表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

747/772

新たな依頼



ステッキの射的を教室内に設置して、授業としてみんなにも触れてもらい、なれない生徒達にはうちの子の力も借りて繰り返し練習。

魔法科の生徒は基本的に魔力が高い。それはつまり魔力を扱う難易度も上がるという意味でもある。


繊細に魔力を扱うという部分に関してだけなら、魔道具科の生徒のが長けている。

これは、普段から魔石に術式を書き込むという繊細な作業をしているからで、魔力の扱い方に大きな差がでるのは仕方がないとも言えそう…。

それでも徐々に上手くなる生徒もいるから、ゲームを使ったのは正解だったかなと思える。


魔法科の先生と生徒達の練習を見守る。危険もないから安心してみていられるのは良いことよね。

「アスカさん、ありがとうございます。これで少しでも生徒の安全につながるのなら、教師として安心できます」

「良かったです。実際に魔法を使う時の危険性が少しでも減れば何よりですもんね」

「はい。後は副教師のヴィータが復帰したらそちらにも伝えなくては…」

そういえば、魔法科は先生一人しかみかけてなかったな。

「お休みされているのですか?」

「ええ。冒険者も兼ねているので、指名の依頼が入ると長期間街を離れる事もあるんです」

「兼業は大変そうですね」

「ヴィータは貴重な回復魔法の使い手ですから、教師だけに専念できないんですよ」

「大変ですね…。生徒に回復魔法へ適正のある人はいないんですか?」

「うちには鑑定の魔道具が一つしかなく、それも持ってでかけてしまっているので…。生徒の適性はまだ見れていないのです」

あー…。属性魔法は、たとえ属性が違えど基本は同じだからいいけど、回復魔法は教わらなきゃわならないものね。 (そうなの?)

うん。使える人が少ないと見る機会もないでしょ?そうなると、回復魔法がどういうものかすら分からない…。 (わからないものは使えない?)

そういう事だね。


鑑定の魔道具を作って渡すことも可能だし、なんなら鑑定も回復魔法を教える事もできるけど…。 

一度学園長先生に確認するしかないな。勝手なことは出来ないし。 (うんうん!)



ドラゴライナ王国から留学しているお二人も学園生活はどうかな?と気にしてみていたけど、こちらで友達ができてるようで、ステッキの扱い方を教えてくれてるのは本当に助かる。多分だけど屋台で見慣れてるでしょうし。


射的で生徒達が盛り上がってるのを見守っていたら、突然学園長先生が教室に。

「少しお邪魔するわよ」

「学園長!? どうされたのですか?」

「新しい授業風景を見たかったのよ。でも…心配する必要もないくらい楽しそうね」

「ええ…。以前のように座学の後、口頭説明だけで魔法を使うというのが如何に危なかったか、実感してしまいました…」

「仕方ないわよ。うちはずっとそうしてきたのだし。 これからは安全性も向上するのだからいいじゃない」

「本当にそのとおりです」

怪我をしたり、トラウマになるよりは遥かにいいよね…。 (うん!)


「アスカちゃん、少し時間いいかしら」

「はい?」

学園長に呼ばれて、そのまま学園長室へ移動。



学園長室にはアクシリアス王国の王妃様も来られてて…。

「アスカちゃん、ごめんなさいね…。またお願いがあるのよ」

「私にできる事ならいいのですが…」

「鑑定の魔道具を学園に配備したいの! 作れるのよね?」

ああ、まさにそれを私も確認したかったんだよ。 (ナイスタイミング)

本当にね。王妃様と学園長で話し合ったんだろうね。


「いくつ必要ですか?」

「各科に最低一つは欲しいんだけど、さすがに大変よね…?」

「そう思うでしょ? この子あっという間に作っちゃうわよ」

「嘘でしょ!? 鑑定の魔道具よ? 今は作れる者もいないのに…」

「うちにあったのを読み解いて作ってくれたのよ。今では必要なだけ配備できてるわ。アスカちゃんのおかげでね」

「じゃあ今言って直ぐに作れるってこと!?」

「はい。少し時間はいただきますが…」

「お願い! 街のギルドにも学園にも必要なの!」

無いのは本当に不便だもんね…。


学園長から正式に依頼を受け、作成用の魔石を受け取り、予備を含めて十数個の鑑定魔道具を作成。

直ぐに学園中に配備された。

明日には生徒の鑑定がされ、正式な適性も判明する。

うちの子たちは色々と問題がるから免除してもらえるように頼んである。

聖女適性とかある子もいるからね…。


学園長としては、生徒に聖女適性とまでは言わないけど、回復魔法を扱える子がいたらいいな、という希望があるらしい。

世界にもよるけど、どこも回復魔法が使える人というのは少ないイメージ。回復薬等が作れる人も同じ…。 (回復薬も?)

うん。だって回復魔法を使える人がイコール回復薬を作れる人だからね。 (薬師とかいないの?)

お薬を作れる人は当然いるよ。 (何が違うのかわかんない…)

お薬っていうのは薬草とかから作られるもので…。例えば風邪を引いたら飲んで安静にするなりして治るのを待つものでしょ? (うん)

回復魔法や回復薬っていうのは即効性のあるもので、その場で治せる。勿論回復魔法のレベルによってどこまで治せるかとかの差は出るけどね。ユウキみたいに自己回復しか出来ない場合もあるし。 (回復薬はどうやって作るの?)

回復魔法を使える人が回復魔法の魔力を込めて作るもので、ストレージやマジックバッグでもあって時間が止まってないと劣化していくの。 (ママのでも?)

もちろん。当然込めた魔力の量で効果や期限が変わるから、私が全力で魔力を込めておけばかなり長持ちするし、例え劣化してもしばらくは充分な効果が見込めるとは思うよ。 (なるー)


当然、薬草やその他の素材も使って効果を底上げしたりは出来るけどね。 (ドラゴン素材使ったやつとかだ!)

まさにそれ。私が作る場合、普通の回復効果がほしいだけなら、回復魔法を込めるだけで充分よ。 (聖魔法は込められないの?)

難しいね…。専用の器が必要になるから、先ずは聖魔法を解析してから、それを込めて保存しておける器の開発をしなくてはいけない。 (ママなら…)

できなくはないと思うけど、そこまでの手間をかけるなら聖魔法を使ったほうが早い。 (そっかー)

なにより世界観壊すでしょ?回復薬みたいにごくごく飲んで祝福かかりましたー、なんて。 (いえてるの! 有り難みが…)

うん。聖女が宗教と紐付いているから、教会が許さないでしょうしね。 (よくわかったの!)








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ