走馬灯から目覚める
痛たたた
って、ここはどこ?
確か私は、図書館に行こうとして横断歩道を歩いていたら、トラックに押しつぶされて、死んだ、んだよね。
自問自答を繰り返していると、目の前に映像が流れて来た。
あ、為則と貴則!?私ここだよ!歌奈枝ここだよ、ここにいるよ!
そう呼びかけても、為則と貴則は返事をしない。恐ろしい顔をしながら、目に涙を浮かべているだけ。
私、そんなに酷い有様なの?教えてよ。
呼びかけても返事をしてくれない。そんな事は、分かっているのに・・・。
ふっ、と映像が途切れた。次に流れ出した映像は・・・。
お父さん、お母さん。そして、妹の紗奈枝。
お父さんは、為則達と同じように目に涙を浮かべているだけ。お母さんと紗奈枝は、小さい子供のように泣きじゃくっている。紗奈枝はまだ、小3だもんね。お姉ちゃん、先に死んじゃってゴメンね、紗奈枝。
流れてくる映像は、全て懐かしい人ばかり。
小学校から今まで仲良かった親友。高校に入って出来た友達。部活の先輩。おじいちゃんおばあちゃん。迷惑をかけまくった歴代の担任の先生達。
もっと沢山の人に、恩返し、したかったなぁ。
でももう戻れない。死んでしまったら、生き返ることなんてできないんだ。
分かっているのに悔しい。まだやり切れてない事が沢山あるのに。高校の、国語の教師に、なりたかったよ・・・。
悔しい・・・・・・・っ。
あれ?誰かが私の事を呼んでいる。
「・・こちゃん、起きて。」
誰かが呼んでる。行かなきゃ。
私を呼んでいる方に足を動かす。もう、光が見える。
はっ
「あ、奏子ちゃん起きた!|大納言典侍様!伊勢尚侍様が目覚めました!」
へ?
私は布団に寝っ転がったまま、顔だけ動かして場所がどこか確認する。
ん?几帳?だとしたらあれは、御簾!?
じゃあここって、
「平安時代~っ!?」
ウソでしょ~っ!




