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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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王宮魔術師



扉を抜けて中に入ると、ギルドの訓練場の何倍だろう?って広さの場所に出る。

「ここは魔術師の訓練場よ。どんな魔法を使ったってびくともしないわ」

そうかなぁ…。 (いや、アスカはだめだよ?)

はいはい、わかってるよ。 (あれ?また聞こえてる?)

うん、急にね。 (なんでだろ…)

さぁ? (ちゃんと加減しないと、お城危ないからね?)

わかってるってば! (ホントかなぁ)


「ちょっと! 話聞いてるの?」

「…魔術師の訓練場なんですよね」

「そうよ。だからここなら思いっきり魔法を使って勝負が出来るわ」

「はぁ…そうですか」

どうしたら満足するのかな…。困るなぁこういうの…。



「アスカちゃん! 思いっきりやって、見せてやって」

えぇ!?王妃様? アリアさんもいるってことは連れてきてくれたんだ。

訓練場を見渡せる高い場所、観客席のVIP席みたいになってるところに王妃様とアリアさんがいる。


「お姉様!どうしてここに…」

「貴女の考えることなんてわかってるわよ。アスカちゃんの実力を見れば納得するのよね?」

「ふんっ! 私が負けるようなら謝るし、何だってしてやるわよ」

もう、なんでこうなった…。知らないからね?


「言質とったから。アリアも聞いたわね?」

「はい、しかと」

「見届けてあげるからやりなさい」

あれはきっと楽しんでるなぁ王妃様。



訓練場の両端に別れて待機。

そもそも私、借り物のドレス着てるんだけどなぁ。配慮してほしい…。


それにしてもここ、どれだけ広いのよ…。

あ〜…そうだ。これやっとかないと。

「すみません〜王妃様」

「なぁに?アスカちゃん」

「念の為ここ全体に魔法防壁張りますけど大丈夫ですか?」

「構わないわ」

「ありがとうございます」

これだけ広いのに話したい相手に向かって少し声を張れば届くのも、なにかしら魔法かかってるなぁ。 (拡声魔法だねー)

なるほど、ありがと。 (うんっ!)


取り敢えず…王妃様とアリアさんのいる所は徹底的に。あとは訓練場を魔法防壁で覆ってっと…。


「ちょっと! 今何したのよ?小細工?」 (わからないの?)

そうきたかぁ…。


「大丈夫よ、私達に魔法が届かないようにしてくれただけだから」

王妃様の説明で納得したのか、静かになる。


「二人とも準備はいいかしら?」

「はい」

「いいわ」


「はじめ!!」


さぁ何してくるかな?あまり派手なことしてまた壊したりしたくないから出方を見よっと。


1メートルほどの氷の槍が何本か飛んできたね、少し動いて躱す。

ならこっちは数で圧倒しますか。 (壊さないようにね)

わかってるよ、数を出して降参したら消すから。 (ならいいけど)

頭の中で会話してる間にも何本か飛んでくる。

「どうしたのかしら?怖気づいたの? 避けてるだけ?その程度で…」


取り敢えず数は500くらいでいっか。大きさは威圧感ほしいから大きめに5メートル。

私の上と左右に氷の槍を作り出す。先端は全部、王宮魔術師の方を向けて。

「な…」


降参しない?

ならもっと殖やすけど…。

さらに500。

「な…に、これ…」


あれー?まだだめ? (いや、大丈夫。それ以上はやめてあげて)

だって、反応ないから… (いいからそれでストップ)

わかったよ…。


「アスカちゃん、それ全力かしら?」

「いえ…」

「そうよね…。ミルフィ、降参しなさい。それともこの数を捌ききれるの? しかも何度も何度もその数が飛んでくるわよ」


「……無理です。降参します」


よかった。急いで魔法を消す。 (ほらね?)

ありがと。 (ドヤァ) 

ふふっ、なにそれ、可愛いね。 (バカにするなよぅ)

してないよ! (むぅ…)


王妃様とアリアさんが訓練場に降りてきたから私もそこへ向かう。

「ありがとね、アスカちゃん。嫌な役目をさせちゃったわね」

「いえ…でもよかったのですか?」


対戦した位置から動かない王宮魔術師。

「あの子が望んだことだし、王宮魔術師って立場もあるからね。 言い出したことに責任をもたないといけないのよ」

そういう物なのか…。


「ここは私に任せて。 アリア、アスカちゃんとホールへ戻ってて」

「はっ…外に数名待機させておきますので何かあればそちらへ」

「ありがとう、アリア。 アスカちゃんもね」

「はい。では失礼します」



訓練場をでて廊下を歩く。

「アスカ様、お疲れ様でした」

「いえ、急だったのでびっくりしましたが…アリアさん、ありがとうございました。あの時、気がついてくれてるのが分かってたから安心できました」

「勿体ないお言葉です。護衛の役目を果たしたまでのこと」

「でも嬉しかったです。ありがとうございました」

「はっ」


アリアさんに案内されホールへ戻る。

「あ…お姉ちゃん! 急にいなくなるからびっくりしたよ!」

「未亜様が焦って大変でしたよ?」

ごめんねぇ! 私悪くないはずなのに…。 (今回は被害者)


「少し夜風に当たりに行ってたの。心配かけてごめんね」

「…んー? お姉ちゃん嘘ついてる」

うぐっ…。


「何かあったでしょ?言えないこと?」

「未亜様、アスカ様は王妃様のご用事で席を外されたのです。詳細は極秘で…」

「お母様のご用事ですか…それは仕方ないですね」

「うん、王妃様のご用事なら。なんか元気ない感じがしたから心配だっただけだよ」

ありがとう、アリアさん。ナイスフォロー。


「大丈夫、少し疲れただけだから。ここで休んでるから王女様とスイーツ見ておいで」

「そっか…。もし、またここを離れるときは一言教えてね」

「わかったよ」

ようやく安心したのか王女様と再びスイーツビュッフェへ向かう未亜ちゃん。


「アリアさん、ありがとうございます。また助けられてしまいました」

「はっ、いつでも頼ってください」

アリアさんイケメン過ぎて惚れそうです。 (フラグ?)

いやたとえ話だからね? (なーんだ)





 

(再登場!)

次回からレギュラーだからよろしくね。

(任されたー!)

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