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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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刻んだメッセージ



倒れた学園長の復帰を待って、学園長室をでてきた。

誰にもバレなくてよかった…。 (大丈夫だって)

わかんないじゃない! 相手は学園長の前に王妃様なのよ? (悪いことしてなったわけでもないのに)

原因がどうとかでもないの! 叱られる覚悟はしてたけど倒れるなんて思わないもの…。


食堂に戻ると、ちょうど昼食を摂るための生徒で混雑してて…。 

目ざとく私を見つけてくれたリアのおかげで席に座ることができた。

「アスカ遅かったわね?シルフィー達は早かったのに何してたのよ?」

「それなんだけど、みんなにも話があるから聞いてね」

ちょうどみんな集まってるし、意思確認をしておきたい。


光魔法を優先して学ぶクラスができるけどどうするか?と…。 (聞くまでもなかった)

だね。でも、ちゃんと確認はしておきたかったのよ。

「じゃあ、みんなには私から先に渡しておくね。未亜と聖さんのは少し違うから後から改めて説明するから少し待っててくれる?」

「わかったよお姉ちゃん!」

「わかりましたわ」


一人一つずつブレスレットを手渡し、どういった物かという説明をしておく。

「またとんでもないもの作ったわね」

「アスカだしなー。ありがとう! 大事にするよー」

リアとティアはすぐに着けてくれてる。


「リアさん、これ…そんなにすごいものなのかしら?私はよくわからなくて…」

「麻帆と奈々はまだ魔法初心者だものね。 そうね…間違いなくアスカにしか作れないし、価値として言うなら値段なんてつけられないわ。大切にしなさいよ?」

「え、ええ…」

「アスカがくれたんだから大切にするのは当たり前! オシャレだし!」

麻帆は恐る恐るといった感じ。奈々は普通に喜んでくれてるかな。


問題は、一番魔道具としての価値を気にしてしまっている王女様お二人と、モルチアナとサラセニアか…。 (無理もないの)

「アスカ様、このような価値のはかり知れないものをポンっと手渡されては…」

「そうですよ…。私にはなんのお返しもできませんのに…」

そうなっちゃうか…。

「もちろんこれがどれくらい価値のあるものなのかは私も理解してるつもりよ」 (いやーどーだろ)

…ちょーっとだまっててね? (ふふっ、あーい!)


「んー…そうね…。 私にとって貴女達はこんな魔道具なんかより遥かに大切な存在なの。対価がどうとか言うのなら、貴女達がそばにいてくれるだけで充分すぎるんだよ」

「これほどの魔道具より…」

「私達のが…うぅ…そんなこと言われてしまったら…」

いやいや! どうして泣き崩れるの!? (ママ、嫁をさらに落とす)

堕としてない! (そっちじゃなくて! 更に惚れさせたなーと)

なんでよ…。

周りへ会話は遮断されてるとはいえ、他の生徒からも注目されてるから泣き止んで…。

王女様を泣かしたなんてまた事件だよ!


「愛されてる証って思えばいいのにー。ほら、泣いてるとまた目立つよ」

「そうよ。アスカにここまで言ってもらってるのよ?ありがとうって受け取るのが礼儀だと思うわ」

「ティアとリアの言うとおりだよ。気にせず受け取ってくれればいいの。貴女達に渡すのだけは学園に渡した物と違うからね」 (なにしたの!?)

秘密! (むー。キャンディやノアが羨ましがりそう…)

わかってるから、使えるかどうかは別として全員分用意してあるよ。あたり前でしょ? (師匠たちも?)

一応ね。また怒られるかもだけど…。 (ふふっ…)


泣いていた子たちも落ち着いて、何が特別なのかと見てるから、次は未亜と聖さんだね。

手渡したら嬉しそうにしてくれてなにより。

「二人のは、みんなに渡したものにプラスで聖魔法も刻まれてるの。適正を持っていたからね。二人はそっちの魔法も使えるようになるから頑張ろうね」

「ありがとうお姉ちゃん。多分すごいものなんだろうなってのはわかるけど…本当にいいの?」

「いいんだよ。それは未亜専用なんだから」

「はいっ!」


「わたくしもよろしいのでしょうか…まだ未熟なメイドでしかないですのに」

「貰ってくれないとなんの意味もないアクセサリーになっちゃうよ?それは聖さんにしかあつかえないのに」

「ありがとう…ございますわ」

うちの子達に渡したものだけは専用になるよう波長を刻んであるからね。 (学園のは?)

多分王妃様が管理するだろうし、卒業したら次代に…ってなる可能性を考えてフリーにしてあるよ。

学園長が専用にしたほうがいいと判断するのなら、そのとき対応するだけだし。 

当然専用にした方が効果としても跳ね上がるからね。授業として使うときに確認するつもり。 (倒れてて確認できなかったもんなー)

本当に黙っててね? (あいあい。がくえんちょーも別に怒ってはなかったのに)

色々と諦めたような表情はしてたね。


「あっ、これじゃね? ほら、見て麻帆!」

「…ホントだわ。私のと違うわね」

「どれよ!? 奈々、私にも教えなさい」

「えー。 リアちゃん、そこは”教えて下さい“でしょ?」

「奈々っ! 調子に乗るんじゃないわよ!」

「冗談だって。ブレスレットの裏側、宝石みたいな魔石が埋まってる穴のそばを見てみ?」

「まったくもう! ……ほんとだわ。ねえ様のもみせて!」

「…やだっ! これはアスカから私だけへのメッセージだしー」

「なによ…ケチね!」

「なんとでも言えばいいよー」

一人ひとりちゃんと違うメッセージを刻んだからね。 (なんて書いたの!?)

言うと思う? (ケチケチだー!)


すねないで?ちゃんとティーのもあるんだから。 (ガチ!?) 

またどこで覚えたのやら…ガチです。もちろんリズのもね。 (楽しみなの!)

聖魔法も扱えるわが子二人のも当然対応させてあるけど、今はプロテクトがかけてある。

消費魔力が多いし、将来を決めてしまわないためにも…。

ある程度大きくなって望むならプロテクト解除すればいい。 










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