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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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晩餐会の終わり



晩餐会から連れ出され、ひと悶着あったけど…それ以後は特に変わったこともなく。

まぁ…色々偉い人に話しかけられて気疲れはしたけど、みんないい人で楽しかった。


途中で、目を真っ赤に泣きはらした王宮魔術師のミルフィさんと王妃様も戻ってきて、話をした。


「アスカさん、失礼な態度をとってごめんなさい」

「もう、気にしてませんから。 私もやり過ぎました。ごめんなさい」

お互い謝って仲直り。でいいのかな?


「それにしてもアスカちゃん凄かったわね?魔王よりヤバかったわ」 (元魔王だもん)

「ホントに…ちびるかと思いました…」

「ごめんなさい…決して撃つつもりはなかったので許してください」

「怒ってはいないわ。ただ上には上がいるって身をもって体感しただけ」

「ミルフィもまだこれからでしょう?頑張りなさい」

「はい、お姉さま」

いい姉妹だなぁ。見習わなきゃ…私も大事な弟と妹がいるんだし。 (どっちが姉か怪しいけどっ)

うるさいなぁ…そこは自覚してるからほっといて! (ふふっ。はーい)


「アスカちゃん、なんか一人でコロコロ表情変わってるけど何してるの…」

「え?そんなことになってます?」

「にこにこしてるかと思ったらムッてしてたから」

ヤバっ…気をつけないと危ない人じゃん…。 (ある意味ではサイコーに危険人物だし)

うるさいよ!?


「ほらまた…大丈夫?体調悪かったりする?」

「いえ。そうじゃないんですが…」

これ話して信じてもらえるのかな…? (さぁ?)


「晩餐会ももう終わりだし、部屋で休みなさい。 アリア、アスカちゃん達を部屋へ」

「はっ」

「皆には話しておくからゆっくり休みなさい」

「ありがとうございます…」

心苦しい! なにこれ!


「では、アスカ様。未亜様。お部屋へご案内いたします」

「すみません、お願いします」

「大丈夫?お姉ちゃん」

「うん、ちょっと疲れただけだから。たぶん…」

どうやって説明したら…証明もできないから信じてもらえなかったら危ない人認定される!?




アリアさんに案内され、いつもの部屋へ。

この部屋にくるとホッとしちゃうのはいい事なのだろうか…。


「ふぅ〜。お城の晩餐会とか初めてで緊張したけどすごく楽しかったね」

未亜ちゃんのが肝が座ってるというか堂々としてるなぁ。姉の立場が…。 (今更じゃん)

そうだけど! そんなにはっきり言わなくても。


「お姉ちゃん、ホントに大丈夫?」

「うっ…あのさ、未亜ちゃん。話があるんだけど聞いてくれる?」

「うん?何か大事な話みたいだね。ちゃんと聞くよ」


「あっ…扉開くよ!」

バーン!!


「アスカちゃん、さぁ話してもらいましょうか?」

「え?え?」

晩餐会の前にしてた話しの続き?


「さっき様子がおかしかったの体調不良じゃないでしょう?」

うっは…バレてる。 (鑑定持ちだしこの人…)

そうだった…。


「ちょうど未亜ちゃんにもその話をしようとしてたとこなので…」

「あ、そうなんだ?  王妃様もピッタリなタイミングですね」

「ふふっ私の目は誤魔化せないわよ」

なんで楽しそうなのこの人は…。



三人でいつものテーブルへ。

話をするときはこのテーブルセットが定位置になってるね。


「どこから話したらいいか…まず、私はおかしくなってないのでそこは信じてください」

「うん?おかしいとは思ってないわよ?規格外で常識外れな存在ではあるけれど…」

ぐはっ…。 (サラッと毒吐くねぇ)


「えっと…私が昔に作った魔法が自我に目覚めて話しかけてくるようになりました」

「「…………」」

まさかの二人とも無反応!?

嘘だ! とか言われるより堪えるんだけど…。 (日頃の行いってやつ?)

ティーも随分毒吐くじゃない? (ごめんごめん)


「アスカちゃん、ちょっと待ってね。整理するから」


「…お姉ちゃん、魔法ってそんな事もできるの?私ともお話できる?」

純粋な未亜ちゃんが救いだよ。 (その割に間があったけどねー)

水差さないの!


「私も初めての事でびっくりしてるの。今は私としか話せないからごめんね」

「そっかぁ…残念。私魔法のことよく知らないから、そういうのもあるのかな?って思ったよ」

基礎知識が無い分受け入れやすいのかな…それとも優しさかな。 (両方だと思うなぁ)

だよねぇ…。



「アスカちゃん、順番に聞くから答えてね」

「はい。わかりました」

「それってどんな魔法?」

「ちょうど今日お話ししてた安全装置の役割を果たしてた魔法だったらしいです」


「いつから?」

「少し前から時々幻聴みたいな感じはあって。今日、明確に会話ができました」


「自我に目覚めたきっかけは?」

「…えっと…」

「言いにくい事?」

「その…私が女の子になった事での強制力って役割を世界から任されたから。だそうです」


「……」

うぁぁ…また、テーブルに突っ伏しちゃったよ…。

「てことは、それもうちの息子、いえ…ひいては私達、親のせいじゃない…」

「そんな…でもすごくいい子ですし…」 (ドヤァ)


「そこまではっきりコミュニケーションとれてるの?」

「はい、感情もありますし…。時々毒も吐きます」 (なんだよぅ)

「魔法の極致だわ…自我を持ち感情もある魔法。羨ましい! 私も欲しい〜!」


王妃様が駄々をこねだしたのだけど…どうしたら。 (ティーはアスカのだからね?)

わかってるよ、ずっと一緒にいた様なものだものね。 (うんっ)

気づいてあげるの遅くなっちゃったけど。 (いいよ! 話せると思ってなかったもん)


「また会話してる?」

「えっと、はい…すみません」

「それはいいのだけど…。 ねぇ、その安全装置?の魔法教えてもらえる?」

「構わないのですが…例えるなら王子様の書いた魔法陣状態ですよ?」


「どういう事? いえ。言ってることはわかるのだけど…」

「最初は時間停止魔法の安全装置として作ったもので、その後、色々な魔法を作る時、魔道具の実験する時。何度も何度も書き換え書き足しした様な魔法なんです。

例えば今の状態を魔石に書き込んで魔道具に同じ効果は持たせられますが、書き換えた順番、タイミング等、そこまでは覚えていないので…」

「全く同じものになるかはわからない訳ね」

「はい、しかも一番大きな要因が世界の強制力ですから」


「再現は不可能ね。わかったわ…。ただ、もし私が話せるときが来たら話させてもらえる?」

王妃様お話したいって。 (それくらいはいいよ?)


「大丈夫だそうです」

「そう…わかったわ。でもどちらにしても時間停止魔法は使ってみたいから、その基礎の安全装置になる魔法は教えてね」

「はい。それはもちろん」


「お姉ちゃん、私もお話ししてみたい!」 (いいよいいよ! 家族だし)

「家族だからいいよ〜って」

「やった」


「なんか私と対応が違う…」 (それは…王妃様だし)

「王妃様だから遠慮してるみたいです」

「なにそれ! 可愛いわね」 (ドヤァ)

ふふっ、確かに可愛いね。







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― 新着の感想 ―
もうホムンクルスでもロボットでもいいからさっさとアウトプットしてー
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