謁見の二次会かなこれ
国王陛下とルナリアがそのまま話をしているのを聞いてた。
ちょっと残念ドラゴンかと思ってたけど、仲間想いでしっかりしてるね。 (ママのがポンコツ)
こらティー?私だって傷つくから泣くよ? (ごめんなさいー)
隣を見ると…
未亜ちゃんは流石にこの中で口を挟めないのか大人しくしてる。
大丈夫かな…心配になる。
「アスカちゃん、ちょっといいかしら」
いつの間にか近くに来ていた王妃様に声をかけられる。
「はい、大丈夫ですけど、いいのですか?」
「ええ、人が多いと話しにくいこともあるでしょうから」
「そうですね」
「それにシルフィ達も話に混ざれなくて退屈してるし、未亜ちゃんやユウキ君もこっちで、ね?」
そういう事なら。
「わかりました」
未亜ちゃん、ユウキと共に部屋のすぐ外にあるテラスへ案内される。
ティーは頭に乗ってるよ。 (ていいちー)
テラスにもテーブルがセットされてて、お菓子やお茶が準備されてる。
あ、ユリネさんだ。
てことは王妃様は最初からこのつもりだったのね。
「堅苦しいのはおしまい。皆も苦手でしょ?」
「お母様、それでよいのでしょうか…確かに苦手ですけど」
「姉上、臨機応変である」
似たもの親子だわ。
ティーはユリネさんからお菓子を貰うために人化したね。
「ティー、食べすぎないようにね?ご飯食べられなくなるよ?」
「わかった! ママのご飯が一番」
「いい子ね」
「ほんとに可愛いわね…。親子にも姉妹にも見えるわ。ティーちゃんと話したかったけど見てるだけで満足しちゃうわね」
王妃様は私達のやり取りを微笑ましそうに見ている。
未亜ちゃんは王女様と話してるし、ユウキが意外にも王子と話してるな。
「男の子少ないからね。ジルスも嬉しいんじゃないかしら」
「なるほど…仲良くなってくれるといいですが」
「確かに我のせいでアスカ殿は…であるから覚悟は…」
「揉めてませんか?」
「いいのよー男の子なら喧嘩くらいするでしょ?しかも内容がアスカちゃんの事みたいだし。ジルスはユウキ君の怒る気持ちを受け止めないとね」
「いいのですか?」
「なにがー?」
「いえ、ユウキが殴ったりしたら…」
「あら、アスカちゃんも散々手を出さなかったかしら?」
「確かに…すみません」
「いいのよ。やらかした責任だからね」
あれ、ユウキ殴らなかったな。
頭にゴンって軽くゲンコツしただけ?
その後は仲良く話してるし…。
「あははっ。ユウキ君どれだけ大人な対応するのよ。ビックリしたわ」
同じように見ていた王妃様も意外だったようだ。
「あの子、私より達観してると言うか大人びてて姉の立場がないんです…」
「そんなことないと思うけどね。ユウキ君のアスカちゃんへの態度を見てると」
「そうですか?」
「ええ。心配し過ぎよ」
だといいけどなぁ。
「ところでアスカちゃん、アリアから色々聞いたわよ?」
「えっと…?」
「森のツリーハウスに、絶品の手作りご飯! 私も食べたいわ」
「あぁ〜。ツリーハウスはアリアさんに託しましたし…大丈夫でしたら食事は作りますよ?」
「ほんと? アリアに聞いて想像しただけでお腹空いちゃったのよ」
どれだけハードル上げたの?大丈夫かなぁ…。
「ティーも楽しみにしてますし、作りますから」
「じゃあアリアが食べたって言うハンバーグ?だったかしら…それをお願いしてもいい?」
昨日の今日だけど、皆も食べたりなかったみたいだし、いいかもね。
「わかりました。じゃあ作りますね。 作れる場所はありますか?」
「うーん、お城のキッチンでもいいけど、常に何か使ってるわねあそこ…」
「では火を使っても大丈夫な広い場所はありますか?」
「それなら、パーティしたりもする庭園があるわ」
「でしたら、そこにキッチンを作ってもいいですか?」
「作るって…まぁ出来るわよねアスカちゃんなら。いいわ話を通しておくから」
「ありがとうございます。それなら出来そうです」
「お礼を言うのはこっちよ? 材料も手配するから書き出してくれる?」
「わかりました。何人分くらいいるかなぁ…それによって分量が…」
「多めに用意させるから大丈夫よ」
なら取り敢えずいる物を書き出しちゃおう。 (ママーチーズも)
あっ、そうだね。昨日と変化がだせるし。ありがとティー。 (たのしみー)
必要なものを書き出して王妃様に手渡した。
「高級なものを使うのかと思ったけど、違うのね。香辛料くらいかしら」
家庭料理ですし…。
「じゃあ場所と材料の手配してくるわ」
そう言っていつも以上のテンションで王妃様は去っていった。
「アスカ様、よろしいですか?」
王女様?どうしたのかな。
「はい、大丈夫ですよ」
「お姉ちゃん、王妃様とお話してたからね」
あー待ってたのね。
「何かお話でしたか?」
「はいっ、未亜様から色々お話を聞いて…ツリーハウスとかお風呂とか、ハンバーグ…」
王女様もですか。
「さっき王妃様ともその話をしてたんです。夜に作りますよ、ハンバーグ。王妃様ご所望ですから」
「本当ですか! 楽しみです」
「良かったですね、王女様。 お姉ちゃん、私も手伝うよ!」
「うん、お願いね。量が増えそうだから頑張ろう」
「分かったよ! これも修行だね」
そっか、教えてって言ってたね。
ツリーハウスがどんなのか気になるみたいだから、ミニチュアを作ってあげた。
手持ちの木材系の材料使ってね?明かりが灯る程度だけど細工もしてある。
王女様はえらく喜んでいたけど…。
ある程度精巧にはしたから雰囲気は伝わるはず。
そのミニチュアを見ながら未亜ちゃんが王女様に解説しててちょっと面白い。




