朝から大忙し
「ママ起きて」
「んん〜っ…おはよ、ティー。どうかしたの?」
「ルナリアが呼んでる…」
「部屋から?聞こえるの?」
「うん、なんかきこえるのー」
そう…よくわからないけど…。
「ティーが言うなら行くよ」
「うん、ごー」
ティーを連れ急いで自分の部屋を出て隣の部屋へ。
「ルナリア呼んだ?」
「ひぅ…アスカ…ごめんなさい」
ん?どういう事?
「なにがあったの?急に謝られても…」
「ルナリア夜に飲みすぎたー」
あっ…なんとなく察した私はベッド脇のサイドテーブルを確認する。
余分に置いておいたスポーツドリンクが全部空になってる。
「喉乾いてたんだよね。仕方ないよ。でも…すぐにキレイにするから。私達だけの秘密。いい?」
「ティー秘密まもるー」
「わかったわ…」
まずルナリアを。
水魔法、風魔法を混ぜた洗浄魔法。例によって魔力ドームでルナリアを包む。
乾燥まで1分! よしっ。
布団も同じように洗浄魔法で洗って乾燥。
「ルナリア、大丈夫?まだ気持ち悪かったらお風呂入ってもいいよ?」
「大丈夫だけど…なんとなくシャワー浴びたいわ」
「なら一緒に朝風呂に行こうか。ティーも行くよー」
「はーい」
「朝風呂…なんかいい響きね」
三人で1階へ降りお風呂へ。
ティーは器用に身体を洗ってシャンプーもしてるなぁ。
ルナリアはまだ慣れないのか上手く行かないみたい。
「手伝おうか?」
「お願い、まだ身体に慣れなくて…」
「いいよー」
シャンプーして、身体も洗ってあげる。
「そう言えば魔力は回復してきた?」
「それなんだけど…昨日アスカのハンバーグ食べたときには、ある程度回復したんだけどね?」
「うん?」
「起きたらまたなくなってたわ…」
え?おねしょと一緒にでちゃったとか!?
「違うから! 何考えてるかわかるけど違うから! あれは忘れてよ…」
「ごめんごめん、でもなんでまた無くなったの?」
「わからないのよ…食事で回復して、寝たらもっと回復しても良いはずなのに…」
「うーん…のぼせたからとか?」
「あの時は魔力減ってなかったと思うわ」
そうなるとやっぱり…
「ティーわかるよー」
「え?」
「ティー教えてくれる?」
「いいよーあのねー、人の姿を維持してるからだよー」
うーん?でもそうなると、魔力が限界になったのならドラゴンに戻るとかにならないのかな。
(えっとね、人化が不完全だからだよー。今のままだと戻れないのー)
どういう事?
(最初、ぎりぎりの魔力で人化したけど不完全で、そこで魔力の限界がきたから固定されちゃってるー)
ということはルナリアはドラゴンに戻れるだけの魔力を一気に回復してドラゴン化しないと…。
(ずっとこのままー。回復した魔力は〜不完全な人化のせいでタレ流しー?)
なんてこった…。
「ねぇ…2人だけで話してないで教えてよ」
「あーうん…」
どう伝えたものか…お姉さんに人化が不完全って言われて傷ついてた後にこの事実は…。(治す方法あるよ?)
「え?」 (ママが魔力注いであげたらいいのー)
それってもしかして、解毒した直後にやれば済んでた? (うんー)
再びなんてこった…。
ティー、あの時に教えてほしかったよ…。 (だってールナリア寂しそうだったから)
あぁ…。 そっかぁ…。わかったよ。ありがとティー。 (うんっ)
「ルナリア、ティーが教えてくれたんだけど私の魔力を分けてあげればすぐに魔力回復して、ドラゴンの姿に戻って仲間の元へ帰れるよ」
「そんな事できるの?」
「うん、できる。 でも…まだこのまま一緒にいてもいいよ。街とか見たくない?美味しいものは?」
「行きたい! 食べたい! でもいいの…?」
「いいよ、帰りたくなったら魔力あげるから、その事は心配はせずに一緒に遊ぶっていうのは?」
「ありがとう、アスカ! ティー!」
これでよかったよね?ティー。 (ママは完璧ー)
ティーのおかげだけどね。 (ドヤァ)
「じゃあ皆にはなんて説明しようか?」
「嘘付きたくないからそのまま話して。それでもし街へ入れないって言われたなら諦めるわ」
「そっか…わかったよ。その時は街の外で美味しいものでも作るよ」
「うんっありがとアスカ」
「じゃあティーが話してくるールナリアがおねしょしたからシャワー浴びてるってー」
「それは言っちゃだめー! ティーお願い…」
「でもー嘘つきたくないってー」
頭がいい子だけどこの辺は子供らしいわね。
「ティー、あのね。誰かを傷つけたり、泣かせたりする嘘はダメだけど…」
「うん?」
「優しい嘘はいいんだよ」
「優しい嘘?」
「うん、今回この嘘をついて誰かが傷つく?」
「ううん、逆に話したらルナリアが泣くかもー?」
「そうだね、ルナリアを泣かせたくないための優しい嘘なんだよ」
「わかった! じゃーナイショ」
「うん、ティーはえらいね」
頭を撫ぜてあげる。
「良かった…私のドラゴンとしての矜持が守られたわ」
よかったよ、ティーが利口な子で。 (ふふんっ)
「さぁ、サッパリしたし。お風呂出て朝ごはん作りましょうか」
「はーい。ママのご飯〜♪」
「ありがとアスカ」
「いえいえ…寝汗かいてたからさっぱりしに来ただけよ?」
「そうね、さっぱりしたわ」
お風呂をで出てホールに行くとキッチンに未亜ちゃんの後ろ姿が。
「未亜ちゃん、おはよー」
「あ、お姉ちゃんおはよー。お風呂行ってたみたいだから先に始めてたよー」
「ありがとね、寝汗ひどかったから皆でシャワー浴びてきたよ」
「ティーもさっぱりー」
「ティーちゃんもおはよー」
「…おはよう、未亜」
「ルナリアちゃんおはよ、体調は大丈夫?」
「う、うん。寝て起きたら大丈夫になったわ。汗はいっぱいかいたけど」
「そっか、なら良かったよ。お姉ちゃんとご飯作るから待っててね」
「うん」
ふぅ…。 (自分でバラすかとおもったー)
ティー、しーだからね。 (うんっ)
「ティーちゃんも朝ごはん食べるよね?」
「もちろん! ママのご飯は、んまーだから」
「そだね、じゃあいい子でまっててね」
「りょーかい」
ピッと敬礼するとルナリアを連れてテーブルへ向かった。
自ら墓穴をほりそうなルナリアを遠ざけたんだろうな。
「何を作る予定?あまり材料出してなかったでしょ?追加するから」
「あったものでお味噌汁はできるかな?って。その準備してたよ」
「ならお豆腐と…シャケおにぎりでも出しましょうか、あとは卵焼き?」
「そだね、それくらいでお腹膨れそう。おにぎりってお姉ちゃんの手作り?」
「うん?そうだよ。ストレージの中って時間止まってるから作り置きするのに便利でね」
「ならティーちゃんも喜ぶね。ママのご飯ーって言ってたから」
「そだね。 あ、海苔もあるよ?」
「必須だね、お姉ちゃん」
そんなこんなで準備してたらユウキも起きてきた。
少し遅れてアリアさんが朝の挨拶と報告に来てくれた。
「おはようございます、昨夜は交代で休ませていただきました。ありがとうございます」
「いえ、ちゃんと休んでもらえたなら良かったです」
「はっ、夜のうちに異常は何もありませんでした」
私も、遠くに魔獣が通ったくらいしか気が付かなかったから確認が取れた感じ。これで間違いないね。
「ありがとうございます、これ朝ごはんです。アリアさんと、ルニアさんの分です」
おにぎりと卵焼き。お味噌汁をのせたお盆を手渡す。
「あ…ありがとうございます。朝からまたアスカ様の手料理が頂けるとは…」
そんなオーバーな…。それに未亜ちゃんも手伝ってくれてるからね?
「お姉ちゃんの卵焼き、その黄色いのですが絶品ですから!」
未亜ちゃんまで乗っからなくても…。 (ママー! お腹空いたのー)
はいはーい。今持ってくね。
アリアさんは何度もお礼を言いながら朝ごはんのお盆を持って展望デッキに上がっていった。
「私達も食べよっか」
「うん、ティーちゃん待ちくたびれてるね」
ティーとルナリア、そしてユウキの待つテーブルへ。
朝から皆元気で何よりだよ。
賑やかになったものだねー。




