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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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レターキャリアー 後編



お城への移動中、王女様お二人と少し話し合い。

二人とも本気でケンカしている訳でもないし、立場的にも気安くやり取りできる唯一の間柄だからあまりキツくも言えないし…。

先ずは二人の言い分を聞くところからかな。


「私はアスカ様と一緒にいられる時間が少ないですから…。国へ帰ればまた自由はなくなりますし…」

「私なんてアスカ様が学園に通っている今だけなんです! ですから…」

「それは私も同じです!」

「わかったから。揉めないで? せっかく一緒にいられる時間を揉めてたらもったいないでしょ?」

「はい…」

「仰る通りです…」

お互いに忙しい身だから仕方がないけど、少しくらいちゃんと向き合う時間を作らなきゃなぁ…。



お城には直ぐに着いてしまい、問題の解決ができないまま。

先ずはお手紙を渡すという役目をはたさなくては…。



グリシア王国両陛下は、アクシリアス王国王妃様と共に居られたから話が早かった。

アルフィーは疲れてるのか、スヤスヤと寝てて可愛らしい…。


アキナさんからお預かりしたお手紙も無事に手渡せた。

「……お祖母様が送迎に身内のドラゴンを寄越してくれるらしいわ」

「みたいね。いいのかしら…」

「お祖母様がそう言ってるのだし、甘えてしまっていいと思うわよ。もう国を出てしまってるでしょうし」

「わかったわ。しっかり準備しなくてはいけないわね」

アキナさんの身内なら飛ぶのも早いだろうし、ゴンドラも使ってもらえそうで何より。 (ドララなの)

そうだったね。


アクシリアス王国陛下には王妃様が通信魔道具で連絡しておくと。

ただ、王妃様とアルフィーは一度アクシリアス王国へ送ってほしいとお願いされた。

「準備しなくてはいけないし、陛下と一緒に私たちは向かわななくてはね」

「すぐにお送りしますか?」

「明日でいいわ。アスカちゃんもまだ配達が残ってるでしょう?」

「はい…。ありがとうございます」

まだドラゴンの里に行かなくてはいけないから。


「あ、シルフィーは少し残りなさい」

「ストレリチアもよ」

「お母様?どうしてですか…?」

「わからないとは言わせないわよ? 学園でアスカちゃんに迷惑かけてるでしょう。ちゃんと報告が来てるの」

「ご迷惑など…」

「アスカちゃん。この子達は後で私がお屋敷に送るから、行きなさい」

「は、はい…。 でも、迷惑はしていないので…私にも落ち度はありますから」

「そういう事にしておくわ」

ごめんね、二人とも…。今度ちゃんと時間取るから。


王妃様お二人の気迫に何も言えず…。 (陛下も顔が引きつってたの)

後でちゃんとフォローしよう、そう決意してお城を出て、一人馬車に揺られてお屋敷へ帰宅。



「お母様! おかえりなさいなのです。 シルフィー母様とストレリチア母様は…」

「お城で王妃様とお話があるから、別々に帰ってきたんだよ」

「わかりました! あの、お母様…」

「うん? どうしたのリズ」

「リズもフィアとニレに会いたいのです!」

「いいよ。リアたちもいいよって言ったんでしょ?」

「はいなのです!」

多分声をかけたのはリアだろうし…。 (あたりー)

未亜とシエルは寂しそうにしてない? (それもあたり)

だよね。未亜は最近特にだけど、私よりリズにベッタリなイメージ。 (シエルも手が空いてる時は一緒)

あの子、服作りも忙しいのに大丈夫? (休憩にリズと一緒にいる感じ)

ならいいけど…。ティーもくるよね? (もちのろん)

りょーかい。


ドラゴン姉妹とティー、リズを連れてドラゴンの里へ。


ーーーー

ーー


ドラゴンの里は最近見慣れた光景。

リアにティーとリズをフィア、ニレのいるアスレチックへの案内を頼み、私はティアと長老様の元へ向かう。

「ちゃんといつものところにいるといいけど…」

「いなかったりするの?」

「ほら、長老様も走り回ってたりする時もあるし、近くの街に遊びに行ってたりもするから。必ず一人は残ってなきゃいけないはずなんだけどねー」

ティアと話しながら、長老様の集会所みたいな…以前円卓を作った洞窟へお邪魔した。


「長老様、ちゃんといるー?」

「ティア!? アスカ様も…」

「かあ様? ここで何してるのー」

「それがね…」

まさかルナシアさんがこちらにいるとは思わなくて、私もびっくりした。長老様にお手紙を渡したあとにご挨拶に伺う予定はしてたけど…。


「ええ!? かあ様が長老様!?うそ…」

「ほら、レイナは嫁いでしまうし、ベルナもほとんど戻らないじゃない?」

「二人ともアクシリアス王国にずっといるもんねー」

「ええ。そうなると数が少なくなってしまって…貴女達の母親ってのもあって私に白羽の矢がたったの」

「ああ。それは仕方ないねー。じゃあ改めて…。長老様、ドラゴライナ王国からの正式なお手紙を王女様が持ってきてくれたから確認してね」

「ティアまでそんな呼び方やめて! まだ慣れないのに…」

ルナシアさんはそう言いながらも手紙を受け取ってくれて、他の長老様が戻り次第確認すると言ってくれた。

それにしても、ルナシアさんが長老様かあ…。でも、考えたら納得かも。 (理由はー?)

ルナドラゴンは少ないって話だったし、ドラゴンの中でも魔力が高いとも言ってたから。 (そっちかー)

違うの? (ママの嫁のママだからだよ)

ティアとリアね。

え、そんな理由!? (それ以外ないでしょー)

……はぁもう。バタフライエフェクトじゃないけど、あちこちに影響が大きく広がり過ぎだわ…。






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