2話 関係性
カイリ:なんで俺が死んだ事になるんだよ。
タクヤ:違うのか?
カイリ:当たり前だ!
タクヤ:なんだ。よかった。
カイリ:タクヤは昔っからそそっかしいよな
タクヤ:突拍子もない行動ばっかり取るカイリに言われたくはない。
カイリ:俺を何も考えてない奴みたいに言うなよ。
タクヤ:実際そうだろ。小学校の頃、魚になりたいって言いだして海に飛び込んだのを忘れたか?
カイリ:あの頃は若かったんだ。
タクヤ:俺たちまだ17歳だよな…。
カイリ:細かい事は気にするな。
タクヤ:結構、大事だと思うけど?だってあの時お前…。
カイリ:何かあったっけ?
タクヤ:まさか、溺れてると思われて大騒動になった事忘れたのか?
カイリ:ああ、そんな事もあったな。
タクヤ:そんな他人事みたいに。
カイリ:あんな浅瀬で溺れるわけないだろ。大体、足ついてたし。
タクヤ:集まった警察とかにこっ酷く叱られたの俺なんだけど…。
カイリ:えっ!なんで?
タクヤ:お前が逃げるからだろうが!
カイリ:あっ!そうだっけ?
タクヤ:そうだよ!
カイリ:それは悪かったな。
タクヤ:さっきからその言葉しか聞いてない。
カイリ:本当に悪気はなかったんだ。
タクヤ:まあ、そうだろうな。カイリは物事を深く考えないもんな。
カイリ:タクヤは逆に考えすぎだろ。
タクヤ:思慮深いと言ってくれ。
カイリ:ただ優柔不断なだけだろ。お子様ランチ食べに行った時だって…。
タクヤ:その話はやめてくれ!
カイリ:ハンバーグを食べるかオムライスを食べるかで一時間以上も悩んでただろ。
タクヤ:10年以上前の事よく覚えてるな。
カイリ:俺、人の顔覚えるのは苦手だけどさ、記憶力はいい方なんだ。
タクヤ:なんか矛盾してる言葉が聞こえたけど、スルーしてやるよ。
カイリ:よく分からんが、ありがとう。
タクヤ:おう…。て、なんかいい風にまとめるなよ。そもそも何一つ解決してねえじゃねえか!
カイリ:空気に飲まれないのもタクヤのいいところだよな。
タクヤ:褒めても何も出ないぞ。マジでお前どこにいるんだ?
カイリ:どうしても知りたいか?
タクヤ:知りたいに決まってる。
カイリ:やっぱりそうだよな…。
タクヤ:めっちゃ引っ張るな…。
カイリ:俺が何言っても信じてくれるか?
タクヤ:……
カイリ:なんでそこで黙るんだよ!
タクヤ:なんとなく?
カイリ:おい!
タクヤ:嘘嘘。信じる。
カイリ:脅かすなよ。
タクヤ:だって勿体つけるから。
カイリ:それはまあ…。
タクヤ:まあ?
カイリ:こうなったらやけくそだ。
タクヤ:おう。
カイリ:俺のいる場所は…。