3話 予想外の言葉
タクヤ:いる場所は?
カイリ:異世界だ!
タクヤ:はあ?
カイリ:なんだよ。その反応は!
タクヤ:あのな。冗談言うにしても、もう少し考えた方がいいんじゃないか?
カイリ:俺が嘘ついてるって言うのか?
タクヤ:その確率の方が高いだろ。
カイリ:確率ってなんだよ!俺の話を信じないんだな
タクヤ:まあ…。
カイリ:おい。友達なのにヒドイぞ。
タクヤ:そうは言ってもさ。ずっと消息不明だった奴がメッセージで異世界にいる発言は普通にヤバいぞ。
カイリ:でも本当の事なんだ。
タクヤ:ふ~ん。
カイリ:おい。“ふ~ん”でしめるな。俺だって驚いてるんだぞ。道歩いてたら突然、謎の光が降り注いだと思ったら見知らぬ土地にいたんだから。
タクヤ:それってもしかして、UFOにさらわれたんじゃないか?
カイリ:異世界は信じないのに宇宙人いる派なのかお前…。
タクヤ:宇宙人はロマンがあるだろ。
カイリ:異世界にもロマンはあるよ!
タクヤ:そこまで言うならお前のいる異世界はどんな所だ?
カイリ:まあ、街並みとかはヨーロッパっぽいな。
タクヤ:異世界あるあるだな。
カイリ:異世界あるあるってなんだよ。初耳なんだけど。
タクヤ:異世界は中世って言う言葉を知らないのか?
カイリ:知るか!
タクヤ:で、カイリはその世界で何してるんだ?
カイリ:特に何かしてるって事はないな。
タクヤ:そこは普通、美少女と出会ったとか謎の魔法の力を授かったとかじゃないのか?
カイリ:普通ってなんだよ。しかも謎と魔法は同義だろ。
タクヤ:同義なのか?
カイリ:秘密が秘められていて全容が分からないという意味では一緒だろ。
タクヤ:まあ、そうか。
カイリ:そうだよ。わかったか?
タクヤ:謎と魔法については納得した。で、肝心な事を質問していいか?
カイリ:なんだよ。改まって。
タクヤ:お前は異世界にいるんだよな?
カイリ:だからさっきからそう言ってるだろ?
タクヤ:いつ戻ってくるんだ?
カイリ:それが分かれば苦労はしない。
タクヤ:そりゃあ、そうか。
カイリ:まあ、こっちの世界の人と意思疎通が普通にできるのはよかったよ。
タクヤ:えっ!中世ヨーロッパなのに日本語イケるの?
カイリ:正確には中世ヨーロッパっぽいな。言葉のニュアンスはちゃんとしないと。
タクヤ:それは悪かった。で、日本語話すの?
カイリ:いや、彼らの持ってる翻訳機能に日本語が含まれているんだ。
タクヤ:翻訳機能?
カイリ:そうだ。彼らはあらゆる世界の言語を収集している。
タクヤ:収集…一体どんな世界なんだ?