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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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大切な時間



グリシア王国に到着後、みんなに話をしてから、少しでかけてくると伝えて学園街へ。

シヅキさん達に今週末にはドラゴライナ王国へ帰るようにというアキナさんからの指令を伝え、帰る準備をしておいてもらわないといけないから。


馬車で学園街を走り、そのまま以前お世話になったお屋敷へ。

ノックをしたらすぐにメイドさんが出迎えてくれて、二人にも会うことができ、アキナさんからの指令も伝えた。

学園が楽しかったのか、少し寂しそうではあったけど、本来のお役目の為の帰還だから、週末までには準備をしておくと言ってくれた。

お屋敷に設置した魔道具に関しては、あとから私が回収するからと伝えて、お屋敷を出る。


そのまま今度はお城へ。



いつも馬車を操車してくれている騎士様には本当にお世話になってばかり。

お礼を伝えた時に、“この馬車を任されているのを誇りに思っている”と言われたのはびっくりしたっけ。 (ママの馬車特別だし)

まあみんなを守るためのものだからね。王女様もいる訳だし。常に私が一緒にいられない場合もあるから。



お城でも当たり前のように直ぐに王妃様に会わせてもらえて、週末にはドラゴライナ王国に戻らなくてはいけない旨を伝えた。

寂しそうにされたけど、アキナさんからの指令だから諦めてくれて“またいつでも遊びに来て”と優しい言葉を頂いた。

陛下はお忙しいそうで会えなかったけど仕方がないね…。普通は国のトップに簡単に会えるほうがおかしいのだから…。 (アキナさんの生誕祭に行くために前倒しできる仕事を終わらせてるから)

それは忙しい訳だね。



王妃様と少し話して、学園で学ぶ光魔法に関しては、私がいる今週中に基盤部分だけは整えて置くことになった。

王妃様も学園長として、こちらを空ける前にそこまでは整えておきたいと話してたから、全面的に協力して体制を整えるつもり。

その相談もしていたから、帰宅するのが遅くなってしまって、みんなを待たせてしまった…。



お屋敷に帰ってからは、うちのみんなと食事をしつつ再度詳しい話をして、みんなは私についてきてくれると当然のように答えてくれた。

ストレリチア様とモルチアナ、サラセニアもアキナさんの生誕祭に参加するから一緒に行く許可が貰えているそう。

もちろんシルフィーも一緒だから全員での大移動になる。


「そういう訳だから、今週中は学園を楽しんで、週末にドラゴライナ王国に帰れるように準備しておいてね」

「姉ちゃん、学園側への手続きは済んでるんだよね?」

「もちろん。学園長に話してきたから大丈夫だよ。 ユウキ以外に質問のある子はいる?」

「あの、ドラゴライナ王国からの帰りはお母様達と一緒になるのでしょうか…?」

「ごめんね、シルフィー。まだそのへんの話は聞いてないけど、急ぐようなら私が転移で送る事になるかもしれないし、その時の状況次第かな」 

「わかりました」

「他は大丈夫…?」

見渡したけど聞きたいことに関しては平気そうね。


「あ、ユウキには一つ確認したいことがあるから、後で時間もらえる?」

「ん? わかった」

「今話した通り、私は学園ではしばらく忙しくなるけど、帰ってからはみんなと過ごす時間もちゃんと作るから安心してね」

一通り話をしてからは、私が忙しくなるのを察してみんなして不安そうな顔をしてるからね…。

光魔法関連でちょっと過密スケジュールになるから、私はもう授業に出ない。その分、お屋敷に帰ってからはみんなと過ごせる時間を作るつもりでいる。


帰れば一緒にいられると聞いてホッとしたみたいね。多分わがままを言えないからって黙ってたんだろうってのくらいはわかっているつもり。




食後の片付けをメイドさん達にお願いして、食堂に残ったユウキと久しぶりに二人きり。

スピネルも少しだけならとユウキを貸してくれて助かる。

「姉ちゃん、話って?」

「さっきも話したけど、光魔法関係。 ユウキは私と魔力循環してからなにか変化はあった?」

「知ってると思うけど、僕は元々自己回復しか使えなかった。それの回復性能が上がったくらいだね」

「不都合とか制御しにくいとかは?」

「ないない。僕だって勇者なんだよ?」

「そうね。念のための確認だと思って。みんなが覚醒しているような状況だから…」

「まぁ、魔王に身を任せたらそうもなるだろ」

「言い方ね? 後は…」

「姉ちゃん。 姉ちゃんこそ無理すんなよ?みんなのため、みんなのため…って無茶してるといつか破綻するからな?」

「…うん。わかってる。無理してるように見える…?」

「多少な。 それこそ僕を守ろうと一人で毒を飲むような兄だったんだから姉になったなら尚更心配するだろ」

「ごめん…。でもね、この状況を楽しい、幸せだって思ってるのも本当だから。辛くなったら頼る人も多いからね」

「そこをわかってるならいいけどさ」

「ん、ありがと。逆に相談に乗ってもらったみたいになっちゃったね」

「いいだろ。姉弟なんだから。遠慮すんなよ」

「そう…だね。じゃあユウキも遠慮はなしだよ?」

「姉ちゃんに頼るなんてよっぽどだって」

そう言って笑うユウキは頼もしい。どこかのエルフ王子と歳が近いなんて思えないほどに。


しばらく久しぶりの二人きりという状況で、お互い話したかったこととかも話せてホッとしていたら、待ちくたびれたスピネルがユウキを迎えに来てお開きになった。

「アスカお姉ちゃんでもユウキの独り占めはだめ…」

「ごめんね。話は終わったから。待たせちゃった?」

「ちょっとだけ…。アスカお姉ちゃんの嫁達も外で待ってる…」

「そっか、ありがと。 ユウキもありがとね」

「こっちこそ。 姉ちゃんは嫁泣かすなよ?」

「わかってるよ!」

まったく。ユウキとスピネルまでみんなを嫁って…。


私だって女の子になったんだからちょっとくらい嫁扱いされたい…。か弱い守られる女の子とか、なってみたいな…。なんてね。 (………)






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