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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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教えられたこと



昼食を食べた後、魔法科の教室に移動。

今回はうちの子たちがみんないるし、ストレリチア様もシルフィーもおとなしくしててくれて助かります。 (食堂でひと悶着あったし)

まぁね…。誰が隣に座るかとか、教室まで誰が隣を歩くか、とか…。

ティーとリズがいないから、遠慮が無いのよね。 

じゃんけんとかで解決してるだけいいのだけど、今後のことを思うとちゃんと考えなくてはいけないかも。 (アキナさんみたいに自主性に任せたほうが無難)

かなぁ…。


「アスカ! 聞いてる!?」

「あ、ごめん…。どうしたのティア」

「教室ついたのに、通り過ぎそうだから止めたのー! どうしたの?何が悩んでる?」

「少し考え事をしてただけだよ」

「ならいいけどー。私に力になれるのなら話してよ?」

「うん、その時は頼らせてもらうね」

ティアは私の手を引くと教室に入る。


「あの…」

遠慮がちに近寄ってきた一人の生徒。私を守るように前に出るティア。

「アスカに何か用?」

「はい。 前の授業で助けて頂いたのに、しっかりとお礼も言えてなかったので…。ありがとうございました!」

ああ、魔法が暴発した子か。

「無事で良かったです。魔法の扱いには気をつけてくださいね」

「は、はいぃ…」

「アスカ!」

「な、なに?ティア…」

なんで睨むのよ…。私なにかした? (ママに優しい言葉をかけられたらみんなぽーっとしちゃうから)

なんでよ…。 (外見と立場?)

えー…。でもだからって冷たくするのは違うでしょう。


ティアに引っ張られるように教室内を移動。周りをうちの子達に囲まれるようにガードされて…座るように言われ、おとなしく座る。 (ママガーディアンがすげーの)

うん…。教室でここだけ異様な光景よね。なのに誰も深く気にしないのは何なのよ。


どうしたものかと頭を抱えてたら先生が来て、授業が始まった。

みんなの前に並べられたのは試作として作成した、誰でも扱えるステッキが数本。

ステッキの詳しい説明を求められたから先生の隣に行き、コレがどういったもので、魔法を扱う上でどんな効果があるかを詳しく解説。

「説明してもらったけど、何か聞きたい人はいる? アスカさんが来てくれるのは今日だけだから…」

一斉に手が上がる。うちの子たちまで! いつでも対応してあげられるのに、まあいいけども…。


「では、アスカさん。適当に当てて答えてあげてください」

私がですか!? でも自国どころか他国の王女様もいるから、仕方ないか。


ここはやっぱりストレリチア様をあてておかないとよね…。ここはグリシア王国なんだから。

「ストレリチア様、どうぞ」

「はいっ! えーっと………」

目が泳いでるけどどうしたの?

まさかノリで手を上げてた?

「ストレリチア様、質問がないのなら代わってください!」

「シルフィー様こそ、ちゃんと質問があるのですか!?」

「ありますよ!」

なにを揉めてるの…。王女様同士が揉めてたらみんな困るから。

「シルフィー、質問あるならどうぞ」

「はい!」

元気に返事したシルフィーは、ステッキの試合で使っているものとの違いについて聞いてくれた。


「大きな違いとしてはインジケーターという、どれだけ魔力を込めたかが細かくひと目でわかるようになっているところです。微量な魔力というのは制御しにくいので…。せっかくだからシルフィー?デモンストレーションしてもらえる?」

「わかりました!」

「アスカ様! それでしたら私も!」

「ストレリチア様もお願いします」

二人にステッキを手渡し、インジケーターの一つ分、二つ分…と二人とも微量の魔力を扱うのに慣れてるからわかりやすいと思う。


「お二人のように、魔力の扱いに慣れていれば、苦もなく扱えます」

「あ、あの! 私も試してみたいです」

さっきお礼を伝えてくれた子だね。

「いいですよ。危険も無いので、試してください」

「はいっ!」

うちの子たちがヒソヒソと話してて、何やら睨まれている気がするけど、授業だから許してよ…。


手渡したステッキに魔力を込めるも、直ぐに満タンになってしまう。

「あれ…少しだけにしたつもりなんですが…」

「感覚的に満タンに込めた量はわかりますよね?」

「はい…」

「じゃあ、そこからすこーしずつ減らしてみてください」

「減らす…」

悩んでいたけど、少ししたらインジケーターが一つ、ニつと減っていく。

「そのまま、更に減らして一つだけインジケーターが点灯したら、それを維持してください」

「……」

かなり集中してるようで、更に一つ二つ…と減っていき、ついにインジケーターのメモリ一つ分に。

「その状態を維持して、ブレないように…」

「はい…」

返事をした途端、インジケーターがマックスに点灯。

「あぁ…」

「大丈夫です。始めは話しかけられたり等したらブレるのは当たり前なんです。その訓練をするための魔道具ですから」

「わかりました…」

また一つ二つと減っていき、点灯が一つに。

二つ点いたり三つ点いたりとブレはあるけど、少しずつ上達はしている。

だから王女様達は隣で張り合うように自在に点灯させないでください! プレッシャーになりますから!


「このように、誰でも安全に魔力制御の訓練ができるのがこのステッキです。近いうちに全員に行き渡ると思いますから、練習頑張ってくださいね」

「他に質問のある子はいるかしら?」

その後も先生の進行で、質問というよりは直接扱い方を教えるというのを何人かやって…。


「あの…これに込めた魔力はどうなってるんですか? 減ったり増えたりしてますけど…」

「自分に戻しているだけですよ。魔法を扱う時にも、込めすぎたな…と思えば減らせばいいんです」

「そんなことができるんですか!?」

みんな驚いてるけど、知らなかったの?

私は基礎として教わったけど…。世界の違いってこういう事が起こりうるのね。

改めて師匠に感謝しなくては…と思う。大切なことを教えてくれたのは師匠だから…。










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