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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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イメージに振り回された結果



回復魔法の次は、状態異常の治療。


学園長はここで退席された。やっぱり王妃様としての準備が忙しいようで、“見学していたかったのだけど”と残念そうにしてた。


“ここからはヴィータとアスカちゃんに任せるわ“と学園長に言われたのだけど、ヴィータさんは状態異常治癒が使えないから、教えられるのは実質私一人になってしまう。


教える方法は、こちらも実際に一度魔法を見せてみるところから始まり…。

ただ、見て覚えられたのはうちの子たちだけだった。 (難しいの?)

回復よりは上位のものになるからね。

となると、実際に状態異常を治してるところを見たほうがいいかな…。


悩んだ末、私自身に怒られない程度の危険のない状態異常を付与して、それを治癒してもらう事にした。 (あぶなくない?)

大丈夫よ。疲労で眠くなる程度のだから。 (ならいいけど…)

私以外に状態異常を扱える人はいない上に、私が人に使うと効果が覿面だからね。しかもそれを治癒するってなると不可能に近い。 (ママの魔法だしなー。え、じゃあどーするの?)

耐性の高い私にかけるほうが、結果として弱い状態異常になるのよ…。 (ちょっと何言ってるかわかんない)

わかりやすくかぁ…。

例えば、耐性がゼロの人に効果時間百秒の睡眠魔法をかけるとそのまま百秒眠るのだけど、耐性が五十ある人に同じようにかけると、五十秒で目が覚める…と言えばわかる? (うん!)

本当はもっと細く要因はあるんだけどそういうものだと思っておいて。 (細かく…?)

双方のステータスや保有魔力量の差とか、もっと言ったら睡眠不足だったらとかね。 (めんどくささ!)

そうなのよ。だからこそ状態異常っていうのはかけるのも治すのも難易度が高いの。 (納得)

それはなにより。


話を戻すね? (あいあい)

うちの子達では通常私には鑑定も魔法も通じないから…。 (ママよりステータス高くないと全部見るのは無理だし)

うん。だから、私自身を無防備状態にして、状態異常の鑑定と治療ができる様にしておく。 (ママのガードがゆるい!)

違う意味に聞こえるからやめない? (えー?)

わかってて言ってるでしょ…。 (ふひひ)

もう…。


「誰から魔法使う?」

「私が! アスカ様を治癒する魔法を使えるなんて一生ないと思っていましたし」

「シルフィー様、抜け駆けはだめです!」

「順番にね? やることは同じなんだから…」

そういったのだけど、どっちが先かとシルフィーとストレリチア様が揉めてて…。

早くしてくれないと私、状態異常で眠いんだけど……。 (あははっ!)


「どっちでもいいから…早く…」

「「アスカ様!?」」

慌てた二人が同時に魔法を使ったのだけはわかったけど、そこで意識が途切れた。 (おおぅ…)



〜〜〜〜〜〜



ふと目が覚めて、目を開けると心配そうに覗き込むみんなの顔が。

状態異常の解除が間に合わなくて寝てしまったのか…。 (……)

身体を起こそうとして違和感が…。なんだこれ…。妙に身体が軽い。特に胸部が…。

見下ろして突きつけられた現実。 あまりの事に声も出なかった。

「「申し訳ありません!!」」

シルフィーとストレリチア様が二人で謝ってるけど、さすがに”大丈夫よ“とは言えない…。

「二人はなんの魔法を使ったの?」

そう聞いた自分の声にも違和感。完全に子供の声。 (服はねシエルが超速で用意した)

さすがだよ…。ありがとうシエル。

とはいえ、どうしたものかな…。

「覚えた状態異常の治癒の筈なんです…」

「私もです…」

「鑑定してから使った?」

「「いいえ…」」

何してるの…。 ティー、二人が使った魔法わかる? (二人ともちゃんと状態異常の治癒だったけど、多分何を治すか明確にイメージしてないから…)

ああね…。状態異常を治す場合、“何をどう治療するか”明確にイメージしておかないといけないからね。 (ピンポイントの治癒はないの?)

毒を治す魔法とかってことね? 薬ならそうなるよ。光魔法の使い手がそうイメージして作るから。

魔法に関してなら、完全にその場でのイメージだけだね。 (二人は何を考えたらママがこうなるの…)

それがわからないと治せないのだけどね…。


「お姉ちゃん可愛い…。ティーちゃんよりちっちゃい! 抱っこしていい?」

「未亜!?」

返事を待たずにひょいっと抱きあげられてしまった。 

ねぇティー、今の私の姿を客観的に見てどんな感じ? (3歳くらいの女の子?)

そこまでか! でも幸い頭はクリアだし、ステータスも…下がってるじゃない! (身体相応に…)

どーすんのよこれ! (か弱くなれたね?)

こんな形は望んでないのよ! (さすがにあははとわらえないの…)

むしろ笑い話であって欲しかった…。


自分で見た限り状態異常でもないし、何がどうなってんの?

「二人は何をイメージして魔法を使ったの? 大切な事だから思い出して」

「えーっと…」

「…なんでしたでしょう?慌てていたので…」

私に聞かれても。


「未亜、ずるいわよ! 今度は私に抱かせて」

「リア、次は私ねー」

私はぬいぐるみじゃないから。 (今の姿で言われてもなー)

うぅ…。



「アスカがちっこくなった! アスカとの子供ができたらこんな感じ?」

「奈々はそこ迄考えてるの?」

「え、妄想しない? そういうの」

「わ、私は…」

「正直に言えって麻帆。誰も責めないから」

「す、少しだけ…」

「わたくしも妄想なら負けませんわ!」

「聖さん、張り合うところではないのよ!?」

大騒ぎしているみんなに代わるがわる抱っこされて、もう意味がわからない。


「皆さん落ち着いてくださいまし。アスカ様がお可愛いらしいのは同意しますが、このままでは…」

「モルチアナの言うとおりです。なんとか元に戻っていただかなくては、色々と困ってしまいます」

「色々ってなんですか…?サラセニア」

「そ、それは…! 結婚もですし、それこそ子作りにも影響が!」

「「「「ああ…」」」」

待て待て。みんな気が早い! 








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