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1話 メッセージは突然に!

タクヤの部屋。


カイリ:やっと繋がった。


タクヤ:カイリ!お前今までどこにいたんだよ。何かの事件に巻き込まれたんじゃないかって学校中大騒ぎだぞ。


カイリ:えっ!そっちじゃ、どれぐらいの時間が立ってるんだ?


タクヤ:一か月だ。


カイリ:俺の感覚じゃ、せいぜい一時間ぐらいだと思ってたんだけど…。


タクヤ:そんなわけあるか!親友だからって言う理由で先生とかお前の親とかに何か知らないかって詰め寄られたんだぞ。


カイリ:それは悪かったな。


タクヤ:絶対に思ってないだろ。クラスでもお前、ヤバい連中と付き合ってるとか妙な噂が流れてるぞ。


カイリ:マジ?もちろんお前の事だから反論してくれたんだろ。


タクヤ:根暗な俺にそんな事できるわけないだろ。


カイリ:メッセージアプリだと流暢なのにな。


タクヤ:うるさい!


カイリ:ほら今だって…。


タクヤ:なんでお前はいつも通り呑気なんだよ。こっちは心配してたんだぞ。高校三年間無遅刻無欠席目標に掲げてたけど、それを破ってお前を探しに行こうかとも思った。


カイリ:おっ!相変わらず俺の事大好きなんだな。タクヤは…。


タクヤ:そういう所、ほんとムカツク。やっぱり休まなくてよかった。せっかく一年と3か月頑張ったんだ。お前のために休めるかっつうの。


カイリ:うわ~うって変わって冷めてえな。


タクヤ:それはこっちのセリフだ。何にも言わずに消えやがって。今まで何してたんだ?


カイリ:それなんだけどさ。想定外の事が起きてな。


タクヤ:想定外?


カイリ:俺、今どこにいると思う?


タクヤ:はあ!クイズ形式なのか?


カイリ:こういうノリは嫌いか?


タクヤ:まあ、時と場合によるな。


カイリ:そりゃあ、そうか。


タクヤ:で、お前今どこにいるんだ?


カイリ:言ってもいいけど、驚くなよ。


タクヤ:音信不通の末に突然、親友からメッセージが来る以上の驚きがあるのか?


カイリ:お前の驚きの沸点低すぎないか?


タクヤ:低いと問題か?


カイリ:いや、別にそういう事はないけど…


タクヤ:で、マジでお前どこにいるんだ?


カイリ;やっぱり言わなきゃダメか?


タクヤ:やっぱり、お前ヤバい事に巻き込まれてるのか?


カイリ:ヤバいっちゃヤバいけど…。


タクヤ:えっ!ヤバいのか?まさか、他校の生徒ともめて監禁されてるとか?


カイリ:お前、ヤンキー漫画にハマってたっけ?


タクヤ:どっちかというとヤンキー漫画よりホラーの方が好きだけど。


カイリ:タクヤ、ホラー好きだったのか。知らなかった。


タクヤ:まあ、言う機会なかったし…。


カイリ:言う機会なかったって、小学校から一緒だろ。時間ならたっぷりあったじゃないか。


タクヤ:だってカイリ、ホラー苦手だろ?


カイリ:そんな事はない!


タクヤ:嘘だ。中学の時に旧校舎に出る幽霊の話したらビビりまくって…


カイリ:ああ!その話は無しで…


タクヤ:思い出して怖くなったのか?


カイリ:別に泣いてないぞ。


タクヤ:はいはい。


カイリ:ただ俺たち結構、長い付き合いだったけどまだ、知らない事あったんだなって思って…


タクヤ:なんだよ。急に…そんな言い方お前らしくない。


カイリ:俺らしいってどういう意味だ?


タクヤ:深い意味はないけど、まるで…まさかお前!


カイリ:え?


タクヤ:カイリ…もしかして死んだのか?

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