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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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立場



学園長に光魔法と回復魔法は同じものだという事、また聖魔法とはなにか…について説明しておく。

「つまり、回復魔法も聖魔法も大きく分けたら光魔法に分類されるのね?」

「はい。聖魔法は光魔法の派生で最上位になると思っていただければ…」

「じゃあ聖魔法が扱えると光魔法も扱えるの?」

「私はそうですが、聖女様は聖魔法のみですね」

「違いは何?」

「元々聖魔法の適正を持ってるのが聖女様で、私のように光魔法から覚えて聖魔法へまで上がるというのは相当成長が早くないと難しいんです」

イアリスさんのところにいた見習いの子は色々と重なった結果だし…。 (ママの祝福に魔道具、ツキの加護…上げたらきりがないの)

う、うん…。


「じゃあ可能性として、例えばヴィータが光魔法を極めて、聖女に…ってのも有り得なくはないのね」

「可能性の話としてならそうですね」

多分普通の人だと、そうなる前に寿命が尽きてしまうけど…。


「今日、生徒の鑑定を一斉にしたけど、もし光に適正のある子がいたらわかるのかしら?」

「わかると思います。実際にうちの子もみんな持ってますから…」

「そうでしょうね。 もし学園の生徒に適正のある子がいたとして、その子達を鍛えてあげてもらうことは可能?」

「可能ですけど…」

まさか…。 (まさかまさかー)

楽しまないでよ…。 (仕方ないの)


「これは報告が上がってくるのが楽しみになったわね」

そう言って笑う学園長。 (ママは引きっつた笑い)

仕方無くない!?




学園長室を辞して急いで食堂へ。午後は騎士科へ行く予定だから。

まだみんないてくれたから、一緒に食事ができた。

「お姉ちゃん、ギルドの方はどうだった?」

「途中で少しトラブルがあったから、また行かなきゃかもしれない…」

「またアスカはなにかやらかしたの!?」

ひどいよリア。いつも私が悪いわけではないのよ?

「帰ったらみんなにしっかり話すから。午後の授業がないのなら先に帰っててね」

「絶対だかんなー。アスカは見てないと何してるか心配だし」

「奈々、そんな言い方するものではないわ」

「麻帆はいい子ちゃんだもんねー」

「ちょっと奈々!」

「お二人ともそれくらいにしてくださいまし…。わたくしたちの行動一つでアスカ様の名前にキズが付きかねません」

「ごめん…」

「ごめんなさい…」

「聖さん、止めてくれてありがとね。でも、みんなそんな細かい事は気にしなくていいよ。みんなを受け入れると決めた時点で責任を負うのも覚悟の上なんだから。遠慮したり我慢したりっていうのもたくさんの人がいたら当たり前になるかもだけど、無理はさせたくないの」

「余計なことでしたでしょうか…」

「ううん。聖さんがそうやって気を使ってくれるのもありがたいの。だから気にしないでね」

こればっかりは本当に人が多くなると仕方がない。中心になる私はみんなを守るのも勿論だけど、何かあったら責任を取る立場にいると思ってるし。 (ママも難しく考え過ぎじゃない?)

そう? (なんかそれだと恋人というより統治者みたい)

……ありがとう。確かにそうかもしれない。言われてハッとしたよ。みんなとは対等な立場だもんね。 (そうそう)


少し元気のなくなってしまったみんなは食堂をでていった。

私が帰ったらみんなと話し合わなきゃだな。 (伝えとくの)

お願いします。



今は気持ちを切り替え騎士科へ。

王子様がお二人おられるから、無様な姿は晒せない。

そういえば騎士科の先生って誰なんだろう。学園祭の時に顔を出しただけだから何も知らないわ。 (第一騎士団の騎士団長と副騎士団長だよ)

第一って…。この国で一番の騎士様って事よね。 (あ、元だった)

だとしてもだよ…。すっごい緊張してきた。 (訓練は厳しいけど優しいおじーちゃんだよ)

そ、そう…。王子様もおられるからそれくらいの立場の人じゃないと駄目なんだろうけど、流石にびっくりした。


お邪魔した騎士科は相変わらず整然としていて乱れがない。

学園祭の時との違いは、展示物がなく座学用に椅子とテーブルがあるくらいか。教室内に生徒はいない。 (みんな訓練場で鍛錬してるの)

みたいね。ご挨拶するために顔を出すべきか…でも邪魔になりそうだし。


「お、噂の王女様じゃないか」

教室に入ってきたのは鍛えられて筋骨隆々の女性。 (元副騎士団長だよ)

引退しているの?全然そんなお年には見えないし、身体に衰えもないのに…。

「初めまして。ドラゴライナ王国から留学させていただいているアスカです。今日はよろしくお願いします」

「そんな堅苦しくならなくて大丈夫だ。こちらはもう一般人だからな」

そう言いながら背中をバシバシと叩かれる。どことなく師匠を彷彿とさせる…。しかもかなりの力だし。 (それ、生徒によっては吹っ飛ぶ…)

でしょうね。力すごい。


「名乗るのが遅れたな。ここの副教師をしているシュラという。わざわざ来てもらって済まないな」

「私が関わった魔道具ですから」

元第一騎士団の副団長っていう肩書を名乗らない時点で人柄がわかるなぁ。 (そう?)

だってすごい立場だよ?普通は引退していても名乗るときには言うでしょ。あくまでもここでは副教師だって言われるのだからすごい。 (ママも元魔王って言わないよ)

それは言えないからなの! 相手を怖がらせかねないでしょう。言わないのと言えないのは違うんだよ。 (ふひひ)

この子、わかってて言ってるな…。 (元勇者とも言わないし)

そっちも言えないからだよ! (あははっ)

本当にもう…。


「今日来てくれた内容についてだが、予め聞いておいても構わないか?」

「もちろんです」

ギルドとの差…。 (あれくれ者と比較したらだめなの)

その言い方もどうかと思うよ? 自由な冒険者との差、くらいで。 (オブラートつつんだなー)

ティーはオブラート嫌いだからか。 (そうそう。あんなビニールヤダの)

ビニールではないのだけど…。って前にもこんな会話したよね。 (うむ)

好き嫌いのないティーだから珍しくてね。 (食べ物に好き嫌いはないの!)

もう食べ物とすら認識してないのはよくわかったよ。







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