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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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ドラゴンって…



私も未亜ちゃんも着替えて今はラフな服装になっている。

ドレスを着てるって事を忘れるくらい慣れてたことが怖い。


着替えた後ベッドに座ってドラゴンの話をしてあげたんだけど…


「お姉ちゃん、ドラゴンって…ドラゴンっぽくなかった!」

やっぱりそうなっちゃった。

私も何度か戦って倒したことあるけど、一気にイメージ壊れたもん。


「私の知ってるドラゴンは強くて恐ろしいものだったよ」

「お姉ちゃん戦ったの!?」

「うん。証拠見せてあげようか?」

「疑ってるわけじゃないよ? でも見てみたいー」

ストレージから1メートル超えの大きな青紫色に光る逆鱗を取り出す。

魔王だった後に召喚された時、倒したのがこのドラゴンだったはず。

いくつも街や国を潰して回ってたっけ。


「おっきいね! これは?」

「ドラゴンの特別な鱗だね」

「一枚の鱗でこれって事は…どんなサイズなの!?」

どれくらいだったっけ…。


「翼を広げたら100メートル以上?なんとなくだけどね」

「それと戦ったんだ…」

「うん、無傷で倒したよ。 ちょっとは安心した?」

「…びっくりのが大きくてわからなくなってきたかも…」

逆効果だったかなぁ…。


鱗は仕舞っておこう。誰か来て騒ぎになったら大変だし。


「でもね、お姉ちゃんが強いっていうのは良くわかったから、安心できたのかも?」

「そっか、良かったよ」

少しでも不安を拭えたのならいいのだけど…。



そろそろ、夜中近いけど…どうするのかな。

やっぱり夜が明けてからになるのかなぁ…。

「未亜ちゃん、眠かったら寝ていいからね?」

「ううん、まだ大丈夫。王妃様遅いね…」

「報告とか大変なんじゃないかな?」

説得に苦労してるんだと思うけどね。



あ…戻ってきたみたい。

「未亜ちゃん、扉開くよ」

カチャ…


あれ!?バーンってならなかった。

「王妃様?」

俯いてトボトボ歩く姿は普段の明るい王妃様からは想像できないもので…。


「アスカちゃん…みんな酷いのよ! 絶対に行くことは許可できないって…。国賓のアスカちゃんは行くのに!」

いえ、貴女は王族ですからね?


「私とユウキで行きますから、王妃様は待っていてください」

「ホントはかつての魔王討伐パーティで組んで行こうって考えてたんだけど…」

あーだから私達って言ったんだ。


「まぁ、アスカちゃんが行くこともかなり揉めたのだけどね…。国の一大事にお客様であるアスカちゃんに任せきりっていうのも無責任だから」

「でも、ドラゴンの指名ですし…」

「そうなのよね、だから何とか説得したわ。私が行くことは無理だけど、アリアがついていくからね」

「アリアさんですか?」

「うん、ホントは騎士団を出すって話も出たのだけど大人数で行って刺激したらって考えたらね?」

たしかに。怪我してるところに武装集団が来たら…うん、アウトだね。



「あーもぅ! 私達も行きたかったー」

「今は皆さん立場とかありますし、ここは任せてください」

「むー」

陛下がちゃんと止めてくれて良かったよ。


「明け方に出発して、途中でユウキと合流しますね」

「はぁ〜わかったわ。本当に気をつけてね?」

「はい、ありがとうございます」

「じゃあゆっくり休んで。 明け方ね? 見送りくらいさせてね」

「わかりました」



王妃様が退室し、未亜ちゃんと寝る準備をした。


あ、そうだ。ティー?

………

あれ?ティー!?大丈夫?

………

まさか何かあった?ティー! (んあ?)

よかった…ティー大丈夫? (なんか、寝てたかも)

寝てたのね。というか魔法が寝るのね。 (なにか用事ー?)

うん、明日明け方にここを出てそっちへ向かうから途中でユウキと合流できるように案内してもらえる? その後ドラゴンの元へ向かうから。 (わかったーふぁぁ…)

起こしてごめんね、ティー。おやすみ。 (おやすみママー)


「未亜ちゃん、私達も寝よう。明日は朝から出かけなきゃだしね」

「うん、今日は隣で寝てもいい?」

「いいよ、ベッドおっきいし」

「うん」

元々このおおきなベッドで一緒に寝る予定ではあったのだけど…

何故か広いベッドの右端に2人で寝る状態になってる…まぁいっか。

おやすみ、未亜ちゃん。








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