表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

769/772

かつての姿



未亜と聖さんを見送った後、不安になった事が…。 (うん?)

喚びだしたままのチョコ達は大丈夫なのかな?と。還ってしまった感じはしてないのだけど、今のこの身体の感覚を信じていいものかわからなくて。 (ママの潜在魔力自体は減ってないからへーきかと)

ステータスの影響をまともに受ける子達だから心配なのよ。 (特に変わった様子ないけどなぁ)

…もし変化があったら直ぐに私のところに来てるか。 (そそ)

じゃあこの弱体化は一体…? (鑑定でも見えなかったの?)

今の私が使える鑑定では見えなかった…。みんなに渡してある魔道具につけてある鑑定も、混乱させないために必要最低限に絞ってるし。 (今のママが見れない時点で本来のステータスは下がってないんじゃない?)

そうみたいね。まさか光魔法の状態異常の治癒でこんな事が起きるなんて。 (絶対になんとかするから)

ありがとうティー…。



「お姉様…大丈夫…?」

「うん、ありがとうシエル。普段と感覚が違って落ち着かないくらいかな」

「未亜姉様達が戻るまで絶対に守るの…」

「ありがとね」

シエルは最近リズをよく見ててくれるくらい小さい子に慣れてる。その姿を見ていたから自分自身がこうなってても安心して身を委ねられる。


「ただいまー。 ってなにしてんのさ。みんな玄関ホールが広いからってここにいなくてもいいでしょ。 えーっと姉ちゃんいる?」

「ユウキ!?」

このタイミングで帰ってくるなんて!

「……えっと、姉ちゃんと誰の子?」

「アスカお姉ちゃんズルい…。それなら私もユウキとの子欲しい…」

「あははっ! 違うよ。その子がアスカ本人!」

「は? いや…奈々先輩、いくらなんでもそんな嘘に…」

「バカね、ユウキ。アスカの子供だったとしたら誰か一人だけ産むとかありえないわよ」

「だよねー」

いやいや…リアもティアも本人を前にしてとんでもない会話しないでもらえる!?


「ユウキくん、大事なことを忘れてるわよ。もしアスカちゃんと誰かの子だったとしたら妊娠期間があったはずでしょ?しかもこの年齢になるまで何年かかると思うの?」

「…確かに」

冷静な麻帆のおかげで助かった…。


「本当に姉ちゃん?」

「うん…」

「かわいい…」

スピネルは私を抱き上げて下ろしてくれなくなった。


「誰か姉ちゃんがこうなってる原因の説明してもらえる?未亜姉ちゃんやティーは?」

「ティーなら未亜と聖をつれて、アスカを元に戻すためにでかけてるわ」

「理由は私が教えてあげるよー」

「ルナティア、お願い。ついでにどんよりしてる王女様二人の説明も」


ユウキが説明を受けている間に、スピネルは私を抱きかかえたままお屋敷の外に出てしまう。

私は一体どこに連れて行かれるの?

「スピネル姉様…。お姉様をどこにつれていくの…」

「お屋敷の中は暗い…。明るい外で遊ばせてあげたい…」

スピネルはシエルにそう言うと、庭にある遊具のところへ私を連れて行っておろしてくれた。


「日が沈むのはもう少しあとだから…ここで遊ぼう…?」

えーっと、遊具で遊べばいいのかな?

スピネルは自身が暗い地下に長く封印されていたから、明るいところへ私を連れ出してくれたんだろうな。

「お母様! リズと遊ぶのです!」

いつの間にかついてきていたリズは私の手を取ると、遊具に連れて行く。

「う、うん!」

普段なら遊ぶうちの子達を見ている側だったのに、まさか一緒に遊ぶ側になるなんて。

しかも意外に楽しい…。 (……ママが幼児化してくの! 急がなきゃ) 

大丈夫だから! たぶん…。


「ますたぁの魔力を感じて来てみたんだけど〜。どうしちゃったのよ」

「キャンディ! 貴女達は身体やステータスに影響ない?」

見た感じはティーの言ったようになんの影響もなさそう。 (うんうん)

「いつも通りよ〜。ますたぁは表側だけ弱々しくなってるわね〜」

「表側?」

「ええ〜。例えるのなら偽装して見えるようにしてる部分が弱々しいと言えばいいのかしら〜」

なるほど? 本来のステータスがこの姿の影に隠れているわけか。

キャンディの意見を聞く限り、子供の姿に偽装されているようなものと思えばいいのかな。

とはいっても、まだ情報が足りない。こういう事は慎重に対処しないと。

一つ間違ったら私だけで済まないのだから。



薄暗くなるまでリズ、シエルと遊び、スピネルが夕食だからとお屋敷内へ連れて戻ってくれて…。

「アスカ、随分と楽しそうに遊んでたわね?」

「窓からみんなで見てたけど、子供みたいだったよー」

言わないで…。頭では冷静な部分もあるのだけど、遊びに夢中になってる身体の方に引っ張られていっちゃうんだよ!


夕食時にはメイドをしているノアにも見つかり、大騒ぎに。

「可愛すぎます。わかっていたらもっと小さな子が喜ぶ夕食にしましたのに…」

「ノア、私を子供扱いしなくていいから」

「無理です! 可愛すぎるんです…。このままでいてほしい気持ちと、それでは色々と困るってしまうという気持ちが…」

何に困るのかな!?ノアはクネクネとなにか想像している様子で、もう声をかけるのを諦めた…。




ユウキはかまってくる様な事はしないけど、気になるのか近くに来て覗き込んできたりと、ちょっとうっとおしい…。

「僕は姉ちゃんの幼い頃を写真でしか知らないけど、写真の姿まんまだよな」

「それってティーちゃんの力で変わってしまったっていう?私はアスカちゃんを中学からしか知らないけど、女の子の記憶しかないのよね」

「麻帆先輩はそうかもしれないです。僕の記憶としては兄ちゃんの印象のがまだ強くて、実感がないんですよ」

「弟なのに複雑だね。私もアスカが男だった時の記憶はしっかりしてるからわからなくはないけどね」

「それ、気になるんだけど…。男だった頃のアスカちゃんってどんな感じだったの?奈々」

「すっごい美系男子! 女アスカの髪の色と長さを変えて、体型が男?」

「プラスで今よりヤンチャでキツかったと思います」

「そうかなぁ。普通に優しかったけど…」

「それは奈々先輩が知り合いだからですって。敵とかには本当に容赦なかったですから兄ちゃんは」

「ユウキくん、その頃のアスカちゃんの写真とかってないのかしら?」

「あったものは全部変わってしまったので…あれ、でもまてよ?」

おいこらユウキ。言いたい放題言ってくれた挙げ句、なんか持ってるの!? 

 

……あっ! (え、なになに!?)

それが…異世界でもたまにね?写真みたいなものがある場合があるのよ…。

例えばアルディエル母様のところみたいに魔道具とかが発展してるところはね。 (ああ。ママもカメプロ作ってるしなぁ)

まぁね。


案の定、ユウキが取り出したのはいつだったかの世界で、パーティ仲間に撮ってもらったユウキとのツーショット写真。

慌てて私もストレージ内を確認。 (激レアお宝)

異世界で撮影したものだし、私のもユウキのもストレージ内にあったからなのか、バッチリかつての姿が。

…そういえばこんな姿だったっけ。


「私にも見せなさいよ!」

「ズルいリア、私もー」

「枚数はあるから取り合わなくて平気だって…」

落ち込んでいたはずの王女様二人も好奇心に負けたのか、いつの間にか寄ってきて一緒に写真を見てる。


「アスカお姉ちゃん大丈夫…?」

「なんとかね…。スピネルはいいの?ユウキのそばに居なくて」

「見えるところにいるから平気…」

よほど母親になりたいのだろうか。スピネルは私を離してくれない。確かに事あるごとに言ってたからなぁ。


「アスカちゃん、いるー?ちょっと用事があってお邪魔したんだけど…」

この声。アキナさん!? (おおう…)











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ