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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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ここを野営地とします



森を抜けて馬車に戻る頃には日が暮ていた。

このまま夜道を進むか、野営するか…。


「アスカ様、どう致しましょう?今から馬車を飛ばせば夜中までには戻れると思いますが…」

「夜にお城に戻っても迷惑になりますし、今夜は野営しましょう。一通りのものはありますから」

「はっ、では我々も準備いたします」

アリアさん達は馬車の後ろにある物入かな?そこから荷物を出してる。

気になったのかルナリアがそれを見に行ったから、美亜ちゃんも行ってしまった。


「姉ちゃん、僕のテント壊れちゃったから予備ある?」

「予備はないけど大きいのだから一緒でいいよ」

「いや…そういうわけにもいかないでしょ。未亜姉ちゃんやルナリアもいるし」

うーん、そっか。私は良くても未亜ちゃん達はわからないもんね。

聞いたら大丈夫って言うだろうし。


「なら作るよ。簡易でいいよね?」

「うん、昔みたいだね」

「ちょっと懐かしいね」

以前も魔法で土から簡易ハウスを作ったことがある。

あの頃はまだ魔力もそんなになかったからギリギリだったけどね。


今なら…



どうせならあれも作っちゃえ。ユウキかなり汚れてるし。

周りを見渡して都合の良さそうなモノを探す。

あ、あの木が良さそう!


聖剣を取り出し、木の根元近くの地面に突き刺す。

森の出口付近だけどこの木は大きいし、もうちょい大きくなってもらって中は魔法で拡張して…。


うん、頑張った。


「姉ちゃん、簡易?これで?」

出来上がった大きなツリーハウスを見上げるユウキ。


「あの時より魔力あるからちょっと頑張っちゃった」

「そんな可愛く言われても…みんなビックリするよコレ」


「アスカ様、野営の道具をお持ち…なんですかこれ…」

「ほらー」

だって未亜ちゃんや今は非力なルナリアもいるから。ね?


「ツリーハウスです。中には一通り揃えてあるのでここで夜を明かしましょう」

「は、はい。未亜様達を呼んでまいります」

「お願いします」

アリアさんが馬車へ駆けてくのを見送りユウキにお風呂を進めることに。


「ユウキ、汚れてるからキレイにしようか。中にお風呂あるから」

「は?そこまでしたの?」

ユウキと一緒にツリーハウスの扉を開けて中へ。


中は大きな丸いホールにしてある。

食事もしたいからテーブルとイスも作成済み。


壁に沿うようにカーブした階段があり、2階に上がると、また壁に沿ってぐるっと廊下があって個室へ扉のがいくつかある。

要所要所に、魔石で明かりや、水を出せるようにしてある。

階段の下にキッチン。その向かいに扉が二つ。

「階段は2階の個室のある廊下へ続いてるよ。あの左の扉がトイレ、右の扉が入ったら脱衣所でその奥がお風呂。すぐにお湯入れるから待ってて」

「うん」


「わぁ〜凄い! なにこれ」

「またアスカの仕業でしょ」

仕業って…ルナリア。

未亜ちゃんは喜んでくれてるのに。


「アスカ姉ちゃん、僕は後でいいから皆で先にお風呂行ってきて。僕は部屋を見てくる」

そう言うとユウキはさっさと2階への階段を上がっていってしまった。


「お風呂あるの?」

「うん、みんな森へ入って汚れてるからね。お湯入れるよ」

「一緒に行くよ」

「私も見てみたいわ」

お湯入れるだけなんだけど…。


扉を開けて中へ。

「ここが脱衣場ね。 で、この扉あけたらお風呂」

そう言って更に奥の扉を開ける。


「ひろーい! すごいね、これならみんなで入れるね」

いや、私は一緒に入らないよ?


浴槽部分へ水魔法で水を張る。そこへ小さなファイアボールをいくつか放り込む。

手を入れて確認。うん、いい温度。

魔道具で保温も考えたけど後で元の木に戻すしいいかな?と。


「未亜ちゃん達入っておいで」

「お姉ちゃんは一緒に入らないの?」

いや、ダメでしょそれは。


「アリアさん達と話があるからね」

「わかったよ」

わかってくれてよかったよ。 (そうかなぁ?)




私はツリーハウスを出てアリアさん達を探す。

いたいた。なんで外にテントを…。

「アリアさん達も中へ入ってください」

「見張りも必要ですから我々はここで」

あー言ってなかったや。


「ここ、魔法防壁張ってあるから大丈夫です。それに何か近づいてきたら私がわかりますから」

「しかし…」

「アリアさん達も森へ入ったりで疲れてるんですから入ってください。部屋もちゃんと数ありますから」

「隊長、ここはお言葉に甘えましょうよ」

「ルニア!」


「じゃあこうしましょう」

そう言って私はツリーハウスに手を当てて魔力を流す。


2階の更に上に見張り台をつけた。

「高いとこへ見張り台を作りました。そこからのが見晴らしはいいと思いますよ?」

「…わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」

「やったー。中見たかったんだよー」

「ルニア、やっぱりか」

「あっ、いえ…。 む〜。だって隊長! 気になりませんか?こんなの見たことないですよ?」

「それはそうだが…我々は護衛で来ているのだぞ」

いつもありがとうございます。なので寛いでください。


「お風呂もあるので、未亜ちゃん達がでたら入ってくださいね」

「お風呂まで?やったぁー!」

ルニアさんはお姉さんの事が片付いてから見た目相応な明るい人になってる。

本来こうだったのかもしれないけど。


「ルニア…普段頭が固く融通のきかないお前がどうしたのだ?」

「頭が固いって…、隊長酷くないですか?」

「すまん、しかし…」

「好奇心には勝てません!」

そうなのね。


ため息をつくアリアさんを引っ張るようにルニアさんはツリーハウスへ入っていった。






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