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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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拠点として?



朝ごはんを食べ終え片付けも済ませて出発の準備。

「中に忘れ物しないようにねー」

「はーい」


「アスカ様、この拠点どうなさるのですか?」

「皆が出たら壊す…というか元の木に戻します」

「えーもったいないわ。こんな素敵な家なのに…」

ルナリアは相当気に入ったようね。お風呂もお気に入りだし。


「あの、このまま残して頂くことはできませんか?」

「それは問題ないですが…必要ならいつでも作れますよ?」

「いえ、今回の森の異常ですが、今後また同じようなことが起きないとも限りませんので…」

「もう私落ちたりしないわよ?」

今回の原因はおそらくルナリアの墜落だものね。


「いえ、不測の事態に備えて監視所の拠点として残していただけたらと。難しいですか?」

「維持は別に問題ないですよ。常に魔力使ってるわけでもないので」

「でしたらお願いします」

「わかりました、となると…少し手を加えましょうか。アリアさんは各部屋の名前札の回収お願いします」

「はっ」


私は浴槽に魔道具を付けとこうかと思ってね。

シャワーみたいに魔力注げばお湯を張れるようにと、保温の為に。

後は排水か…ここも魔道具で水を分解されるようにしよう。

下手に地下へ流すのもよくない。

魔刻刀でちょちょいと魔石に彫り込んで嵌め込む。

消耗品は…自分達でお願いしよう。石鹸とかね。


「これでいいかな」 (ばっちしー)

食後にティーはドラゴン姿になって頭の上に乗ってる。

この姿も気に入ってるらしい。 (ママに乗ってられるからー)

そっかそっか。 よし、じゃー改装した箇所をアリアさんに説明しに行きますか。 (ごー)



ホールに出るとアリアさんも名前札の回収を終えて待っていてくれたみたい。

「アリアさん、お風呂なんですがお湯を張れるように魔道具つけておきました。魔力を注げばお湯が出ます。あと、排水は専用の魔道具があるのでそれに魔力を注いでください」

「わざわざありがとうございます。お手間を増やしてしまって…」

「いえ、元からつけようか悩んでた物ですから」


あとは、セキュリティーかな。

今は私がいるからいいけど…。

鍵になる魔道具作って。それを持ってると隠蔽も解けて入れるとかでどうだろ?ティー。

(いいとおもうー。いくつか必要だねー)

そだね。ここで作っちゃお。


ホールのテーブルで魔石に魔刻刀で術式を彫り込み、なんとなく鍵型のアクセサリーみたいにする。

一個だけ特別仕様にして更に5つ程作る。 (ここまで15分。ママは職人さん)

「見事な技ですね。ところでアスカ様それは…?」

「まずこれは、アリアさん専用のマスターキーです」

一つだけ色の違う鍵型のアクセサリーを手渡す。


「私専用ですか?」

「はい、ここのすべての権限がある鍵だと思ってください。もし仮に、他のキーを奪われて立てこもられてもそのキーなら開けられます」

「なるほど…」

「そして、そのキーはアリアさんにしか使えません。なのでそのキーは奪われても何もできません」

「ありがとうございます、なんとお礼を…」

「あ、その紫色の魔石に少しでいいので魔力流してください」

「はい。これですね…。光りました!」

「じゃあそれを彫り込みますね」

一度受け取り正式に彫り込む。



できたものを手渡す。

「これでアリアさんの魔力波長にしか反応しない、世界で唯一のキーになりました」

「なんと…大切にします!」

「はい。後はこの黄色い魔石キーですね、こっちはここの隠蔽魔法の無効化と、入口扉の鍵の開け締めが出来るだけの物です。ここを利用する方へ渡してください」

「はっ。何から何までありがとうございます」

これくらいならそんなたいしたものでもないからね。 (ママ基準だとそーなんだねー)

含みのある言い方するわね?ティー。 (なんでもなーい)


「鍵を持っていないと近づいてもこの拠点は見えないので」

「わかりました」

「それじゃあみんな待ってるし行きましょうか」

「はっ」

アリアの首からはアスカの渡した紫色の魔石が嵌る鍵型のアクセサリーが光っていた。


おっと…ツリーハウス全体をクリーンかけとこ。一応ね。


(ママ、ティーのも早くほしいの)

そうだね、でも変身しても大丈夫な形にしないとだから、考えなきゃ。 (ママみたいなピアスはー?)

耳に穴開けるから痛いよ?ってティー痛みとか感じる? (わかんないー美味しいは覚えたー)

痛みがあるかもならピアスはなぁ…。それに人の時の耳ってドラゴンだと、どこになる? (さぁ?)

でしょ?そういう問題があるから考えなきゃいけないのよ。 (わかったー)


ティーと話してたら馬車についた。

「お姉ちゃん、用事は済んだの?」

「うん、壊さずに残すことになったから、引き継ぎをね」 

「そうなんだ。キレイなツリーハウスだしもったいないもんね」


「いい事じゃない。私も勿体ないって思ったもの」

ルナリアはまたあそこに行く気なのかな?騎士団管理になっちゃうよ?


「アスカ姉ちゃんの事だからなんか付け足したりしたでしょ?」

「うん、まぁね」

「ママの職人技がぴかぴかです」




馬車に乗り込み出発。

今日はアリアさんが御者らしくルニアさんが中にいる。

「うわぁ…お尻痛くない」

そっか、行きは御者席にいたから…。


「隊長ズルいです…」

今はアリアさんが耐えてるから。わかってたから代わってくれたんだと思うよ?


「そう言えばアスカ様、拠点残してくださったんですね、ありがとうございます」

「ええ、壊すつもりのものが再利用されるならいいかなぁと」

「隊長が喜びますね」

「はい。アリアさんには沢山お礼を言って頂きましたよ」 

「いえ、多分ですけど…監視所はきっと名目ですよ」

「え?」

「隊長が残しておきたかったのだと思います。そして恐らく王族の方の別荘扱いになりそう?」

「えええ!?それならもっと手を加えたのに…」

「いえ、多分あのままが良いと思います」

そういうものかなぁ…。まぁルニアさんの予想でしかないみたいだし。


管理はアリアさんに任せたからどう使うかもお任せです。

好きに使ってください。壊すはずだったものだしね。





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― 新着の感想 ―
建前として言ったんかもしれんけど、多くの人のためになる見張り台として使うって言ったのに権力者に独占させるためだったってのは裏切りじゃないかなぁ?
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