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女郎花の君 ~平安時代恋物語~  作者: 山野 紗世
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プロローグ

 ええっと、新古今和歌集の全集とノート、古語辞典、筆箱に弁当、くらいかなぁ。

私は、サブバックにそれらを入れながら考える。

あ!後で図書カードを入れておかないといけないんだ。

大方、普通の女子高校生が持っているとは思えない物が入ったサブバックを持って家を出る。


「お、歌奈枝歌奈枝(かなえ)じゃん。」

「あ。久しぶり、為則(ためのり)。どこ行くの?」

「どこからどう見ても、学校に決まっているだろ?」


確かに、制服を着ていると大体学校に行くって決まっているもんなぁ。


「歌奈枝こそどこに行くんだよ。」

「私?決まっているでしょ。図書館よ!」


即答。というかこのやり取り、前にも一回やった記憶があるんだよなぁ。


「図書館かよ。お前よくやるなぁ、和歌の現代語訳するって。」

「そうかな。既に私の生活の一部になっちゃってるから、面倒くさいって感覚が麻痺しちゃったよ。へへっ。」

「へへっ、じゃないだろ?」

「別にいいでしょ、私の事なんだから。」


幼馴染の藤島為則(ふじしま ためのり)は、私の家の隣に住んでいる。学校の中を歩いていると、ほとんどの確率で女子が振り返るほどイケメンで優しくて文武両道の完璧男子。ちなみに私の初恋の相手でもある。もう冷めたけれどね。ははっ!


「おい為則!おいていくなよ。というか弁当忘れていっただろ。」

「あ、すまん貴則(たかのり)。」


もう一人の幼馴染、藤島貴則(ふじしま たかのり)は、為則の双子の弟。こちらも為則と同様に、イケメンで優しくて文武両道の完璧男子。この二人は、学校で藤島組と言われるほどファンがいるくらい人気。

幼馴染3人組で話しながら歩いていると、駅と図書館の道が分かれる所に着いた。


「あ、二人とも。私、図書館に行くからここで別れるね。」

「「ほいほい。気を付けろよ~。」」

「うん!」


この二人は話すタイミングもほとんど同じだから、一緒に言っているように聞こえるんだ。実際は、少しだけ貴則の方が遅れているんだよね。


いつも通り交差点に来ると、高校生()()()右・左・右の確認を必ずする。


 あ。あのトラック、危なそう。事故起こさないかな?


猛スピードで走ってくるを見てそう思う。


と思った矢先・・・。


  バーン


 え、あ、え!?


私の思考、一時停止。


トラックが、交差点に突入した時に曲がり切れず、横断歩道を渡ろうとした私の方に向かってくる。


 危ない!


急いで逃げようとしたその瞬間。私は、トラックと塀の隙間に挟まり意識を失った・・・・・・・。

 

もう私、死ぬのかな?まだ女子高生生活、満喫していないのに・・・。

お父さんお母さんごめんなさい。親不孝な娘ですみません。先に上に行って待ってます。

それか神様。私を生まれ変わらせてください。どんな時代でも構いません。あ、でも旧石器と縄文、弥生時代はやめてください。それ以外ならどこでも構いません。


お願いします。私を生まれ変わらせてください。

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