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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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当たり前と



あくる日、授業のない私は我が子二人を連れてドラゴライナ王国へ転移した。

ティーに呼ばれるだろうと言われていたし、アキナさんに見せたいものもあったから…。


出迎えてくれたお祖母ちゃんにティーとリズを任せて、お隣のアキナさんのお宅へ。

アキナさんに用事があるからと奥様に伝え、直ぐに会ってもらえた。



執務室で書類仕事をしながらも迎え入れてくれたアキナさん。

「いらっしゃい、ちょうどピナを使いに出そうと思ってたから来てくれて助かったよ」

「なにか御用でしたか?」

「そろそろ本格的に開校する準備に入るから、もう少ししたら留学しているうちの子たちも連れてこちらに戻ってきてもらいたいのが一つ。 ドワーフの店が街にオープンする事になったのは話したと思うけど、どうしても一人、アスカちゃんに会わせたい子がいるからと言われていてね、会ってあげてくれる?」

「わかりました。戻るのは私一人ですか?」

「んーそれでも構わないのだけど、みんなついてくるでしょ?」

「そう…ですね。おそらくは…」

グリシア王国の子達は来れないと思うけど、他の子達はついてくるだろうと思う。

あ、でも…どちらにしても再来週末にはアキナさんの生誕祭だからみんな連れてくることにはなるか…。


「すみません、学園でもう少しやらなければいけないことがあるので、数日待って頂くことは可能ですか?」

「もちろん大丈夫だよ。今週末くらいには戻れそう?」

「そうですね…大丈夫だと思います」

まだ数日あるし、学園で光魔法関連のアレコレを済ませる時間はある。

なにより学園長もグリシア王国王妃様としてアキナさんの生誕祭には参加されるから、ドラゴライナ王国からの迎えが到着次第、国を出られるだろうし、あまり時間はないかも…。

下手したら光魔法関連は後日改めてとなる可能性もある。



「アスカちゃんはなんの用事だった?」

「私も学校関連なんですが…」

みんなに力を借りて作り上げたお道具箱になる教材を見せて、実際に触れてもらい、一通りの説明も。


「どうでしょうか…」

「………」

だめだったかな…。 (うそん…)


「問題があるのでしたら改善も…」

「いい。すごくいいよ!! 子どもたちが喜びそうなのはもう見たらわかるし、必要な物を仕舞っておけるのもいいね!」

「…よかったです」 (ほっ…)

「でもいいの?またアスカちゃん一人で作らなくてはいけないよ?」

「数を作るのも考慮してのデザインなので、問題はないです」

「そうならいいけど、無理はしないでね? 必要な数は…えーっと書類がここに…あったあった。入学予定の人数がね、百人弱くらいなんだけど…」

アキナさんから入学予定の人数とクラス割りが書かれた書類を受け取り、確認。

「…大丈夫です。なるべく早めに用意しておきます」

「本当に大丈夫?結構無茶な数だと思うけど…」

「ええ。一応、魔道具に関しては得意分野だと自負していますから」

「それは理解しているけど、数が多いし…いつもお願いしてばかりだからね」

思いつきで色々と手を出してるけど、かえって心配かけてしまってるのかな…。


「うちからも何人かお姉ちゃんのところへ魔道具の勉強に出しているから、その子達が育てばアスカちゃんの負担も減らせられるかもしれないけど、短期間でどうにかなるものでもないでしょう?」

ああ、ハルナさんのところにいる魔族の人達が講義開いてるんだっけ。その為の魔刻刀も貸し出してるんだった。

「そうですね、でも今のところ負担というほどでもないですからご心配なさらず」

「アスカちゃんがそこまで言うのならわかったよ。これは預かってもいい?」

「はい。教師をされる方々にも見ていただいたほうがいいと思いますし…」

「うん、そうなんだよ。ありがとう」

後は生誕祭に追加で使いたいと言われていた花火の魔道具を渡して、少し話をしてから帰宅した。



お屋敷ではお祖母ちゃん達にも近況報告をして、またこちらに来るのも伝えたら嬉しそうにしてくれた。

お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは正式にドラゴライナ王国に移住する事にしたそうで、これからは基本、このお屋敷にいてくれると。

「ここでいつでもみんなが来てくれるのを待ってるわ」

「お祖母ちゃん達に会いやすいのは嬉しいよ。ティーとリズもよくなついてるし」

「そうだったら嬉しいわ。ここに来るのを決めたのも、こうして可愛い子達に会えるからだもの」

アキナさんのご家族はどうなんだろうと思ったのだけど、女王陛下のアキナさんの実母という事もあって、皆さん遠慮してしまうんだとか。

“素直に甘えてくれたほうが嬉しいのに…”とお祖母ちゃん。

伝説のドラゴンだから皆さんの気持ちはわかならなくもないけど、私にとっては唯一の祖父母だし、身近な人でいてほしいから、こうやって気軽に接していきたい。


「ナツハには会ってる?」

「ううん。私がこちらへ来るときはいつも時間が合わなくて、二人とも家にいなかったから」

「仕事をしてるとは言っていたけど、今は何をしてるんだったかしら…」

また屋台じゃないの? (ママのママは学校関連で忙しいよ。パパの方は今も屋台)

そうなのね、確かに母さんも学校で教師を〜って言われてたんだっけ。 (そうそう)

なにより母さんは多少なりとも現代の学校を知ってはいるもんね。

実際に通ったわけではないから、こちらの人の比べたらって程度だろうけど。 (知らないよりは)

うん、そうだと思うよ。

こちらにいるようになればまた会えるからね。 (寂しくない?)

んー…元々ほとんど一緒にいなかったし、今はみんながいるからね。 (そか! ティーはママがいなかったら寂しくて無理なの…)

それは私もだよ。 両親に関しては、いないのが当たり前だったってのが大きいのかもね。

とは言ってもお祖母ちゃんにも心配かけているみたいだし、ちょっと会いに行こうか。 (うんっ!)

どこにいるか知ってる? (パパはいつもの屋台で、ママは学校)

了解、ありがとう。


「せっかくこっちに来たし、会いに行ってくるよ」

「そうね。喜ぶと思うわよ。ティーちゃんとリズちゃんは私と待ってましょうね」

あら…。お祖母ちゃんが二人を抱きかかえて離してくれなさそうね…仕方ないか。 (お留守番してるの)

うん。すぐ戻るよ。






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