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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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閑話 1

王妃side




謁見を終え退室するアスカとアリアを見送る。

はぁ〜何あの子の可愛さ。ちょっとでも気を抜いたら持っていかれる。

元々かなりの美少女なのに魅了と、誘惑スキルがMAXで常時発動とかもう何かのテロよ。


わが息子ながら今回のはさすがにやばい。

引っ込み思案で王族ということもあってか友達もできず寂しい思いをさせたのかな。

今迄はせいぜい小動物とかを呼び寄せてペットにして可愛がってただけだから目を瞑ってたけど。

流石に人を召喚した挙げ句、強制的に性転換?

しかも厄介なスキルまでくっつけて。本当に何してくれてるの?

15歳になって色気づいたのかしら…しかし相手によってはとんでもない事になってた。

幸いにもアスカちゃんは野心とかもないようだし、優しい子で良かったけど早めに手を打たなきゃ。

私自身も気を抜けないし、陛下も色香にやられてた。む…なんか悔しい…。


「さっきはすまぬ。なんであんなことを言ったのか…」

「わかってるわ。アスカちゃんも知らずにスキル発動してたようだし陛下を責めたりしません」

「感謝する。それでこれからどうしたものか…。知恵を貸してはくれまいか。魔法やスキルに関してはお主のが専門であろう?賢者殿」

「陛下にその肩書で呼ばれると恥ずかしいのですけど…」

「しかし知識に関してはお主より頼れるものはおらぬからな」


そうなのよね…取りあえずスキルを抑えるアクセサリーを急いで作るとして、問題は魔法陣。

痕跡を解析させてはいるし自分でも見てみたがあれはおそらく無理。

めちゃくちゃに書き足したものが重なり、絡み合いこんがらがっていた。

仮に一つ一つバラす事ができたとしてもそれでは同じ効果は望めない。

特に性転換については上書きして無理やり書き込んだようで、普通の性転換魔法とは訳が違う。

無理やり書き足したりして望んだ結果にした息子はある意味では天才なのかもだけど…。



アスカちゃんは魂レベルまで性別が変わってる。おそらく元に戻すことは不可能。

性転換の魔法で一時的に戻せたとしても保って数時間ってとこかな。

それくらいあの召喚魔法陣の強制力は強い。

アスカちゃんはそれで納得してくれるのだろうか…。

おそらく鑑定でも見えなかった底知れぬ強さがあの子にはある。

絶対に敵対してはいけない。それだけは間違いない。

昔この世界にいた魔王なんて羽虫程度だろう。

それをパーティを組んでなんとか倒せた私達がどうこうできる訳がない。

どうしたらあの年齢でそんな力を…。

意外に聞いたらあっさり話してくれそうな優しい子ではありそうだけど。

私は見る目はあるつもりだし。


不安そうに見つめる国王である夫に伝えるべきは…

「まず、絶対に敵対してはいけません。それだけは周知してください。魅了の方は私でなんとかします。それと魔法陣と性転換のことは今はどうにもできないです。解析で少しでも手がかりが出ることを願うしかありません。私ももう一度解析してみます」

「苦労をかけるな」

「そう思うのならもう少し息子であるジルスに向き合ってください。どうしてあのような事をしたのかよく考えてください。私達にも責任はあるのですから」

「であるな…。話をしてみる」

私も反省しないとね。


「お父様! お母様! もう謁見は終わりましたか?」

この声は娘のシルフィね。

「おぉシルフィ! 大丈夫だ。 さぁこっちへ」

この人は本当に…娘に甘い。

シルフィは頭もいいし気遣いもできる。少し魔力が不安定だけど…

男女関係なく継承権の順位が決まるこの国では王位継承権一位も長女であるこの子だ。

周りの期待もシルフィに偏っている。

一年遅れて産まれたジルスにはそれも影響しているのかもしれない。

今更後悔しても遅いよね。今できる事をしないと。


「私はアスカちゃんの為にアクセサリーを作ります。その間に先程の話の周知とできるだけ早くジルスと話し合ってください。同じことを繰り返さないためにも」

「うむ、了解した」

「お母様、アスカちゃんとはあの綺麗な銀髪のすっごい美人の子ですか?さっき知らない子を見かけたのですが」

「そうよ、大切なお客様だから粗相のないように。それと私が許可するまで直接会わないようにね」

「わかりました。ご挨拶したかったのですが、お母様の許可が出るまで我慢します」


「それでは陛下、シルフィ。私はこれで失礼します」

「はい、お母様」

「うむ、無理はするなよ」

「わかってるわ」



部屋に戻る。

急いでアクセサリーを作らないと。

高価な魔法石を使うことになるが仕方ない。

女の子だしペンダントかな。どんなに急いでも一時間以上はかかる。

それまでおとなしくしててね。


そう言えばアスカちゃんにはアリアをつけたんだっけ。

メイドを呼びアリアを呼びに行かせる。


素材を集め、作る準備ができたところでアリアが部屋に来る。

「お呼びですか?」

「えぇ。アスカちゃんはどうしてる?」

「お疲れのようで部屋でお休みされています。念の為メイドを一人付けておきました」

「そう、ありがとう。アスカちゃんが起きたら言伝を頼めるかしら?」

「はい、勿論です」

「お茶しましょう。と伝えて。場所は中庭のテラスがいいわね。時間は早くても2時間後、寝てるようなら無理に起こさなくていいわ。起きたらで」

「了解しました」

「アスカちゃんが起きたら誰かよこして。私も準備するから」

「はい」

「それだけよ。よろしくね」

一礼し退室するアリアを見送りアクセサリー作りを始める。



1時間以上かかったけど、アクセサリーは完成っと。

後はアスカちゃんが起きてからね。

意外と時間かかっちゃった。まぁでもこれがあれば取り敢えずは、なんとかなると思う。

そんな事を考えてたらメイドが呼びに来た。じゃ、アクセサリーを渡しがてらお茶にでもしますか。








シルフィside





今日、弟のジルスがまた何かやらかしたらしい。

お城が騒がしい上に急な謁見が入ったみたい。

ジルスってばなにしたの?またトンデモなペットでも連れてきたのかしら。


最近はジルスに避けられてるのかなって思う?

ほとんど顔を合わすこともないし話しかけても最低限の返事だけして去ってしまう。

お姉ちゃん悲しいのだけどな。


なんとなく謁見の間へ向かいながら歩いてたら廊下の先を横切っていく人に目を奪われる。

綺麗な銀髪だぁ〜。遠目でも美人なのはわかった。

ちょっとドキドキしてしまう。

誰だろう?気になる。謁見ってあの人かな。

見に行きたいけど呼ばれてないのに謁見に参加はできない。

「う〜。気になるわ。謁見が終わったらお父様に聞いてみましょう」



謁見の終了を見計らい謁見の間へ突撃する。

なにやらお父様とお母様が難しい話をしてるみたい。



やっぱりさっき見かけた女性がお客様だった。

ご挨拶したかったけどお母様に止められてしまった。

許可するまでは駄目だって。

元賢者様であるお母様が言うなら逆らえません。理由があるのでしょう。

我慢しなくては。でも会いたいなぁ。





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