表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/772

勇者?それとも魔王? 帰還する



馬車は道なき平原を抜けて、行きに見かけた大きな木を過ぎ街道に出る。

ここからは街道沿いを進めば街、そして王城につく。

一泊の出来事とは思えない濃い1日だったなぁ。 


「あ、そうだ。ルニアさん、街に入る前に王妃様へお手紙を届けて頂けますか?」

「わかりました。ルナリアさんの事の確認ですね?」

「はい、なので街の外で一旦止まってください」

「了解しました」

ルニアさんがアリアさんへ伝えてくれる。


馬車の中でルナリアの事情はうまく話してみんなに伝えた。

勿論、人化が不完全だからとかは伏せて話したよ。

まだ病み上がりだから魔力が身体にたまらないって。

王妃様へのお手紙にはちゃんと真実を書いておいたけどね。

本人には傷つけたくないから隠してることも。


「ティーがいくー?」

「そんなこともできるの? でも…まだティーの事を紹介してないのにいきなり現れたら驚かしちゃうからね」

「そうー?」


「ちっこい姉ちゃんそっくりの姿ならすぐに判りそうだけどね」

そうだとしても相手はお世話になってる王族だからね。その辺はちゃんとしときたいかな。 (わかったー)

ありがとね、ティー。 (あいー)



街道は人通りや他の馬車の往来もあって早朝に駆け抜けたようにはいかなかった。

街が見えたのはお昼前くらい。

この辺で一度待機。ルニアさんが直接お手紙を王城へ届けてくれるらしい。

「行ってまいります」

「ルニア頼んだぞ」 

「はい!」

門まではダッシュでそこから馬で街を駆け抜けるらしい。

お手数おかけします。



待ってる間ルナリアは不安そうにしてる。

無理もないと思う。

でもちゃんと滞在の許可を貰おうとしてる。

そんなルナリアを王妃様たちは無下にはしないだろうなっていう確信がある。

だから私は割と落ち着いている。それにもしダメなら街の外でなにか楽しいことしたらいい。


「大丈夫かなぁ…返事を待ってる間ってドキドキしちゃうね」

「未亜姉ちゃんの気持ちもわかるけど、アスカ姉ちゃんの落ち着き見てると大丈夫そうな気がする」

なんでバレてるの? (ママわかりやすいから)

ティー、なんかひどい事言ってない? (んーん。気のせい)


アリアさんは渡したキーをずっと眺めてるし。

気に入ったのかな?

あのキーには一応、魔法防壁と、魔力を貯めておける効果、それに魔力増幅効果がつけてある。

いざって時にしかわからないものだから説明はしていない。

ちょっと身を守って魔力の底上げをするだけだからね。 (ママのちょっとはちょっとじゃない)

そんなこと無いってば。お世話になってるお礼を少し込めただけだよ。


お昼でお腹が空いたし、ストレージから作り置きを取り出す。

食べ物を見た瞬間ティーは人の姿に。素早いわね。 (ママのご飯!)

サンドイッチだからホントに軽食程度だけど…。

「んまぁー! 色々挟んであってたのしー」

ティーは両手でパンを抱え喜んではぐはぐ食べてる。ハムスターを思い出してしまった。


「これもまた美味しいわね…アスカの中にはどれだけ食べ物が入ってるのかしら」

相当な量かな?ほんと、いつ召喚されるか分からなかったからね。

ユウキにも渡してあったはずだけど…出さないね。


「お姉ちゃん。私にお料理教えてください」

急にどうしたの。未亜ちゃんも相当料理上手いとおもうのだけど?


「未亜ちゃん、こっちに来て一緒にお料理してた時にスキル覚えなかった?」

「えーっと…料理1とか、急に見えたやつ?」

「それそれ。そのスキルは地球にいても上がっていくからお料理繰り返してたら上達するよ」

「そうなの?じゃあ尚更お姉ちゃんに習わなきゃ」

「未亜ちゃんなら私より上手くなるよ」

「そうだったらいいな。お姉ちゃん達に美味しいもの食べてもらいたいから」

将来の旦那様の為に、とかじゃないのね。 まだ早いか…。

異世界だと結婚が早くて何度か相手を決められかけたから感覚がおかしいわ。


アリアさんはサンドイッチ食べながらもまだキーを眺めてる。

だんだん恥ずかしくなってくるのだけど…。

もう少しオシャレなのにすれば良かったかな!?




「お待たせしました! 王妃様からのお返事です」

ルニアさんが戻ってきた。早いね。いつの間にか騎士姿だし。

「ありがとうございます」


”話はわかったわー。許可は出すけど、アスカちゃんが傍にいる事が条件よ!

詳しいことは直接話したいから早く帰ってきて。”


「良かった。許可は貰えたよ。ただ、ルナリア」

「な、なに?」

「私から離れない事が条件だから傍にいてね」

「わかったわ。アスカの傍が、ある意味一番安全だし」

「「確かに」」

ユウキと未亜ちゃんがハモった。

一度、二人の中で私がどういう扱いなのか聞いてみたいわ。 (聞かぬがふらわー)

ティーにも聞かなきゃかしら。 (ママはママ)

まったくもぅ。


「隊長、先導します」

「わかった。頼む」


騎士姿で馬に乗るルニアさんに先導され街へ入る。

これ目立つやつじゃん! 

馬車で車内の姿が見えないのが救いだよ…。



街を抜け、穀倉地帯。

この辺は人は少ないからやっとホッとする。


私達は1日とちょっとの旅を終え王城へ帰還したのだった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
小竜状態でも喋れるんだよね? なんで()コレでセリフ入れるのか…… 文がごちゃごちゃしないか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ