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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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適性をどう活かすか



なんとか二人の願いを叶えはしたけど、私はメンタルが限界。 (ママの唯一の弱点)

唯一でもないと思うけどね…。


ソファーでぐったりしてたら、未亜達も部屋に戻ってきた。

「お姉ちゃん、お話は終わった?」

「うん。待たせちゃってごめんね」

「なんかアスカ、顔赤くない?グッタリしてるし…」

奈々はどうしてそういうところ目ざといかな。

あまり気にしないでもらえるとたすかるのだけどね。

まだみんなとも話さなきゃいけないのに。


メイドをしてくれている子達も、キャンディとノアにも集まってもらい、話し合う。

ユリネさんとアリアさんにも無理を言って時間をとってもらった。忙しいのに申し訳ない。


王女様二人と話したように、みんなにも私の想いを伝えて、みんなの想いもぶつけてもらった。

その結果、私のメンタルが崩壊するんじゃないかっていうくらいの負荷が…。

本当にこれだけはいつまでたっても慣れる気がしない。 (そのうち?)

だといいけど…。



みんなに開放してもらってから、シエルと約束していた魔装の相談をして、デザインを詰めたりとか…。楽しくてメンタルも多少回復。

やっぱりこういう作業は好きだし、精神を落ち着けるのにもってこいだわ…。 (ママの癒やし役を取られたの…)

だってティーもリズもいないんだもん。 (むー)




一夜明け、アクシリアス王国へ王妃様とアルフィー、アリアさんとユリネさんを送り届けた。

アルフィーはさみしがっていたけど、空の旅について話してあげて、また向こうで会えるからと説明したら納得してくれた。

ちなみにシルフィーは学園があるから、ギリギリに私がみんなと一緒に転移で連れて行く事になってる。 (いいの?)

もちろん王妃様の許可はもらっているから大丈夫よ。



ドラゴンの里へティー達を迎えに行ってから、揃って学園へ登校。

アルフィーがいないから、ティーとリズも今日は託児所に行って、ピナさんたちメイドさんと待っててくれる。 (ふっふー)

リズの事見ててあげてね。 (らーじゃ!)


私はまた学園長に呼ばれているから、学園長室に行かなくては…。

「アスカ様もお母様のところへ行かれるのですよね?」

「うん。ストレリチア様も?」

「ええ。シルフィー様もです」

「呼ばれた理由は知ってる?」

「恐らくステータス鑑定の結果に関してかと思います。私達は昨日お母様達の前で鑑定されましたから」

ああ。二人のは王妃様が直接確認したのね。

学園の生徒たちのも情報が上がってきたんだろう。となると、多分光魔法関係だろうな…。 (あたりー)

 

魔法科に行く子達とは別れて、学園長室へ。

ノックしてお邪魔した室内には、ヴィータさんと数人の生徒が…。

魔法科で見かけた子が二人、騎士科の子が一人。冒険者科からも一人。

召喚科からは鳥型の召喚獣を連れている先輩が。この人達が光魔法に適正があったと見ていいね。

魔道具、魔装科の子はいないか。 (ママと魔力循環した王子二人は?)

うーん…。騎士の方を優先してる可能性と、性別の影響かも。 (性別?)

後で話してあげるね。 (あいあい)


「アスカちゃん、悪いんだけどこの子達をもう一度確認してみてもらえない?全員が光属性に適正を持っているんだけど、ヴィータ以外は自覚がなくて、光魔法は使ったことすらないらしいの」

「わかりました」

回復魔法なり光魔法に触れる機会がないと、自覚するのは難しいだろうなぁ。 (女の人ばっかり)

それよ。傾向として光魔法に適正があるのは女の人のが多いイメージだから。数十人いて、男の人が一人いるか?ってくらいの割合。しかも使えたとしてもユウキみたいに制限のある場合が多い。

自己回復しか出来ない、みたいに。 (なんで?)

ハッキリとはわからないけど、多分聖女に関係してると考えたほうが無難でしょうね。

言い方は悪いけど、光魔法を使えるというのは劣化版の聖女みたいな物だからね。 (あー)

聖女にまでなれる可能性を秘めているという意味でもあるけど、現実問題としてはなかなかね…。



王女様二人を含め、本人達に直接最終確認をして鑑定の許可をもらい、一人ずつ見ていく。

ヴィータさんも確認してほしいとお願いされて鑑定。


ここにいる学園の生徒は全員が光属性への適性はあるけど、能力的にはやっぱりヴィータさんが飛び抜けている。

さすが現役の冒険者でもある先生だね。

次いで魔法科の二人、冒険者科、騎士科、召喚科の先輩という順番。 (成長しないの?)

するよ。光魔法を覚えて使うようになれば、成長速度に差はあれど全員がヴィータさんクラスに成長するのは難しくはないし。 (王女様二人は?)

別格なのは聞くまでもなくない?鍛えれば直ぐに光魔法の最上位まで使えるよ。 (未亜達も?)

勿論、うちの子は全員そうね。未亜、聖さん、リズ、ティーもだけど、この四人は現時点で聖魔法への適正もあるし。 (ふふっティー達はゆーしゅーなので)



学園長にも同じように説明したら、どうやって鍛えたらいいのか?という話になり…。

「そうですね、今はまだヴィータさん以外は光魔法を扱えない状況ですので、先ずは光魔法を見る、自ら光魔法を受けるというのを繰り返すしかないと思います」

「それはヴィータのでもいいのよね?」

「はい。適正がある魔法なら見て触れるというのはどの属性でも基礎的なものですし、覚えた後は繰り返し使うのが一番ですね」

普通は見るだけで覚えるというのはかなり難しいから、先ずは繰り返し光魔法をかけてもらうほうが手っ取り早い。

私の場合は攻撃魔法ですらこの身で受けて覚えたけど…。 (鬼畜師匠…)

手っ取り早い方法ではあるけど、酷い目に合ってるからそこは否定しない…。


現状、光魔法を扱えるのがヴィータさんだけだから…

「教える側のヴィータさんの負担がかなり大きくはなりますが、ご本人も繰り返し扱うというのは成長に繋がりますし、無駄はないと思います」

「でも私が扱えるのは回復魔法くらいで…」

「アスカちゃん、ヴィータが他の光魔法を覚えることは可能?」

「勿論です。適正があるのですから。そちらは私がお見せするなりして覚えてもらうしかないですが…」

「お願いできる?」

「お任せください」

「これは特別教室を用意したほうがいいかしら」

そう言いながら思案顔の学園長。

学ぶのに集中したいというのであればその方がいいかもしれない。


「あ、その前にみんなに質問よ。今通っている科を優先したいのならそれでもいいわ。無理強いはしないから…」

そっか、国に仕える騎士科や、元々魔法を覚えたいという魔法科の生徒はいいとしても、冒険者科の場合は早く稼がなくてはいけない理由があったりするでしょうし、召喚科の先輩も進むべき先が変わってくる可能性がでてくるものね。


どうするのだろう?と思っていたら全員迷うことなく光魔法の習得を優先すると言う。

「私は国に仕えるのを目標としています。皆を癒せるというのであれば悩む理由などありません!」

騎士科の生徒は思っていた通りの返事だね。 (さすが騎士の卵)

だねぇ。目標がしっかりしてるからこそだろうね。


「私達は魔法を学びたいというのが目的ですから、レアな魔法を習得できるというのならそちらに集中したいです!」

「姉はこんなこと言ってますけど、アスカ様に教えていただける機会を手放す筈無いです…。勿論それは私もですが…」

魔法科のお二人は姉妹なんだ。納得ではある。 (あまり似てないけど…)

見た目じゃなくてね、血筋というのは魔法の適正に大きく関係してくるのよ。ティーやリズが全属性扱えるのと同じ。 (おー、ママの子だもん!)

そういうこと。


「これから冒険者として生きていく上で、自分自身や仲間の命を少しでも繋げられるというのなら是非お願いします!」

パーティーに回復要員がいるかどうかっていうのは、冒険者として生きていく上で全体の生存率に直結するから、ちゃんとそこをわかってるね。 (実戦してるしなー)

言われたらそうね。訓練だけしてるわけではなく、すでに現役の冒険者に近いのならわかってて当たり前か。


「アスカ様、もし私が回復魔法等を扱えるようになったら、この子達を癒やしてあげる事もできますか…?」

「もちろん召喚獣の子達にも効果はあります。ただ、相手が格上の子になると効きづらいとかはありますけど、そういう場合は重ねがけするという方法もありますから」

「では尚更しっかり学ばなくちゃ…」

先輩は召喚獣の子達の為だったんだ。本当に大切に想ってくれるようになってて嬉しい限り。


「わかったわ。じゃあこちらで予定を組み直します。教室も用意するから今日のところは解散ね。時間を取らせてごめんなさいね」

みんな一礼して学園長室を出ていく。王女様お二人も魔法科に戻るよう言われてる。

私も食堂なりで時間を潰してようかな。午後から召喚科があるし。

「あ、アスカちゃんとヴィータはもう少し待ってもらえるかしら」

学園長に呼び止められてしまったね…。 (ママの目論見が)

悪いことを考えていたみたいに言わないでくれる? (のんびりお茶してようかなー)

思ってたけど! それくらい別にいいじゃない。 (うむ)








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