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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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我が子と



ーーーー

ーー


ドラゴライナ王国に戻ると、メイドさんからアキナさんが待ってると言われ、お隣のご自宅へ伺い、夕波王国での出来事を報告。

「あのトゥーナがねぇ…。落ち着くなら私としても安心だけど、続くのかだけが心配だよー」

「元々自由な方だったみたいですものね」

「あの子のは自由というより、自分勝手で無責任と言ったほうが正しいよ。今回のドワーフ絡みもそうだけど、だいたい面倒事を持ち込んで、気がついたらいなくなってるから」

やれやれといった様子のアキナさん。過去に色々とあったんだろうってのは想像に容易い。


「それにしてもミニチュアの玩具かぁ…。面白そうだからうちにも置いてもらお」

「いいですね。ハルナさんも喜びそうです」

「うちにハルナお姉ちゃんの店はもうあるからねー。商品を追加するだけだし」

「屋台ですか?」

「いやいや、商店エリアにしっかりと店舗も構えてるよ」

いつの間に…。でも身内の国だから出店ハードルは低いか。



報告も済ませ、自宅の方へ帰ったら、ティーとリズが待っててくれた。

「お母様、お仕事お疲れ様です!」

「ママおかえりー」

「ただいま。 お祖母ちゃんたちは?」

「えっとねーもうすぐママが帰るから待っててあげるといいよって」

ああ。ティーが言い出して待ってたのかと思ってたけどお祖母ちゃんか。ありがとう…。 



二人と一階のリビングでしばらくのんびりと過ごし、夕波王国で何をしてきたのかとか聞かせてあげた。

新しいおもちゃができると知って、リズは大喜び。 (ティーも楽しみ!)

試作品ができるの楽しみだね。 (うん!)


グリシア王国のみんなはどうしてる? (学園街を見て回ったあと、王都にいってウインドーショッピング)

楽しんでるのなら良かったよ。そろそろお昼だけどみんなは食べてくるよね? (うん! 例のトラ獣人さんのお店に行くって)

ああ、あのパスタ美味しいからなぁ。

よし、せっかくレシピも教えてもらってるし、うちも作ろうか。 (やった!)



「お昼ごはん作るけど、二人とも手伝ってくれる?」

「はいなのです!」

「頑張るのー!」

二人を連れてキッチンに行くと、メイドさんがお仕事中。

お願いして邪魔にならないキッチンの一角を借り、三人で調理。


「アスカ様は何を作られているのですか?」

気になっちゃったか。邪魔してしまって申し訳ない…。

「グリシア王国の獣人さんに教わったレシピなんだけど、よかったら一緒に食べませんか?」

「ぜひ…!」

今はこちらの家に三人のメイドさんがいるらしいから私達のを含めた六人分と、お祖母ちゃんとお祖父ちゃんにも食べてもらいたいから…八人分かな。



リズとティーもお皿を出したりと手伝ってくれるし、キッチンにいたメイドさんも手伝ってくれたから、完成は早かった。

「お祖母ちゃんのところにはティーたちが持ってくの!」

「じゃあお願いね」

一人一皿を抱えて、リズとティーはお祖母ちゃんたちの部屋に向かう。リズがちょっと危なっかしいけど、うるさく言うのも違うからね。大丈夫だと信じて任せておく。 (もしもの時は任せて)

ありがと。 失敗して悲しむのは見たくないから…。

まあ失敗するのも経験かもだけど今は…。


私達はキッチンでメイドさん達と一緒に食べようと思い、お皿とかも並べてたら残りのメイドさんも集まってきて、ティーとリズもすぐに戻ってきた。

「お母様! ありがとうって言ってくれたのです!」

「よかったね。 じゃあ私からも…二人ともお手伝いしてくれてありがとう」

「ふふー」

「お母様のお手伝いできたのですー」

二人を目一杯撫ぜてあげて、みんなで食事。


メイドさんにもパスタは好評で、真似して作ってみるそう。

私も教わったレシピだから、店で出したりとかはしないようにお願いしておく。

多分アキナさんたちに食べさせたいだけだろうからあまり心配はしてないけど、厚意で教わったレシピだから念の為。


ティーの連れてるプリンは、テーブルにおとなしくのって、一緒に食事してる。

「プリンは肉が好きね」

「うん! 美味しいって!」

「良かったよ」

ティーはパスタに入ってる肉を手渡しであげてて、プリンはそれを器用にクチバシで受け取って食べてる。

「ティー姉のプリンはお野菜は食べないのです?」

「食べないよー」

「ちゃんと食べないとだめなのです…」

んー。召喚獣とはいえ、猛禽類に近いから、基本は肉とか魚しか食べないだろうなぁ。お菓子とかは食べてるけど。

リズには草食、肉食について教えてあげるべきか…。 (任せてー)

そう? 一応、そういう絵本も用意しておくか。 (うん!)

帰ったら本屋にでも連れて行ってあげるか。



ティーが口頭でリズに教えてくれているけど、リズは首を傾げてる。

一応、魔族にも外見が肉食寄り、草食寄り…みたいな違いはあったけど、あくまでも見た目が私の知っている動物基準の獣人に寄っているというだけで、食べ物に違いはなかったから、リズには難しいか。


「アスカ様、よろしかったらそういった絵本をお持ちいたしましょうか?」

私達のやり取りを見ていたメイドさんの一人がそう提案してくれた。

「いいのですか?」

「はい、うちの子が幼い時に使ったものがありまして、休みの日にガレージセールにでも出そうかと思っていたものなので」

「助かります」

日本で買っても当然、普通の動物のものになるから…。それが無駄とは言わないけど、こちらのものがあるのなら助かる。


メイドさんはすぐに持ってきますと、自宅に戻ってくれたから、私はお礼にとお菓子を作る事にした。

今日、予定が流れてしまって拗ねていたみんなへのお詫びにも何かしたかったからちょうどいい。


先ずはチョコチップクッキー。

リズとティーには型抜きをしてもらって、他にもケーキを焼いて飾り付けも手伝ってもらった。


メイドさんは本を何冊も持ってきてくれてて、そのお礼にとお菓子やケーキを渡したらびっくりしてたけど受け取ってくれた。

「ありがとうございます! こんなに…よろしいのですか?」

「はい。この子達も手伝ってくれたので、ぜひ食べてあげてください」


屋敷内で他の仕事をしてくれてるメイドさんの二人には、置き手紙と一緒に、キッチンにクッキーを置いておく。


お祖母ちゃん達にも届けたあと、帰る挨拶をして、わが子二人を連れてグリシア王国へ転移。


ーーーー

ーー


「ママ、ママのママ達にはよかったの?」

「メイドさんへの置き手紙と一緒に、二人のも言付けておいてきてるから大丈夫よ」

「忘れてるのかと思ったの」

「会えなかったからね、せめてと思って…」

忙しくしてるみたいだし。お祭りが終わる頃には落ち着くでしょう。多分…。













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