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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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美亜とドラゴン



ルナリアの墜落地点を抜け、その先で待つみんなの元へ。


「あ、姉ちゃん! 大丈夫だった?」

「あー…うん。説明は後でするからちょっと待って。 未亜ちゃん、私と来て」

「え?いいの?」

「未亜ちゃんじゃないとダメなの」

「わかったよ! お姉ちゃん」

嬉しそうだね、未亜ちゃん。


「未亜姉ちゃんがいくなら僕も行くよ」

「ユウキは絶対ダメ!」

「なんでだよ?」

なんでって…。


「アスカ様。我々は?」

「ごめんなさい。後で説明しますから待っててください」

「はっ」

「ユウキも、ごめんね。ここを守ってて」

「わかったよ…」

拗ねなくてもいいじゃない。




未亜ちゃんを連れてルナリアの元へ急ぐ。

「お姉ちゃん、私は何をしたらいいの?」

「服、可愛い服を選んで」

「へ?」


地面がえぐれ木々が倒れた場所を再び抜けて森へ。

「おかえり、アスカ」

「ただいまー。妹連れてきたよ」

ティーもありがとね。 (いいよー)


「お姉ちゃん、この子は?」

「怪我をしてたドラゴン、ルナリアだよ」

「女の子?」

「うん、治療する為に小さくなってもらったの」

「へぇ〜。ドラゴンって凄いんだね」


「そうよ! ドラゴンはすごいんだから」

めっちゃドヤ顔してるけど貴女、毒って墜落してたんだからね? (ドジっ子…)


「それでね、この子に服を選んであげてほしいの。今の手持ちからだけで」

「あー、タオルしかないものね。だからユウキ君を置いてきたんだ」

「うん、詳しいことは皆と合流したら話すから、まず服を選んであげて。私のだと可愛くないって…」

「だからお姉ちゃんも可愛い服買えばよかったのにー。とは言っても…背格好からしてお姉ちゃんの服じゃ大きいね。背が高いもんお姉ちゃん」

そうなんだよね…。


「私なら同じくらいだし…お姉ちゃん、私の着替え全部出してもらえる?」

「わかったよ」

ストレージに預かってる美亜ちゃんの鞄を取り出して渡す。



未亜ちゃんとルナリアは楽しそうに服を選んでる。

あの会話に混ざれない私は女子力がまだまだ低いのだろうなぁ。 (仕方ないよー)

かなぁ?未亜ちゃんに頼りっぱなしだよー。 (本人うれしそうだからいいんじゃない?)

そう?迷惑ばかりかけてるけど。 (そう思ってるのママだけだと思うのー)

ならいいのだけどね…。 (こまかいこと気にしすぎー)

大事なことだよ!? (家族なのにー?ティーは頼られたらうれしーよ?)

そっかぁ…そうだね。ありがとうティー。 (うんっ)


そう言えばティーって純粋な魔力の塊みたいなものよね? (かなぁ)

私が魔王の時の魔力体と似てる気がしたけど違うのかな。 (そういえばーにてるー?)

だったら私の時みたいに実体になれそうだけどね。 (なるほど?)


魔力体の時は自由に見た目を変えてたからね。

威圧するとき用に恐ろしい姿とか、普段用とか。 (あの怖い見た目のはもうやだー)

ならないから! (なりたいカタチ、練習してみるー)

なりたい姿をイメージして、それを固定できるようになれば…。

それか、一度実体になれたならその時に魔道具で姿の固定をしてもいいかも。 (その時はお願いー)

わかったよ。でも焦らなくていいからね (うんー)



「お姉ちゃん、お待たせ」

ティーと話してる間にお着替えは終わったみたいね。


「可愛いー。未亜はセンスがいいわ」

「よかった、ルナリアちゃんが喜んでくれて」

うちの妹はその辺間違いないからね。


たしかに可愛い服を着てる。

私じゃ無理だわ。

「ありがとうね、未亜ちゃん。ルナリアも良かったね。似合ってるよ」

「ふふ〜♪」


「それじゃあ皆のとこへ戻って説明するから、ルナリアもついてきてね?」

「怖くない…?攻撃したりしない?」

「大丈夫。弟もアリアさん達も優しいから」

「わかったわ…」



ルナリアを連れ皆の元へ戻る。

あーここの破壊された森、直しとくか。

墜落地点を過ぎたところで立ち止まり、聖剣を出す。

「お姉ちゃん?」

「ひっ…止めて…」

「違うから! 森を直すだけだから。このままだとまた森から魔獣が出てくる原因にもなりそうだし」


「アスカは何を言ってるの?」

「ルナリアちゃん、見てたらわかるよ」


地面へ聖剣を突き刺す。

魔力を地面へ流し、それを糧に森の再生を超スピードで…。

「なっ、 私の落ちた場所が…森が直っていくわ!」


「これでよしっと」

「さすがお姉ちゃんだね」

「いや、それで済ましていいのこれ!?何をしたのよ」

「魔力を地面に流して森を活性化させて再生させただけだよ」

「だけって…」



なにやらぶつぶついってるルナリアは未亜ちゃんに任せて、私は皆への説明と説得を頑張りますか…。




「戻りましたー」

「ただいまー」


「おかえりなさいませ、アスカさ、ま…?」

ユウキ、アリアさん、ルニアさんは私じゃなくてルナリアを見て止まる。


「姉ちゃん、その子は?ドラゴンだよね?」

「うん、ケガしてた子。ルナリアって言うの」

「…ルナリアです」


「ドラゴン?アスカ様、いったいこれは…」



皆と別れてドラゴンの元へ行ってからの経緯を説明する。

「てことは、身体は治ったけど、魔力が無くてドラゴンへも戻れないし、帰れない状態?」

ユウキが纏めてくれる。


「そうだね、今は非力な女の子だよ」

「ドラゴンの私に向かって非力とは…確かにアスカに比べたらそうだけど…」

私がドラゴンよりヤバいみたいな言い方はやめてほしい。 (事実だしぃー)

ティーまで酷い。 (ごめんねー?)


「それで、アスカ様はどうなさるおつもりですか?」

「それなんですけど…この森に女の子を残していく事なんてできないから…」

「姉ちゃん、その子連れてくんだね?」

「うん、国王陛下と王妃様には私から説明するから」

ダメって言われたらその時考えよう…。


「わかりました、アスカ様のお考えのままに」

「ありがとうございます、アリアさん」

アリアさんもルニアさんもビックリはしてたけど許可してくれた。




「じゃあ、馬車まで戻ろうか。そういえばアスカ姉ちゃん、なんで未亜姉ちゃんだけ呼んだのさ」

「それは…」

「ユウキ君、女の子には色々あるの。わかった?」

「わ、わかったよ」

未亜ちゃんの有無を言わさぬ説得?に納得するしかないユウキだった。 (あれは脅迫だよねー)

ティー? (そういうことにしとくのー) 



前を歩くルナリアの事は未亜ちゃんが手を繋いで見ててくれる。

先頭はアリアさん、最後尾にルニアさん。

私達を守ってくれてる。ありがとうございます。

今回、隣にはユウキ。

「姉ちゃん、戻ってくる少し前にすごい魔力感じたけど何かしたよね?」

「あぁ、あの子が墜落した森がめちゃくちゃだったから直したの。魔獣が戻れるように」

「なるほどね、これで森の奥へ魔獣達も戻っていくだろうね」


めちゃくちゃなのは姉ちゃんだろって思いつつ言葉に出さず飲み込むユウキだった。







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