭く尖った爪の先から、一点の火が灯る。

 その火に、ナムウドッグはフゥと息を吹きかけた。

 これにより火が森の中へと飛んでいき、途端に森に業火が上がった。

 直後、再度森がヒイィと悲鳴を上げる。

 そんな火の海の中を潜る様に、平然とナムウドッグは前進した。

 我が道を阻むものは一切、容赦なく破壊していく。

 それがナムウドッグたる存在だ。

 森から語り掛けられる。


『主は何故我等森の木々を傷つけ燃やし、破壊するのか』


「簡単な事。そなた等から殺意を感じ取った故、反撃したまでよ」


『愚かな』


『愚かな……!』


 周囲の木々からそんな囁きが聞こえてくる。


「まぁ、先程の天使共と比べりゃまだ、会話出来る分幾分かマシではあるがな」


『そう簡単に我等を通してなるものか……!』


『なるものか‼』


 口々に森の木々達が怒声を上げると、野太い(いばら)(つる)を伸ばしてきて森を塞ぎ中に入っていたナムウドッグを、ペッと外へと払い除けた。


「フム……追い払われたか。では別ルートを行くとしよう」


 ナムウドッグは言いながら、全身に付いた土を払うとクルリと(きびす)を返し森を背にした。

 そして翼を羽ばたかせ目的もなく上昇していると、(やが)て無数の天使達の壁が見えてきた。

 ナムウドッグが暗黒の森から出て来るのを、待っていたようだった。

 天使達は、一斉にナムウドッグへと覆い被さって来た。



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大変ありがとうございます‼

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