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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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ティー



そうだ、馬車にかかってた隠蔽の魔法。魔石に刻み込んでツリーハウスにつけとこ。


これで目立たないから大丈夫だね。

普通の木にしか見えないはず。


ツリーハウスへ入るとホールに設置してあるダイニングテーブルに、未亜ちゃんとルナリアが。

「お姉ちゃん、お話は終わったんだよね?アリアさん達も上に行っちゃったし」

「うん、もうお風呂でたの?」


「違うよ、お姉ちゃん待ってたの」 (やっぱりねー)

ティーわかってたの? (うん、よそーできた展開)

なんてこった。


「早くいこ、お姉ちゃん。お湯冷めちゃう」

それはすぐ温めれるけど…。

「諦めたほうがいいわよ?未亜、楽しみに待ってたんだから」

「ルナリアはいいの?」

「なにか問題があるの?」

「いやだって…」

話してなかったわ。


「経緯はティーから聞いて知ってるわ。でも今はその姿なんだからいいでしょ?それに散々凝視した後で今更じゃない」

それは服を… 

「お姉ちゃん、なんの話?」

「最初私が服を選んであげようとして、翼とかあるから、何が着れるかわからなくてね」

「あぁ〜私も見せてもらった」

ふぅ…。よかった。またあの目をされたら心折れそうだよ。


「ほら行くわよ! 私も人間のお風呂楽しみなの」

「わかったよ」 (あきらめも肝心ー)

はいはい。




三人でお風呂タイム。

脱衣所でタオルやら多めに出しておく。みんな使うでしょうから。


タオルを巻いて奥の扉へ。


お風呂は洗い場も広く作ってある。 蛇口やシャワーも複数あるよ。

「未亜ちゃん、その蛇口の黄色い魔石。魔力注げばお湯が出るから」

ここはしっかりと魔道具が入れてある。シャワーが水しか出ないとかあり得ない。


「ほんとだ。シャワーもある。お姉ちゃん、荷物からシャンプーとか出して欲しいな」

「あぁ、そうだね。 はい、どうぞ」

ストレージから美亜ちゃんのシャンプーやら一式を出して渡す。

「ありがとう」

「未亜、それは何?」

「髪とか身体を洗うものだよ。使っていいからね」

「そう言われても使い方がわからないわ」

未亜ちゃんはルナリアにシャンプーや体を洗ったりしてあげるらしい。



私はあっちで洗おう…。

少し離れた蛇口へ行きシャワーを出す。


はぁ〜。気持ちいい…。汗もかいてたから幸せだ。

自分のお風呂セットも取り出し洗う。

髪が長いのにも随分慣れたなぁ。



サッパリしたー。あとは湯船でゆっくりしよっと。

拡張魔法で大きく作ったお風呂の浴槽は温泉規模。

やり過ぎたかとは思うけどまぁいいじゃない。 

この気持ちよさには抗えないよ〜。


お湯に浸かりのんびりしてたらルナリアがやってきた。

「ここに浸かればいいのね」

「うん、ゆっくりするといいよ」


何故か真横にくるルナリア。広いのに。

「アスカ、ありがとう」

「うん?」

急にどうしたの。


「あのままだったら私どうなってたかわからないわ。それに連れてきてくれて…」

「その事かぁ。気にしなくていいよ。敵対するようなら違う対応してたけどね?」

「するわけないわ。最初は怖かったけど…今は感謝してるのよ」

「そっかぁ…なら会わせてくれたティーにも感謝だね」 (ドヤァ)

ふふっ。ありがとね。


「私は今魔力に余裕がないからティーと話せないのが寂しいわ」

「そうなの?」

「ええ、居るのはわかるのだけど」

そういうものなのかぁ。

私はティーの存在を感知できないんだよね…。なんでだろう? (ママの魔力だし)

それだけじゃない気がするなぁ…。


(ねえ、ママー見てー)

え?


その瞬間ポンッと目の前に小さな子供が現れた。

「え?なに? どういう事…」

「これはまたアスカにそっくりね。ほんとに親子じゃない」

確かに、銀髪に瞳の色も同じ紫。

髪は肩くらいまでで、私より短いけど…。


「もしかしてティー?」

「うんっ」

そう返事したティーは湯船の中で抱きついてきた。

嘘でしょ…私ほんとに子持ち? (そうだよー)

「私にも見えてるし、声も聞こえるわね。実体化できたのね」

「うん、頑張ったー」


ちっこい自分を見てるようだけど…ティーだと思うと可愛くなる。

「そっか。がんばったんだね。偉いよティー」

頭を撫ぜてあげる。ほんとに実体化してるなぁ。

「ドヤァ」

ドヤァのときそんな顔してたのね。可愛いわ…。


「お、お姉ちゃん…その子は…」

「未亜ちゃん、この子が…」

「いつの間に子持ちになってたの!?相手は誰?」

いや、相手って…。いくつの子よ。

身に覚えないよ? (つくったよー?)

魔法はね!? (うんっ)


「落ち着きなさい未亜、アスカから聞いてるでしょ?ティーよ、この子」

「え?魔法の?」

「ティーだよー」

「ほんとに?お姉ちゃんが話してたあのティー?」

「うんっ」

「わぁー可愛い! お姉ちゃんそっくり」


うん、でもなんでその姿を選んだんだろ。

「ママをリスペクトー」

「そうなんだね」


あっ…

未亜ちゃんがティーを抱き抱えてしまった。

「可愛いー。お姉ちゃんから話を聞いてからずっとティーちゃんと話したかったんだよ」

「え…うん」

ティーが、若干引いてるような…?


「アスカ、あれ助けたほうが良くない?」

「そう?」

「……知らないわよ?」

未亜ちゃんがそんな無茶をするとも思えないけど。



その後もティーを離さず世話を焼きまくる未亜ちゃんから逃げてきたティーは…

「この姿はふーいんする! コッチにする」

そう言って小さなドラゴンの姿になって私の頭に乗る。


「あぁ…ティーちゃん…。ちっちゃいお姉ちゃん…」

あれだけ構えば嫌がるか…。 (うん、自由にしたいー)

その姿も可愛いよ。 (ありがとママ)

でもなんでドラゴン? (ルナリアもかわいいから)

なるほどね。言われたらよく似てる。色は銀色だけど。



「ティーはその姿でも話せるのかしら」 

「話せるよー」

「ティーもありがとう。あなたのおかげでアスカに会えたし助かったわ」

「いいよー」



そろそろお風呂でなきゃね。ユウキやアリアさんたちにも入ってもらわなきゃ。










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